北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

恒例の「寒行句会」と地元の「俳句村」

一昨日から昨日にかけて、

毎年恒例の寒行句会があった。

IMG_6929今年の場所は、

地元の町の高台にあるホテル。

このホテルはかつて町営の民宿だった。

それがパプル景気の頃に民間の手に渡り

立派なホテルに建て替えられ

十勝の眺望の素晴らしいことで人気を呼んだ。

IMG_6930バブルが弾けてからも

立地条件の良さが幸いしてか

30年以上の歴史を刻むホテルとして

今に至っている。

そのホテルの周辺には

町長の銅像や

IMG_6931町の施設のパークゴルフ場や

ふるさと記念館などもあり

町民の憩いの場所ともなっている。

実はそこには

「俳句村コース」と名付けられた

パークゴルフのコースがあり

IMG_6932そこにはたくさんの

小さな石製の句碑が

ちりばめられている。

それらの句碑の主は

地元十勝の俳人の方々のもので

今でもまだ現役で俳句を詠んでおられる方の名もある。

IMG_6933十勝の我が町の

一時期の俳句熱と俳句人口が

かなりのものだったことが

この「俳句村」を歩いているとよくわかる。

だが

句碑の主の多くは

すでに鬼籍に入られた方のものになった。

我が町の俳句人口も

減る一方である。

このホテルのロビーには

「俳句村」の経緯を書いた冊子と

IMG_6928俳句ポストがある。

現在でも

俳句の募集と

自費で句碑を建てる事業は

続いているようだった。

私はそれを今回初めて知った。

その中心になっているNさんという俳人を

私は知っているけれど

所属している句会が違うので

最近はあまりお会いしていない。

私の所属している地元の句会とは

同じ町内にありながら

あまり交流はなく

地元の新聞の文芸欄で句を見る程度である。

色々な句会がまだ残っているのは

俳句人口がまだそれだけある

という証拠ではあるけれども

どこの句会も

高齢化の波が押し寄せているのは

その俳句を読んでみると

なんとなく

判るのだ。

高齢化の波・・・

これは今回参加した

寒行句会でも感じた事だった。

1泊で4回の句会をするという

ハードスケジュールが

しんどくなっている。

来年は

どうなることやら・・・


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仔牛の臍帯炎(化膿性尿膜管炎)

先日、往診から帰ってきたら、

H獣医師とK獣医師が仔牛の手術を始めるところだった。

IMG_6580何の手術かと聞くと、

仔牛の臍帯炎で、

大きな膿瘍があるようだが、

どうやら腹腔奥深く、

尿膜管の奥の方まで伸びている可能性があり、

手術台に乗せて

IMG_6581慎重に手術することになったらしい。

いわゆる仔牛のデベソは

ピンからキリまであり

小さいものは軽い臍帯炎で

抗生物質を数日打てば治癒する。

大きなものは臍膿瘍になっているものが多く

IMG_6594膿瘍を切開して排膿してから

抗生物質を数日打てば治癒する。

そのとき最も重要な

類症鑑別は

臍ヘルニアであるが

たまには臍ヘルニアを併発した臍膿瘍もある。

IMG_6582さらに

巨大な膿瘍になれば

講師の腹腔へ大きく入り込み

尿膜管への感染からの膿瘍

あるいは臍動脈や臍静脈の観戦による膿瘍

という場合もある。

IMG_6585今回の仔牛のデベソは

上記のパターンのうち

最悪の場合を想定した手術だった。

まずは大きな膿瘍の部分にメスを入れて

切開排膿した。

排泄された膿汁は1リットル程度

IMG_6586排膿して萎んだ臍帯部の深部を探ってゆくと

肥大して太くなった尿膜管と思われる穴が確認された。

その穴の中を探ると

膿汁が残存していた。

ただ幸いなことに

尿膜管の炎症の方は予想していたよりも軽度で

IMG_6590その部分を洗浄しておけば

自然治癒が期待され

肥大した尿膜管自体を摘出する必要はなかった。

洗浄した尿膜管はそのまま残し

排膿して萎んだ膿瘍部分の

肥厚した組織と皮膚を切除したら

IMG_6591縦も横も約20センチほどの大きな円形の切除跡が残った。

その切除跡の周囲の皮膚を寄せて

縦に約数10センチを縫合して

手術を終えた。

終えてみれは単純な行程だったが

検査をして診断して

IMG_6596最悪の場合も想定しつつ

今回の手術を行った

2人の同僚獣医師の仕事は

手慣れたスムーズなものだった。

そのおかげで

私はゆっくりと余裕を持って

写真を撮影することができた。


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「電動」&「ニコイチ」捻転去勢器具

先日、何気なしに、

酪農・畜産のFacebookグループページを見ていたら、

ニコイチ捻転去勢棒の、

「電動」ドリルバージョンの写真が掲載されていた。

この器具の持ち主は、

足寄町の和牛繁殖農家さんだった。

早速コメントをして掲載許可をもらい、

当ブログにも紹介させていただくことにした。

82840491_1261351964063596_7451558436522688512_oニコイチ捻転棒の先端部を

電動ドリルにセットした

とてもシンプルなもので

これならば

両手を使わずに

電気の力を借りて

簡単に捻転することができるだろう。

私はこの「電動」捻転棒を

977477bf-s実際に見たことはないが

棒の先端部が

私の使っている捻転棒と

同じ形をしているので

ニコイチ式の「手動」棒から

ヒントを得て作ったものであろうと

容易に想像することができる。 

 今や、ニコイチ式捻転去勢棒は

北海道から本州の方まで

普及しているようだが

その多くが「手動」の棒だった。

それを「電動」にした発想は素晴らしい。

九州地方では

それ以前から「電動」の去勢が普及しているようだが

それは「ニコイチ」ではなく

「一個ずつ」の精巣を捻転去勢する方法だった。

今、ここに

「電動」の器具と

「ニコイチ」の方法が

合体して

新しい器具が登場した。

牛の去勢器具の進化は

とどまることを知らず

次々と

新しい発想で

より良いものが生まれてくるのは

大変喜ばしいことである。

私もこの「電動」&「ニコイチ」捻転器具を

いつか必ず

試してみようと思う。


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デメキン牛は乳が出る!?

