北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

近ごろ流行りの?産前起立不能(1)

最近多いと感じている症例のひとつに、

乳牛の産前の起立不能がある。

昔からある症例で、

原因も様々なのだが、

産前に立てなくなる原因の中で

最近特に多くて気になるのが

四肢の疾患である。

股関節脱臼や関節炎や脊椎損傷などによって

四肢がダメージを受けて

お産を前にした乳牛が立てなくなる

という症例が多くて気になるのだ。

飼主さんの稟告は

「乾乳の牛が立てなくなった・・・」

である。

昔はその原因が

栄養不足の低カルシウム血症が多く

カルシウム剤で治療すると多くが治癒した。

ところが今の牛は

原因が栄養不足ではなく

四肢の疾患で立てないので

治癒させるのが難しく

ほとんどの場合

寝たきりになってしまう。

乾乳牛が寝たきりになってしまったら

どうするかといえば

分娩予定日近くなるまで

足場の良いところに寝かせておくしかない。

その間は消炎鎮痛剤などを投与するくらいしか

IMG_4353治療方法がないのである。

お産を前にした乾乳牛が

お産の予定日近くなるまで

寝たきりで飼われている

IMG_0940という牛のいる酪農家は

今や珍しくはない。

当たり前のように

どこの町村の酪農家にも

そのような

IMG_0358産前起立不能牛症

に陥った牛が

寝たきりで飼われている。

足腰の弱った乳牛が

寝たきりで

お産の予定日まで飼われている

という光景が

当たり前のように

見られるように

なってしまったのである。

(この記事続く)

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豆の収穫

十勝平野の中央にある我が診療区域、

幕別町は畑作の盛んな地域である。

今頃往診に回っていると、

IMG_2753あちらこちらで、

豆の収穫風景が見られる。

葉を落として

褐色に乾燥した

小豆や大豆などを

コンバインが刈り進む光景である。

小豆は蕎麦などにも使う小型のコンバイン

IMG_2752大豆は麦に使う大型のコンバインを

それぞれの作物に合わせた脱穀機を取り付けて

あっという間に刈り進んでゆく。

そんな光景を眺めながら

私は

「・・・豆の収穫も、ずいぶん変わったなー・・・」

と、一人つぶやくのだった。

私がこの地に就職した頃は

豆の収穫といえば

堆(ニオ)積み

だった。

数株づつ刈り取られた豆が

畑に整列して置かれ

それを手作業で

大きな堆(ニオ)に積んでゆく。

積み終わると

雨除けの青いビニールの傘が被せられる。

豆を堆(ニオ)で風に晒し

かりかりに乾燥させると

風味が増すと言われている。

畑には傘をつけた堆(ニオ)が

美しく整列するのが

晩秋の十勝の幕別町の風景だった。

それが今では

堆(ニオ)積みの一つも

見ることができなくなっている。

晩秋を感じる風物が

いつの間にか

またひとつ

消えていた。

一昨日の十勝毎日新聞のコラムに

十勝の畑作農家で歌人の時田則雄さんが

豆の収穫について書かれていた。

「畝の上に点々と並ぶ堆(ニオ)を眺めていると心が躍った。」

IMG_2759と書かれている。

また

現在の豆刈りは

「昔と比べると夢のようだ。」

とも書かれている。

作業効率が

格段に上がったのだ。

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蔦紅葉

いつの頃かわからないが、

おそらく10年くらい前だろうと思う。

我が家の南東側に生えている桜の木が

だんだんと大きくなって

家の一角に大きな陰を作るようになった頃

どこからともなく

植えも何もしないのに

あまり日の当たらないところから

蔦(つた)が生え伸びて

家の壁を這うようになった。

最初は

数本の細い蔓が

壁を這っているだけの

つまらないものだったが

その細く短い蔦の葉は

秋になると

健気に紅く色づくことを忘れなかった。

そんな蔦が

毎年秋を迎える度に

壁を這い蔓を伸ばし

その葉の覆う範囲を増やしていった。

それが毎年繰り返されているうちに

55A657BB-1682-4FB4-8B78-808A38D8F5E6我が家の南東側の壁は

蔦の葉に広く覆われるようになり

夏は青々とその勢いを広げ

秋にはそれらの葉が

そろって紅葉するようになった。

今まで何の気にしてもいなかった我が家の壁が

IMG_2674秋になると

蔦紅葉で彩られ

通りをゆく人の目をひくようになった。

この場所は

IMG_2673春は町内でいち早く

花が咲く桜の木があり

春先だけ派手な装いになるのだが

最近は

秋の深まる頃に

蔦紅葉が壁に広がり

秋にも少し

派手な装いになるのだった。


 蔦紅葉古木の肌の溝深く  豆作


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2度の日帰り(札幌)そして(小樽)