乳房炎で食欲不振ということで、

輸液治療のために頭部を保定したら、

BlogPaint「この牛、デメキンだね。」 

「そーなのよ。」 

「デメキンの牛って、乳が出るっていうけど、この牛はどうなの?」 

「そーなのよ。出るよー、この牛。」 

「やっぱり。」 

「ガンガン出るやつが乳房炎になっちゃって、がっくりよ。」 

「それはがっくりだね。」 

「デメキンの牛はだいたい乳が出る。」 

「ほんと、それはどこに行ってもよく聞く話たね。」

「何でなんだべ?」 

「さぁー・・・何なのかね。」 

IMG_6875私がこの仕事を30年以上続けてきて

デメキンの牛に出会うのは

よくあることだった。

その多くが

というか

出会ったデメキン牛の全てと言って良いほど

どの牛もみな

高泌乳能力の持ち主だった。

これは一体なぜだろう?

考えてみると不思議なことである。

一つの推論として

「デメキン牛は新陳代謝が良い」

IMG_6874と考えてみるのはどうだろう。

この発想の根拠は

ヒトのバセドウ病である。

バセドウ病の症状のひとつに

眼球突出がある。


 甲状腺のホルモンが上昇する
     ↓
 バセドウ病に類似した状態になる
     ↓
 特徴的な症状として眼球の奥の組織に炎症が起こり
     ↓
 デメキン牛になる
     ↓
 新陳代謝が亢進しているので
     ↓
 泌乳量が増加する



したがって

「デメキン牛は乳が出る。」

そんな仮説を

立ててみたい。

どなたか

この仮説を

デメキン牛と

そうではない牛の

甲状腺ホルモンを測定して

データーを集めて

証明してもらえませんか?(笑)



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仔牛の「低体温注意報」と「監視不足警報」(ついで)

昨日は夜間当番だった。

冬期の臨床獣医師の診療車内の薬品、

特にリンゲル液などの輸液剤(いわゆる水もの)は、

夜間待機の車内に置いておくと、

凍結してしまうので、

昼間の往診が終った後、

それらを必ず室内に入れておかなければならない。

IMG_6889診療所で夜間待機をする場合は

事務所の暖房のヒートパネルの上に

輸液剤を並べておく。

こうして温めておけば

次の日は一日中暖かい輸液剤を使用でき

凍結することはない。

IMG_6882また

自宅待機をする場合も

適当な大きさの籠の中に入れた輸液剤を

自宅の玄関近くの暖かい場所に置いておく。

IMG_6881こうして

厳冬期の夜間でも

常に温かい輸液剤を使うことができる。

冬期の仕事は

夏期の仕事に比べて

ひと手間もふた手間もかかる。

昨日の

朝6時頃に

糠内地区の酪農家の◎さんから

仔牛が下痢で冷え切って起立不能

との連絡が入った。

昨日の早朝の気温は

帯広市街でマイナス16℃だったから

十勝でも屈指の低温地域である糠内地区では

マイナス20℃位になっていることは間違いなかった。

(グラフは気象庁のHPより転載)

IMG_6896車から降りると

この時期らしいキリキリと

締め付けるような空気が

牧場を包んでいた。

仔牛の体温は36℃以下に下がり

血圧も低下していたので

点滴の留置針を刺す頸静脈は

仔牛を逆さ吊りにして血管を怒張させなければならなかった。

点滴をセットしているとき

また胸のポケットの電話が鳴った。

同じ糠内地区の◯さんからで

仔牛が下痢でぐったりして起立不能だという。

IMG_6884同じ糠内地区なので

◎さんの往診を終えた後

◯さんの牛舎へ向かった。

この仔牛もまた

体温が低下し

血圧が下がっていて

留置針を入れる血管を怒張させるために

仔牛を逆さ吊りにしなければならなかった。

点滴をセットし終えた時

IMG_6887他にも2頭

下痢で調子の悪い仔牛がいる

ということで

残りの2頭にも

点滴治療を施した。

時計の針は

午前8時半を過ぎていた。

厳冬期の夜間当番の早朝に

町内で最も寒い地区の

仔牛の診療に出向くという

この季節の

いかにもこの時期らしい

典型的な仕事が

しばらくは続くだろう。



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仔牛の「低体温注意報」と「監視不足警報」(おまけ)

前回紹介した、

Poly Dome 社製の calf warmer(カーフウォーマー)は、

IMG_6754生まれたばかりの濡れ仔を温めるのには、

威力を発するようである。

Warmer(ウオーマー)すなわち、

「温め器」であるから、

IMG_6755その目的は、

「仔牛を温める」ことのみで

それ以上でもそれ以下でもない。

その器具をどう使いこなすかが

飼主さんの技術であろう。

注意して欲しいのは

下痢などの腸炎になった仔牛や

熱発して肺炎症状のある牛が

体温が低下したということで

前回の記事の飼主さんのように

calf wormer を使うのは

疑問である。

calf warmer の中に病気の仔牛を入れて

IMG_6750そのふたを開けておいて

点滴治療をしたのだが

それをセットしてその場を立ち去った私も

説明不十分で迂闊だった。

飼主の▽さんはその後

途中で仔牛が震えだした

ということで

仔牛がさらに冷えてきたのではないかと思い

点滴を外して中止して

calf warmer のふたを閉じてしまったのだ。

これを後から聞かされた私は

忸怩たる思いに苛まれた。

仔牛が震えてきたのは

自分の体温回復の反応だったかもしれない。

さらに点滴によって

循環血液量の増加が期待できるのに

それを外して勝手に中止してしまい

calf warmer のふたを閉じて

仔牛を温めようとしたこと。

これは

点滴の効果よりも

calf warmer の効果を優先した行為で

病気の仔牛に対して

点滴治療よりも

保温を優先した行為だった。

それが結局この仔牛の

命を奪ってしまったのではないか。

ここで確認しておきたいことがある。

IMG_6624calf warmer というのは

保温器具であって

治療器具ではない。

病気の仔牛に対して

IMG_6623補助的な使い方は可能だが

点滴を中止してまで

calf warmer の効果に頼るのは

本末転倒の行為である

と言わざるを得ない。



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仔牛の「低体温注意報」と「監視不足警報」

「仔牛がシバれてしまって、立てないんだけど・・・」

そんな診療依頼があった酪農家の▽さん。

牛舎に着いて

仔牛がどこにいるのかと思ったら、

「今この中で温めているんだけど・・・」

IMG_6754それは最近、

地元のJAで補助を出して導入している、

仔牛を温める青いドーム型の装置だった。

頑丈なつくりの中に

電動で温風が充満し

その中に仔牛を入れて

仔牛を温める装置である。

「凍れちゃって・・・」

診ると

体温は35℃以下

心拍数は70

ぐったりと頭部を投げだし

意識は朦朧。

IMG_6749「・・・これは即点滴だね。」

早速

点滴をしようとしたが

血圧が低下していて

頸静脈を堰き止めても血管が浮いてこない。

仔牛を逆さ釣りにしてようやく静脈に留置針を挿入し

写真のように装置の中で点滴を開始。

IMG_6750しかし

この仔牛の意識は

戻ることなく

翌日には

死亡してしまった。

実はこの仔牛は

1週間前に下痢で治療歴があった。

それが完治していないまま

寒気の中で体温を失い

急激に症状が悪化して

手遅れになってしまったと思われる。

仔牛を温める立派な装置があっても

仔牛の状態に気づくのが遅ければ

IMG_6755手遅れになり

仔牛を死なせてしまう。

最近はどうも

手遅れの症状で呼ばれることが

とても多い気がする。

仔牛を温める装置が普及するのは

良いことなのだが

それを使いきれていないようだ。

厳寒期は

「低体温注意報」

が出ているのだが

そればかりではなく

相変わらずの

「監視不足警報」

も鳴り続けている。

なんとかならないものか・・・



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鈴木牛後回文575、今年も炸裂!!

下川町の酪農家俳人、

と、いちいち言わなくても、

今やその名は、

全国的に知られるようになった、

鈴木牛後さん。

IMG_6847毎年いただく年賀状に、

その年の干支を読み込んだ、

回文の575が書かれていて、

今年はどんな作品が書いてあるのか楽しみにしていた。

そして今年も期待を裏切らない

すごい回文が書いてあった!

これは本当に凄い!(◎_◎;)


 魚を見ず猫とことこ鼠を追う
(うおをみずねことことこねずみをおう) 牛後


なぜ凄いかといえば

まず

意味が完璧に通じることだ。

魚を見ないで鼠を追っている猫の姿が

余すことなく描かれていて

17文字に無駄がなく

回文にありがちな

意味の傷が全くない。

また

「とことこ」というオノマトペ(擬態語)が

絶妙で、これ以上ない猫の姿を

牛後さんらしいオリジナルな表現で綴っている。

さらに

驚きなのは

5・7・5でありながら

リズムが5・6・6の句またがりになっていること。


  魚を見ず(5音)
  猫とことこ(6音)
  鼠を追う(6音)


こういう回文575は

そう簡単にできるものではない。

例えば

私の今年の回文575を例に挙げると


  子鼠を(5音)
  産ましてしまう(7音)
  お水猫(5音)


というのは

上五と下五をひっくり返して作っておき

中七を回文で組み込めば出来る。

しかし

今年の牛後さんの一句は

そういう作り方で作っていないことが

比較して見るとよくわかる。

つまり

私の回文575のような

安易な作り方をしていない。

しかも

私の作品よりも意味が鮮明で傷がない。

こうして見ると

IMG_6848牛後さんが

いかに独創的な回文の作り方をしているかが

想像できるのである。

どうやっているのかよくわからない技は

神技と言われるが

これはもう

完全に神技である!!

私が牛後さんを

「回文の神」

と呼ぶ理由が

ここにある。




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ばんえいG1・第45回帯広記念、観戦記

1月2日(木)の午後から、

飲み友達のH田さんとばんえい競馬場へ。

今年初めての開催ということで、

各種イベントやファンサービスが盛りだくさんで、

場内に入った時には、

無料の蕎麦のコーナーから長い行列ができていて、

その最後尾は中央の馬券売り場まで続いていた。

こんなに混雑している帯広競馬場に来たのは

初めてかもしれないと思った。

だが屋外は北西の風が吹いて非常に寒く

混雑しているのは建物の中だけだっかもしれない。

ともあれ

そんな熱気の中で

暖かいコップ酒を買って

それを飲みながら

第9レースの馬券を買い

その馬券を外し

資金を約2000円程度使ったところで

私はH田さんとともに

本日のメインレース

第45回帯広記念のパドックを見に外へ出た。

寒風吹きすさぶ中

ごつい大きな馬たちが

円乗りをしていた。

その馬たちの中で

後肢の踏み込みがよく

ひときわ元気良く見える馬がいた。

3番コウシュハウンカイだった。

他の馬たちもみな堂々として

立派な馬体で誇らしげに歩いていたが

その中でも特にこの馬の肢の運びが力強く

全体的に元気がみなぎっているように見えた。

「・・・いいねぇ、あの3番の馬!」

IMG_6802ところが

手元の競馬新聞を見ると

3番コウシュハウンカイは1週間前に熱を出し

前レースを棄権して出走取り消しになっていた。

つまり今回のレースは病み上がりでの参加である。

さらに新聞をよく見ると

この馬の曳くハンデ(ソリの重量)は

920キロと全出走馬のうち単独で1番重い。

これはどういうことか?

そんな厳しい条件を課してまで

この馬をこのレースに出走させる理由は何か??

IMG_68037頭立ての少頭数なので

調教師が頭数合わせで

病み上がりの馬にもかかわらず

レースを盛り上げるためだけに出すのだろうか?