先週の火曜日(10月5日)は、

休みをもらって札幌を日帰りして来た。

北海道新聞社の会議室で、

「第36回北海道新聞・俳句賞」

の選考会があり、IMG_2670

今年からその選考委員の1人として出向いた。

私以外の選考委員は

櫂未知子さん、永野照子さん、橋本善夫さん。

この顔ぶれだから

議論が活発にならない訳がなく(笑)

IMG_2669私も随分言いたい事を言って

ほぼ満足のうちに

選考会が終了した。

その後、例年ならば

北海道新聞さんが懇親の場を設けて下さるらしかったが

今年はまだコロナ禍の自粛期間という事で

残念ながらそれは無く

IMG_2671帰りのJRの発車時刻まで

札幌駅地下で1人飲み(笑)

約1年ぶりの

札幌日帰り出張だった。

それから1週間後

昨日の火曜日(10月12日)には

またこの日も休みをもらって

今度は小樽を日帰りして来た。

小樽のホトトギス会の皆さんが

毎年行っている

小樽ゆかりの俳人・高浜年尾の忌日の月に合わせた

「北の年尾忌・句会」

に参加した来た。

この句会は例年だと

50人以上集まる俳句イベントになるのだが

今年は小樽の方々だけの

ささやかな句会に自粛して行われた。

私は以前から参加をお願いしていたので

特別ゲストのような形にしていただき

小樽ホトトギスの辻井靖之さんをはじめとする

小樽の伝統系の俳人の方々と

約2年ぶりに再開し

楽しく句会をすることができた。

この2年の間に

伝統俳句協会北海道支部の副支部長の

高山勲さんが鬼籍に入られたが

それ以外は皆さんお元気そうで

また若い俳人の方々も加わって

IMG_2719少人数ながらも

活気のある句会を

2年ぶりに楽しませていただいた。

句会の後の

帰りJRの時刻までの間

小樽では必ず足を運ぶ店

三幸さんで喉を潤した(笑)

ご一緒していただいた方は

IMG_2722午前中からお迎えに来てもらい

昼食と会場まで案内していただいた

北嶋さくらさん

伝統俳句協会のイベントには

IMG_2725 2いつもあたたかく協力してくれる

砂子間佳子さん

そして

私の尊敬している

IMG_2725伊藤玉枝さん

この日の玉枝さんは

とてもお元気で

ビールを飲みながら

とてもためになる話を色々語ってくれた。

IMG_2727今回

何が一番

嬉しかったかといえば

伊藤玉枝さんにお会いして

一緒に句会ができた事かもしれない♫


 年尾忌の晴れ旅人に土地人に   玉枝


 忌ごころの励まされゆく秋の晴    豆作



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和牛仔牛の直腸脱(3)