さらに新聞を見ると

この馬の所属は松井厩舎だった。

私は松井調教師とは面識があり

一度一緒に食事をしたことがあるのだが

自厩舎の馬を人の都合だけで酷使するような人ではなく

馬をとても大切にするという印象を受けた調教師である。

新聞では

「厳しいですよ。」

などと、控え目なコメントを出しているが

実際に3番コウシュハウンカイをパドックで見ると

とても元気が良く気合十分に見えるのだ。

と、いうことは

・・・ここは勝負に来ているのではなかろうか!!

IMG_6790そう思った私は

3番コウシュハウンカイを本命馬として

対抗馬は1番人気の実力馬1番オレノココロ

穴馬として最軽量ハンデ890キロを曳く7番ソウクンボーイ

の3頭の馬券を買うことにした。

機械で馬券を購入し

それから売店でお酒を一杯買って

H田さんとともにスタート地点へ向かった。

IMG_6787ゲートが開き

馬群はほぼ一線で第1障害を越え

第2障害の前で全頭が止まって息を整える。

最初に仕掛けたのは2番ミノルシャープ

それから次々と他の馬が登坂を仕掛けてゆく

「いけぇ〜!」「それゃ〜!」「がんばぁ〜!」

観客から声が飛ぶ。

「たくみぃ〜〜!!」

騎手の名前を叫ぶ声も混じる。

第2障害の頂上をトップで越えたのは

遅めに仕掛けた3番コウシュハウンカイだった。

続いて2番ミノルシャープが越え

その他の馬も次々と第2障害を越えた。

最後の直線で1番オレノココロが猛然と追い詰めてきた。

逃げる3番コウシュハウンカイとの力比べになった。

ゴール寸前で1番オレノココロの足が一瞬止まったかに見え

それからまた動き出しその直後には

他の馬たちも次々とゴールへなだれ込んだ。

興奮冷めやらぬまましばらくして

電光掲示板に着順が映し出された。

1着・・・3番コウシュハウンカイ

2着・・・1番オレノココロ

3着・・・7番ソウクンボーイ

IMG_6789私はまばたきしながら

掲示板の着順を見直してから

手元にある3枚の馬券を見直した。

「・・・当たっちゃったよ・・・3着まで(笑)・・・」

私はH田さんにむかって

そうつぶやきながら

呆然と歩き

その後

確定した払戻金の場内アナウンスを聴いた。

「単勝3番、1370円。」

「馬連1番3番、770円。」

「ワイド1番3番、290円。3番7番、1450円。1番7番、910円。」

ということは・・・

このレースへの馬券代金は

IMG_67911900円で

払い戻し金の

13550円が戻ってきたことになる。

前レースで2000円すっていたれけれど

それさえも挽回する配当金を

手にすることができた。

IMG_6800今まで何回か馬券を買っていて

レースで狙った3頭の馬が

ワンツースリーで的中する

という経験は

私には無かった。

IMG_6793新年早々

これはもう

大変うれしい出来事になった♪

長年競馬で損をしていた経験が

ようやく功を奏して

読みが冴えわたったのだろうか

2D22930C-9016-40C6-8891-B75FEBEAA43Bいやいや

そうではなく

今年のツキを

これで

使い果たしたのだろう。



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2020年・元旦

新年明けましておめでとうございます。

今年も当ブログをご覧いただいて、

どうもありがとうございます。

IMG_6771このブログを始めたのは、

2006年頃だったかと思うけれども、

いちいち確かめるのも面倒で、

今思えば

それからだいたい

10数年続けていることになる。

IMG_6769その内容は

日々の牛や馬の

臨床獣医師という仕事の中で

あまり学術的なことでは無い

自慢できそうも無い

というかむしろ

恥ずかしい失敗談などを中心に

書き残しておかなければきっと

忘れてしまうような

つまらない出来事や

考え事などを

IMG_6763懲りずに綴ってきた。

そんな文章にも

読んでコメントをくださる方や

会った時に感想などを言ってくださる方がいて

それがとても有難く

嬉しいことだった。

その嬉しさこそ

当ブログを続ける原動力になっているようである。

いつまで続けようとかは考えたこともなく

ただコメントや感想をいただいた時の

嬉しさに答えるというかたちで続いている

IMG_6762当ブログの

その価値のほとんどは

本文ではなくコメントにある

と言ってもよいと思う。

思えば実に様々な方々から

数えきれぬほど多くのコメントをいただき

当ブログの価値を高めていただいた。

今後ともきっと

それほど変わり映えのしない

文章と内容だと思いますが

よろしければ

どうぞお付き合いのほど

お願いいたします。

令和2年・元旦。


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手遅れの子宮捻転

おめでたい令和元年を、

締めくくる話としては、

非常に残念な話であるけれども、

先日の酪農家の▼牧場で、

往診中に言われた追加の診療、

「・・・乾乳の牛なんですけど、1頭追加で診てもらえますか?・・・全然食べなくて・・」

ということで、

乾乳牛舎へ行って診察。

乾乳の牛は分娩予定日が近いので、

まずは必ず胎児が無事かどうか

子宮が無事かどうか

を確認することが重要である。

今回もそのセオリーにのっとって

陰部から手を入れてみると

手が途中で先に進まなくなり

時計の反対回りに吸い込まれるような感覚

「あー、これは捻れてるね、子宮捻転だよ。」

陰部から手を抜いて

その手を肛門に入れて直腸検査をすると

直下の子宮の頚管部分がタオルをねじったように絞られていた。

グリグリの子宮捻転だった。

「いつから食欲がなかったの?」

「・・・たぶん・・・昨日とか、おとといとか・・・2、3日前から食べてなったかも・・・」

「曖昧なんだね。予定日はいつ?」

「・・・あと1週間くらいのはずです・・・」

「帝王切開するから、午後1時半に牛を連れてきて。」

「・・・わかりました・・・」

そんな経過で連れてこられた▼牧場の乾乳牛を

IMG_6364手術台に乗せて

左下腹部を切開して

子宮を探索すると

パンパンに張った子宮が触知された。

IMG_6365腸管や大網をよけて

その子宮のしょう膜面を露出させて

その色をみると

写真のように

紫がかった暗赤色だった。

IMG_6366「これは・・・」

「鬱血がひどいですね・・・」

「時間が経ってますね・・・」

「ダメですねこれは・・・」

「そうですね・・・」

「このままTV廃用にして閉じましょう・・・」

「そうしましょう・・・」

手術に関わった獣医師の意見は一致した。

私は診療用のスマートホンを取ってきて

連合会に第1報を入れた。

IMG_6367折り返し連合会からテレビ電話がかかってきて

第2報でこの牛の術創と子宮を映し

子宮捻転の予後不良ということで

死期切迫の1号廃用を認定してもらった。

それから術創を縫って閉じて

IMG_6368牛を立たせて

家畜車に戻し

その家畜車を見送った。

牛が生きていても死んでしまっても

IMG_6369処理場への搬入は明日という予定になった。

手術室の外は

重たい霙(みぞれ)が降っていた。

おめでたい令和元年を

IMG_6370締めくくるには

あまりにも

残念な結果に終わった症例を書いたが

こういう症例が

最近増えているように思うのは

私だけだろうか。


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十勝晴れと熱気球と牛

冬至も過ぎて、

最近の十勝地方は冬らしくなり、

快晴の日がしばらく続くようになった。

快晴の朝には

気温が氷点下10℃以下になるようになった。

十勝地方の朝の天気が安定すると

快晴無風の朝には

どこからともなく

熱気球が浮かんで

上空をゆっくりと通過するのを

よく見るようになった。

熱気球の愛好家たちが

快晴無風の朝が予想される日を待ちかねて

熱気球を浮かばせて

そこからのパノラマ風景を楽しんでいるのだろうか。

これは十勝の

新しい風物の一つなのかもしれない。

IMG_6722出勤の途中で

そんな熱気球を見つけると

こちらは仕事に行かねばならないので

ふわりと浮かんで

景色を楽しんでいる熱気球愛好家の人たちが

羨ましくも感じるのである。

IMG_6724しかし

その熱気球も

至近距離を飛んでいると

意外にスピードが早い。

その籠の中に乗っている人たちも

ヘルメットを被って

厚い防寒着をまとって

重装備である。

事故防止のためには当然と言えば当然だが

至近距離で飛んでいる熱気球を見ると

IMG_6725それはもう

のんびりというよりは

相当な

スリリングなスポーツをしているように見える。

時々燃え立つガスバーナーの炎も凄まじく

その音は周囲を驚かすほど大きい。

熱気球がのんびりとふんわりと

のどかに見えるのは

IMG_6726空高くか

遥か遠くに

浮かんでいる時だけである。

また

至近距離の熱気球は

巷の動物たちには

恐怖の存在のようだ。

それは以前の当ブログ記事に書いた通りで

例えば放牧された牛たちにとっては

とんでもない恐怖の大バケモノなのである。 

熱気球の愛好家の方々は

きっとそれはご存知だとは思うが

もしご存知ないのならば

気をつけていただきたいと思う。


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今年も恒例餅つき終了♪

もう何年続いているだろうか。

少なくとも10年以上は続けて参加している、

飲み友のH田家で行われる、

年末恒例餅つき大会♪

今年は天気に恵まれて、

快晴の冬日下で始まった。

私は前日に

もち米と黒大豆を水につけて

翌日の朝はその黒大豆を煮て

さらに小豆を煮て

豆餅用の黒大豆の塩茹でと

餡ころ餅用の小豆あんと

飲む酒一升をぶら下げて

IMG_6685H田家を訪ねた。

午前10時過ぎに

H田さんはすでにもち米を蒸すストーブと

お湯と雑煮を作るストーブとに

火を入れ終わって

蒸し用の御釜からは

白い湯気が勢いよく立ち上っていた。

その隣には

石臼と杵がセットされていて

準備万端だった。

早速まず缶ビールで乾杯して

しばし雑談。

午前中から飲めるのは

1年の中で唯一この日だけであり

IMG_6687至福の酔いが回って

餅つきが始まった。

つき手は私ではなく

30台のI君で

合いの手はH田さん

スドーブの火の番はF野さん。

重要なポストはその3人にやっていただけて

IMG_6700私の役割はお雑煮を作ること。

それ以外はただ飲むだけ(笑)なので

こんなに楽しいことはない。

つき手のI君が疲れて来たときだけ

フォローで数回杵を握るのみなのだ。

IMG_6692今年もまた

H田家のもとには

餅つきのお手伝いを楽しみにしている方々が

入れ替わり立ち替わりやって来た

かつてのわが子たちの同級生も

IMG_6706皆それぞれ大人になって

所帯を持って子供を持っていたりする。

私たちからは

そんな子供たちはみな孫のようなもので

とても可愛らしい。

この子たちが大人になったとき
IMG_6697
餅つきをやったということを思い出して

どこかで餅つきをしてくれれば嬉しい。

日本の文化

などといったら大げさに聞こえるけれども

IMG_6709ただの楽しみの中に

そんなささやかな伝統行事が

無意識のうちに

引き継がれてゆくと思うと

ますますこの餅つき大会が

楽しくなってくるのだ。


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難産「双子、頭位」の1例

「お産なんですけど、足は触れるのに、頭が触れなくて・・・お願いできますか?」

深夜1時に枕元の携帯電話が鳴り、

▼畜産の従業員のM君の声が聞こえてきた。

「・・・了解。」

▼畜産は多くの従業員を抱える酪農場だ。

今まで何度も

頭が触れないからということで

従業員が逆子だと判断して

産道に来ている胎児の前肢を後肢だと思い込み

強引に牽引し

側頭位にしてしまって整復できず

帝王切開になったという例が多くあった。

(・・・今回もまたそうだったら嫌だな・・・)