強い怒責が、

何度も繰り返されることによって、

一度出てしまった直腸脱が、

なかなか収まらず、

これといった方法も思い浮かばず、

治療が行き詰まってしまった。

結局

砂糖をまぶして

抗生物質を投与する以外は

何もせずに

放って置くことになってしまった

〓牧場の生後約2ヶ月の和牛の♂。

それから約1ヶ月ほど経った頃

別の用事で〓牧場に行った時

この仔牛のことを記号さんに聞いてみた。

「・・・ところで、あの直腸脱の仔牛、どう?」

「あー、あの仔牛ですか、治りましたよ・・・」

「・・・え、ほんとに?」

「はい、あの後何日か抗生物質も打ったんですげと、元気良くて捕まえるのも大変なんで、もうしょうがないから、注射もやめて放ったらかしにしておいたんです・・・」

「・・・何もしなかったんだ。」

「はい、3週間くらい何もしないで、直腸も出っ放しでした・・・」

「・・・3週間!?」

「はい、で、その後何日間か、直腸が見えなくなったり、出たり入ったりするようになってきて・・・」

「・・・出たり入ったり!?」

「はい、そんな状態が4、5日続いていたんですけど・・・」

「・・・だんだん出なくなってきたんだ。」

「はい、そのあとはもう出なくなって治っちゃいました・・・」

「・・・怒責は消えたの!?」

「そうですね、ふんばらなくなりました・・・」

「・・・便はどう?」

「便はまだ他の牛より柔らかいですけど・・・」

IMG_2667〓さんに見せてもらった

例の仔牛は

他の牛達に混じって

普通に元気だった。

ただ

お尻をよく見ると

他の牛よりも

乾燥した便が多くこびりついて

やや広範囲に汚れていた。

しかし

直腸脱がひどかった頃に比べて

肉付きも骨格もしっかりしてきて

仔牛は普通に成長していた。

  *  *  *

この牛が直腸脱になった原因として

コクシジウム症による下痢が続いたことによる

長期間の強い怒責が考えられる。

だが、普通の仔牛はそれのみで直腸脱にはならない。

〓さんから後で聞いた話だが

この仔牛の母親も

お産が間近になると

直腸脱を起こしていたのだという。

したがって

コクシジウムの怒責に加えて

この仔牛の遺伝的な素因が加わって

結果的に直腸脱になったと考えられる。

そして

その治療の決め手は

抗生物質の注射でもなく

砂糖の直接塗布でもなく

時間の経過であった。

この仔牛の直腸脱を治した決め手は

仔牛が成長するという

「時間の経過」

であった。


(この記事終わり)


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和牛仔牛の直腸脱(2)

排便のたびに強い怒責が起こり、

IMG_2520その結果として、

直腸脱がおこり、

脱出部分を手で戻しても、

再び強い怒責によって、

直腸が出たままになってしまう。

IMG_2518排便はさせぬわけにはいかないし

肛門を外科的に狭く形成術を施したとしても

強い怒責によって

繕った部分の組織が破れて

炎症と感染が起こる危険が大きい。

IMG_2519怒責を抑える薬剤を注射しても

薬剤が効いているうちは良いが

効力が切れたら元に戻ってしまうだろう。

結局これといった治療方法が思い浮かばす

かつて同僚のT獣医師が採用した

IMG_2521砂糖をまぶしておく

という方法だけが

選択肢として残ったので

畜主の〓さんの家で使っている

市販の砂糖をまぶして

その日の治療は終わった。

翌日

〓さんの仔牛を診させてもらうと

IMG_2528「こんな感じです・・・」

「・・・相変わらず、ふんばってるね。」

「はい、外に出てるところが乾いてますが・・・」

「・・・出たところの大きさは変わらないね。」

「そうなんです・・・」

IMG_2527「・・・でも・・・出来ることが思い浮かばない。」

「そうですね、しばらくこのまま放置して見ます・・・」

ということになり

感染を防ぐための抗生物質の注射だけを指示して

私は〓牧場から

次の往診先に向かった。


(この記事続く)


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和牛仔牛の直腸脱(1)