そんなことを考えながら▼畜産に到着し

カッパに着替えながら

従業員のM君に質問した。

「・・・引っ張ってないかい?」

「まだ引っ張ってないです。頭が触れないときは引っ張るなって、獣医さんに言われてますから・・・」

「・・・本当に?」

私はそう言いながら産道へ手を入れた。

「前肢だと思うんですけど・・・」

「・・・うん、確かに前肢だね。頭も触れるよ。」

「そうですか・・・」

「・・・でも、・・・あれっ?」

「何か・・・」

「・・・肢が3本あるぞ。これは双子だよ。」

「双子ですか・・・」

胎児はまだ産道の奥でうごめいていた。

頭部もぐるぐると動いていた。

「・・・ちよっと待って、ヘッドワイヤー持ってくるから。」

3EC7C1CE-516B-417C-8776-C4B868303701前肢が3本と頭が奥でうごめいているのだが

この頭が動いている胎児の前肢は

その横で触れる3本の前肢のうち

どれがこの子の前肢なのか。

確信が持てない場合は

まだ牽引してはいけない。

こういう場合私は

その頭にヘッドワイヤーをかける。

ワイヤーをかけた頭部を軽く引いてみる。

引いた頭部に連動して産道へ乗ってくる前肢が

この子の前肢である。

その2本の前肢と頭部が同じ胎児のものだと確信したとき

はじめて胎児を強く牽引する。

今回もそのようにして

ワイヤーをかけた頭部をゆっくりと軽く引いてみた。

すると・・・

「・・・うーん前肢が1本しかついてこない。」

「3本の前肢のうちの1本だけですか?・・・」

「・・・そう・・・あっ、もう1本あったよ、4本目が。」

「4本目ですか・・・」

「・・・でも4本目は曲がってる。」

ワイヤーをかけた頭部と連動している前肢は

1本はこちらを向いていたが

2本目は腕節で曲がっている前肢屈折位だった。

曲がった前肢の球節に手が届くようになったので

そこにチェーンをかけて整復し

ようやく胎児の1子目の前肢と頭部がそろった。

F3190B17-ACF9-4CED-BF53-F27980A32970「・・・よし、これで引っ張るよ。」

「わかりました・・・。」

従業員のM君とあと2人の従業員で

胎児が娩出された。

「・・・じゃあ、次にもう1頭引くよ。」

75EF335B-FBD4-4158-9253-0A0F1101C056「はい・・・」

私は2子目の胎児の

頭部が産道に来ていることを確認して

2子目の胎児の前肢にチェーンをつけなおし

従業員君たちに牽引を促した。

6BFE48E3-AB71-4F14-9CA8-73AF70FC463D2子目の胎児も娩出された。

「どっちも結構デカイっすね・・・。」

F1の胎児は

どちらも無事に生きていて

どちらも♂だった。

22C9ABD3-0CB3-470E-81BE-6DE7EEC7AB8C今回は

先に来ていた胎児の前肢の

左前肢の1本が屈折している状態で

難産になったわけだが

従業員のM君が

今までの経験をもとに

胎児の肢を無理に牽引しなかったのが

良い結果を生んだようである。


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獣医師の「質」と「量」

12月14日(土)の十勝毎日新聞のトップに、

帯広畜産大学、北海道大学、山口大学、鹿児島大学、

の4大学の獣医師養成課程が国際認証を取得した、

IMG_6652という記事が出ていた。

これは一言でいえば

この4大学で学ぶ獣医学のレベルが

国際水準になったということで

つまり

この4大学で学ぶ獣医学の「質」が認められた

ということである。

ここまで来るのに努力してきた4大学の学長さんはじめ

それに関わってきた先生方に敬意を表したい。

記事を読んでみると

気になるフレーズがあった。

「4大学は日本の獣医学教育の弱点とされる臨床などの実務教育を充実し・・・」

獣医学教育の弱点は臨床

これは以前から言われていたことで

ようやくその努力が実ったといって良いだろう。

我々臨床に携わっている獣医師にとっては

今までの己の仕事レベルの低さを反省するとともに

今後はそのレベルが上がってくることに対して

心して勉強を続けなければならないと思う。

私のこのブログ記事も

獣医学部の学生さん達が読んでくれているようだが

臨床家の恥ずかしい本音の部分

すなわち弱点を書くことで

すこしは実務研修の参考になってくれていれば幸いである(汗)。

今後も獣医師の臨床教育の足を引っ張ることのないように

当ブログもこのまま続けてゆきたいと思う(汗)。

それともう一つ

記事の中に気になるフレーズがあった。

「今回の認証取得で、世界水準の獣医学教育拠点が北と南に形成されたことになる。4大学は・・・」

北と南に拠点ができて

中央には拠点がない

という含みのある文章である。

この北と南の4大学の獣医学部の中に

日本の最高学府といわれている東京大学の獣医学部は入っていない。

今回の4大学の認証取得によって

東大の獣医学教育は

国際水準にとどいておらず

4大学(畜大・北大・山口大・鹿児島大)の獣医学教育よりも

国際的な基準に照らしても

東大の獣医学教育は

「質」が劣っている

と言い換えることができるだろう。

この記事を読んで

東大の獣医学部の先生方は

どのような感想を持つだろうか?

コメントを聞いてみたいところである。

ちなみに

東大の獣医学部の先生方と言えば

定年退官した後

加計学園の獣医学部の先生になられている方が多いと聞いている。

加計学園の獣医学部の先生方は東大閥であるというのはよく知られている。

加計学園の獣医学教育は今のところ

不足している日本の獣医師の数を増やすことに重点を置いているそうであるから

その獣医学教育には

「質」より「量」

という方向性が感じられる。

今回の上記4大学の国際認証取得のニュースを聞いて

加計学園の獣医学部の先生方は

どのような感想をお持ちだろうか?

コメントを聞いてみたいところである。

   
  〽 新・蕎麦屋

     「もり」「かけ」そばに

       加えたメニュー

         月見じゃないよ

            「花見」そば 〽




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聴き惚れるネ!・・・♪(京急品川駅ホーム)

1年に何回通るだろう。

京急品川駅のホームは、

羽田空港から東海道新幹線に乗り継ぐ時、

必ず通る場所である。

行く時はあまり気にしないが、

帰りの新幹線品川駅から京急品川駅へ向かい、

そこから羽田空港行きの電車に乗る時、

京急品川駅のホームの混雑は大変なことになっている。

5A039B4F-D70C-46A8-87AE-9673D19F94AE羽田空港行きばかりではなく

京浜各地へ行く電車が次々と

ほぼ数分の間隔で次から次へと

満員に近い電車がホームへ滑り込んで来ては

行き先の違う人たちが

それぞれ行き先の違う電車に乗って移動してゆく。

田舎に住んでいると

この混雑ぶりは驚愕に値する。

FEC1A75C-5322-4E61-B3AA-D82191A05107そんな人々の流れを

一手に仕切って

交通整理をしているのが

駅構内の場内アナウンスのお兄さんである。

滑舌の良いキレのある言葉で

寸分の狂いもない的確な発車情報を

5F175B48-B27E-4EFB-BF28-E074CD212A5C滑らかな通る声で発信し続ける。

場内アナウンスの声は

聴いているだけで

惚れ惚れとしてくる。

ほぼ休みなく

時には音楽のように

時にはDJポリスのように

電車の行き先や時刻ばかりではなく

アドリブを交えながら

乗客を急がしたり制止したり

6036B7B7-C64B-40E9-B701-27B4FE459D84それはもう

実に的確で

美しく

かつ実用的な

完璧なプロフェッショナルな仕事として

私の心を打つのだった。

これはもう

ひとつの芸術と言ってよいだろう♪



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難産「臀位」3連発

前回と前々回の記事を書いてから、

次の当番の日の夜中は、

平穏無事だった。

夜が明けて、

そのまま通常勤務時間になるのか、

と思った矢先に、

Ωさんから電話がかかって来た。

Ωさんは前回の記事で「臀位」の難産介助に行った酪農家である。

「・・・初産のお産なんだけど。」

「はい。」

「・・・なんか、また・・・尻から来てて、出ないんだわ。ちょっと来てもらえるかな?」

「はい・・・了解、行きます。」

Ωさんは

前回の記事で臀位の整復をした酪農家である。

その家からまた同じょうな稟告の難産の往診依頼だった。

(マジかよ・・・)

私は半ば呆れた感じで

朝日の昇る道を急いだ。

「あっちの育成舎の裏にいるんだ・・・」

牛舎に到着して産道に手を入れる。

前回と同じ牛舎で

前回と同じ初産の牛で

前回と同じ「臀位」の難産だった。

今回の親牛は自力で立つことができた。

私はカッパを着て

子宮弛緩剤のプラニパートを親牛に注射し

臀位の整復を始めた。

今回の臀位もまた

いわゆる普通の

一般的な臀位だった。

まず、曲がっている後肢の飛節の先の

中足骨のできるだけ遠位にチェーンをかけ

かかったらその部分を

できれば球節を超えて繋の部分へ移動させる。

その状態で産科チェーンを固定し

その後肢の飛節をグイグイと押す。

球節を固定しておいて

飛節をグイグイ押せば

IMG_6497後肢の先端が産道へ進入して来て

後肢の失位が整復される。

その時のコツは

球節に手をあてがって

産道の恥骨に胎児の蹄先が引っかからない様にするとよい。

後肢の片方が整復されると

IMG_6499産道に余裕が生まれ

もう片方の後肢は比較的整復しやすくなる。

両方の後肢が整復されたならば

あとは尾位のお産と同じなので

胎児をひたすら牽引すればよい。

チェーンのまま牽引するよりは

IMG_6501できたらロープに付け替えて牽引した方が

胎児の肢には優しい牽引になる。

ひたすら牽引しようとしたのだが

今回は前回よりも

胎児が大きく

前回よりも時間が経過していたようで

IMG_6505産道と胎児の滑らかさに欠け

大きな負荷がかかった。

滑車を取り付けて牽引すると

親牛ごと引きずられて

親牛はとうとうしゃがんでしまった。

胎児はなかなか出てこなかった。

IMG_6504丁度そこへ

JAの職員が2人やって来たので

その2人にも牽引に参加してもらって

滑車をひたすら牽引し

やっとの思いで

胎児を娩出させることができた。

IMG_6507今回の胎児も

残念ながら

すでに死亡していた。

初産の親の栄養状態と

飼育環境が過密なのが

気になる症例だったのは

前回と全く同様である。



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難産「臀位」介助の一般的な1例

その日の夜は、

前回の記事に書いたごとく、

変則的な「臀位」の難産を終えて、

事務所に戻ってカルテを書き終え、

しばらくウトウトしていた。

すると、当番の携帯電話が鳴った。

「お産なんだけど・・・尻から来てるみたいで・・・診てくれんかい・・・」

「・・・わかった、直ぐ行きます。」

(また臀位かよ・・・)