「お尻から腸が出てしまうんですが・・・」

そんな稟告の、

〓牧場の、

約2ヶ月齢の和牛の子牛。

IMG_2516診てみると、

肛門から約15センチほど、

直腸が反転して露出している。

露出した直腸の粘膜は

外傷なのか

感染なのか

IMG_2517大小の黄色い壊死組織の塊が

びっしりと付着していて

正常なピンク色の腸粘膜からは

程遠い姿をしていた。

とりあえず

手袋を履いて

脱出した直腸の部分を

用手整復を試みた。

脱出した部分がうっ血を起こし

血液や漿液が溜まって浮腫んでいるので

上手く押し込む事が出来ない。

IMG_2519さらに

押し込もうとしている途中に

強い怒責が起こり

あっという間に元の通りの姿になってしまう。

それを何度か繰り返すうちに

やっと

脱出した部分を全部押し込む事ができた。

IMG_2518ところが

それは束の間のことで

再び強い怒責が押し寄せて

直腸はまた

あっとうまに元の脱出した姿に

戻ってしまった。

私は無力感に襲われた。

IMG_2519「・・・うーん、これは手で戻すだけじゃ駄目だね。」

「駄目ですね・・・。」

「・・・下痢もしてるね。」

「はい、ずっと長いこと下痢していて、コクシの治療はしてるんですけど・・・。」

「・・・外科的に縫ったりしても、怒責の力で組織が千切れてしまうね。」

「でしょうね・・・。」

IMG_2520「・・・コクシも長引くから、怒責はそう簡単にはおさまらないだろうし。」

「でしょうね・・・。」

「・・・感染を抑えるのに、抗生物質の注射は続けましよう。」

「はい・・・。」

「・・・あと、お砂糖ある?」

「砂糖ですか?・・・。」

「・・・うん。普通のお砂糖、まぶすと浮腫みを和らげる作用があるから」

IMG_2519以前、同僚のT獣医師が

ロバの直腸脱に砂糖をまぶして用手整復をして

治癒した事があったので

それを見習って

今回の治療に採用してみることにした。

というか

もう、この子牛の直腸脱の治療法としては

IMG_2520それ以外に良い方法が

思い浮かばなかった

というのが正直なところであった。

〓さんに砂糖を持ってきてもらい

脱出した直腸にまぶしてみた。

「・・・これで、あと抗生物質をしばらく続けて。」

「わかりました・・・。」

IMG_2521「・・・下痢と怒責が治ればいいんだけど。」

「そうですね・・・。」

「・・・また明日様子を見にきますね。」

「お願いします・・・。」

私は〓牧場から

次の往診先へ向かった。


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第19回大とかち俳句賞・結果発表!

地元の十勝ではすでに、

数日前の勝毎新聞紙上に出ているのが、

第19回大とかち俳句賞の結果が発表された。

その中の

雑詠部門の最高賞に

三品吏紀(りっきー)さんの一句


 八月や生者のための塩を買ふ   三品吏紀


IMG_2658が選ばれた♫!

私はとても嬉しく

思わずもろ手を挙げて万歳をしていた。

以前に何度か言っているように

この大とかち俳句賞というのは

選者がバラエティーに富んでいて

道内と道外特別選者の

選句の傾向というものが

全くまちまちなので

どのような句が上位に選ばれるのがが

見当がつかないという面白さがある。

また、応募者の方々も

道内広くあまねく投句されているので

どんな句が集まってくるのか

皆目判らないという面白さがある。

そのような大会で

地元十勝の俳句仲間である

三品吏紀(りっきー)さんが

最高賞を射止めたというのは素晴らしいことだった。

私もこの賞には

10年ほと前から何度も応募して挑戦しているが

最高賞を取ったことは一度もないので

羨ましい気持ちでいっぱいである。

また、りっきーさんはまだ若く

確か40前後の年齢のはずなので

大とかち俳句賞の受賞者の中では

ダントツの若さで

最年少記録を打ち立てたことになるはずである。

十勝の俳句にとって

これほど明るく嬉しいことはない🎶

そして

さらに嬉しいのは

各選者の特選句の中に

私の俳句講座・道新文化センター「楽しむ俳句」の

生徒さん達の名前が散見されること。

IMG_2661さらに嬉しいのは

俳句のラジオ番組

豆作の「のったり俳句ひねもーす」に

毎回投句してくれる

福士ぶんじさんが

課題句部門の冠賞の東北海道現代俳句協会賞を


 終戦日山河の他に何がある  福士ぶんじ


という一句で獲得したこと。

これもまた非常に嬉しく

ラジオ番組をやっていて良かったな

と思った。

IMG_2662ちなみに

当番組のアシスタントの

シルマさんの一句も

選者の特選句に選ばれていた♫

名前はシルマではなく

本名で出しているのだが

写真の中でその一句を

見つけていただけると

これまた嬉しいことである(^^)


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和牛子牛のちょっと変な出べそ(3)