こんなこともあるのかと

私は少しあきれながら

再び仕事着を着て

夜道を走り

Ωさんの牛舎に到着。

「あっちの育成舎の裏にいるんだ・・・」

着いて産道に手を入れる。

初産の牛の難産だった。

「・・・あー、ほんとだ。これは尻から来てるよ・・・親は立てるかい?」

「今立たせる準備してるるから・・・」

99F25843-070D-40A3-B954-2F6896D66851胎児の失位整復は

親牛を立たせてやるのが基本である。

牛が寝たままの失位整復は

整復する人も寝ながらやらねばならず

怒責もキツくなるので骨が折れるのだ。

Ωさんが牛を立たせる準備をしている間に

416765FC-F560-4555-AFB4-241FC2CCD3B2私はカッパを着て

子宮弛緩剤のプラニパートを親牛に注射した。

今回の臀位はいわゆる普通の

一般的な臀位だった。

まず、曲がっている後肢の飛節の先の

中足骨のできるだけ遠位にチェーンをかけ

FFC18762-42A2-476D-B14D-9ACBA586F21Dかかったらその部分を

できれば球節を超えて繋の部分へ移動させる。

その状態で産科チェーンを固定し

その後肢の飛節をグイグイと押す。

56DF04D7-2419-4EB4-9B70-BC73135FEEFE球節を固定しておいて

飛節をグイグイ押せば

後肢の先端が産道へ進入して来て

後肢の失位が整復される。

FFC87719-B690-419D-8AFB-6445C07695A9その時のコツは

球節に手をあてがって

産道の恥骨に胎児の蹄先が引っかからない様にするとよい。

後肢の片方が整復されると

BD816927-783B-48D6-A1FD-1C6829B4AA9D産道に余裕が生まれ

もう片方の後肢は比較的整復しやすくなる。

両方の後肢が整復されたならば

あとは尾位のお産と同じなので

2D7A4A6D-3885-432E-BA07-1E9BCF468CF4胎児をひたすら牽引すればよい。

チェーンのまま牽引するよりは

できたらロープに付け替えて牽引した方が

胎児の肢には優しい牽引になる。

EA8A7A34-F751-447B-B787-8C337252157D今回の胎児は

残念ながらすでに死亡していた。

初産の親の栄養状態と

飼育環境が過密なのが

ちょっと気になる症例だった。


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難産「臀位」介助の変則的な1例

「お産なんですけど、双子みたいで・・・」

先日の当番の携帯から、

酪農家の♭さんの声が聞こえてきた。

「・・・はい、すぐ行きます。」

双子の難産はよくある事だ。

そして多胎の牛の難産は

単胎の時よりも胎児が小さいので

比較的に整復しやすい。

どんな双子なのだろうと

少し楽しみな気分も混ざりつつ

♭さん宅に到着。

「昼間に1頭産んだんです、でも、またリキみ始めて・・・」 

「・・・2頭目がいたのね。」

「そうなんですけど、なかなか出てこなくて・・・」

「・・・親牛、立てないの?」

「はい・・・昼間は立ってたんですけど・・・」 

とりあえず

寝たままで立てない親牛の

産道に手を入れてみた。

「・・・ん・・・。」

「きついですか・・・」 

「・・・お尻から来てるね・・・でも・・・。」 

「・・・。」 

臀位だった。

しかし普通の臀位よりも

胎児が産道へ進入していて

強い怒責とともに

臀部が産道にはまり込んで

胎児を押すことも引くこともできなかった。

親牛が立てないので

その嵌まり込み様は

にっちもさっちも行かない状態だった。

産道からわずかに覗いているのは

胎児の臀部と

右の飛節の先端だった。

「・・・これは、ちょっと困ったな・・・」 

臀位の場合

IMG_6377普通は胎児の曲がっている後肢を整復して

尾位の状態にしてから

後肢を牽引するのが普通である。

しかし

今回の場合

胎児の後肢を母体の中で整復することは

IMG_6379ほぼ不可能だった。

強い怒責とともに

胎児の臀部と飛節が完全に産道へ進入してしまっていた。

「・・・そのまま引っ張るしかないか・・・」

私は、胎児の後肢の整復はせず

産科チェーンを飛節に掛けて

IMG_6380そのチェーンをロープに取り付けて

♭さんに強く引いてもらった。

後肢が少しづつ

外陰部から姿を現し

さらに♭さんに強く引いてもらうと

後肢の飛節から先の遠位部が

IMG_6381ビュンと

バネが外れた様に 

勢いよく

飛び出て来た。

後肢が1本外へ出て来た。

「・・・よし、そのまま引いちゃおう!・・・」 

IMG_6382私は♭さんに

さらにそのまま引っ張る様に指示した。

ここまで来たらもう引っ張るしか方法がない。

「・・・ずっとそのまま、行っちゃって!・・・」

♭さん夫婦に牽引を促すと

胎児は少しずつあらわれ

IMG_6393腰部から胸部があらわれ

ついに頭部と前肢があらわれ

お産が終了した。

 親牛は頭を投げ出していた。

親牛にリンゲルとカルシウム剤を投与している時

♭さんが

IMG_6396「昼間に1頭目が生まれた後、これで終わりだと思って自分でカルシウム剤を打ったんです・・・」 

「・・・そうしたら、もう2頭目が押されて出ようとして、こうなったのね。」

「はい、まさかもう1頭いるとは・・・」 

「・・・思わなかった・・・と(笑)」 

双子の胎児の

2頭目の臀位を

後肢の整復をせぬままに

強引に引っ張ったケースは

あまり記憶がない。

毛の生えていない流産胎児では

何度もやっているけれど

分娩予定日前後の

通常胎児で

こんな牽引をやったのは

あまり記憶がなかった。


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帰省と俳句の旅

先月末から連休を頂き、

帰省をして、

その足を更に伸ばして、

俳句の旅も少しという予定だった。

8DB5555A-B0B0-4356-82B0-2558BEBC2D56故郷の静岡はとても天気が良く

久しぶりに富士山の見える所で食事を

ところがその直前に母が体調を崩して入院というハプニング。

それでも

なんとか車椅子の父を一人連れて

兄夫婦とともに

しばしの故郷の風景を楽しんだ。

その後

私は予定通りに

関西の方へ俳句の旅をしてくることが出来た。

(これについてはFacebookの日本伝統俳句協会・北海道支部のページをごらんください)

その間の父と母の事は

全て兄夫婦にお任せするという

不肖な次男坊の1人旅。

12月に入って

再び静岡に戻り

今日はこれから母を見舞って

そのまま北海道へ帰ってくるという予定である。

C2E58319-6802-4293-AEBD-497A72CC4737今日の静岡は

来た時とは打って変わって

強い雨が降っている。

知らせによると

北海道十勝は

かなりの雪が降っているらしい。

雨の静岡から

雪の十勝へ

交通手段に支障がないことを

願いつつ

そろそろ出かけることにしよう。


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