生後10日目で、

異常に突出した臍帯部分に、

イージーカットのゴムリングを装着し、

4日目に確認した時には、

装着部位から先が綺麗に干からびて、

出血もなく、化膿もほとんどなく、

経過良好だった、

子牛の出べそ。

もう大丈夫だからと思って安心し

その事を忘れかけていた矢先の

施術から12日目の朝

▽牧場の従業員君から電話がかかって来た。

「ゴムリングを付けたところの皮膚が赤くむくれて腫れているんですけど・・・」

「・・・そうですか、わかりました。」

着いて腹部を診ると

ゴムリングより腹側の皮膚が切れて

めくれ上がり

赤い皮下組織がむき出しになっていた。

AC999370-21A2-43FA-B581-F7BED4A291FFその部分を触診すると

硬結した部分が直径約5センチ程度で

腹腔内へとつづいていた。

しかし

一般症状には異常がなく

元気に哺乳しているという。

ここで

前回コメントを寄せていただいた皆さんの

FC0357C3-1BC2-40EF-95B6-B99BCBFA3E38ご助言のように

超音波検査をするべきだったのだが

超音波装置をいつも持ち歩いていないことで

つい、持参するのを忘れてしまい

今回も画像診断をしないままで

治療を施すことになってしまった。

することは簡単だった。

10199F60-1E1C-4DDC-8F63-AE2DECB4430Cなわち

ゴムリングで壊死させた部分を取り外し

皮膚が無事な臍帯部の

数ミリ近位の箇所へ

新しいゴムリングを装着した。

BD15B101-825A-4656-89E7-91D16FFFB074「・・・とりあえずこれで、また様子を見て。」

「わかりました・・・」

かくして

それから2週間以上たった後も

▽牧場からは何の連絡もなかった。

先日、気になって

▽牧場の従業員君に

こちらから電話を入れてみた。

「・・・あの臍にゴムリングつけた子牛、どうなりました?」

「あー、はいあのうしは無事に売れました・・・」

「・・・臍の赤向けの部分どうなりました?」

「あー、あれからリングの先っぽはかさぶたみたいになって取れました・・・」

「・・・赤く剥けたところは小さくなった?」

「やっぱり、500円玉くらいの大きさの乾燥しないところが残りましたけど・・・」

「・・・じゃあ、売れても値段は安かったんじゃない?」

「いえ、赤い部分にヨーチンをかけて、事情を全部話して出したので、普通に売れたと思いますよ・・・」

かくして

ほんとに普通の価格で売れたのかは

定かではないが

とりあえずこの仔牛は

無事に売れたのは確かなようだった。

これから先

この牛の臍に

不具合が起こらないように

祈るのみである。


(この記事終わり)


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和牛仔牛のちょっと変な出べそ(2)

臍帯部からまるで陰茎の様に、

薄赤い組織が変な形で10cm程度露出していた、

和牛仔牛の臍帯炎。

哺乳不振などの全身症状はなかったので、

外見上の突出部だけを取り除く目的で、

イージーカットのゴムリングを装着。

装着した5日後に

IMG_2445どの様な状態になったかを

▽牧場の従業員君に尋ねたところ

「目立たなくなりました。」

とのことで

その仔牛を捕まえて

臍帯部を観察した。

50AB6219-54B6-41A8-B739-32D37F587D61なるほど

これは全く目立た無くなっていた。

そればかりではなく

ゴムリングを装着した部分から先が

血流が止まったことで

赤く生々しかった部分は

2DCA6041-91EC-4C20-A3DE-D24F7D5BC9F4完全に干からびて

茶褐色の干物の様に

臍帯の先端にくっついていた。

「・・・おぉ、これは上手くいってるね。」

「はい・・・。」

「・・・このまま放っておけば、自然に落ちるから、何もしなくていいね。」

「はい・・・。」

私はイージーカットの威力を

あらためて感じていた。

上手くいったと

とても晴れやかな気分で

▽牧場を後にして

次の往診先に向かった。

そして

この仔牛のことは

私の頭からほとんど消えていた。

ところが

それから9日経過した朝に

▽牧場の従業員君から電話がかかって来た。

「あの、ヘソを治療してもらった仔牛なんですけど・・・」

「・・・?。」

「ゴムを付けたところの皮膚が赤くむくれて腫れているんですけど・・・」

「・・・わかりました、診に行きます。」

かくして

私はまたこの仔牛と

再会することになってしまった。


(この記事続く)


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和牛仔牛のちょっと変な出べそ(1)

「仔牛の出べそ、診て欲しいんですが・・・」

よくある往診依頼である。

こういう場合、

最も多いのが、

臍帯の細菌感染による、

臍帯炎である。

軽度の場合は

抗生物質の筋肉注射を数日すればよく

熱発や食不振などの全身症状が出た場合は

輸液と抗生物質を数日施せばほとんどが回復する。

次に多いのが

同じく細菌の感染による

臍帯の膿瘍である。

膿瘍が大きければ

切開排膿して

その後は同様である。

続いて多いのが

臍ヘルニアである。

軽度であれば

放置していても治る。

ヘルニア輪が大きい時は

中の腸管などを腹腔に戻した状態で

ヘルニアを塞ぐための

バンデージを巻いたり器具を装着したりすれば治る。

ヘルニアがさらに大きい場合は

外科手術によってヘルニア輪を塞ぐ。

子牛の出べそは

ほぼ上記の対応で治癒させることができる。

さて

今回はどんな出べそなのだろう

と、∇牧場着いてみると

私が今まで経験したことのない

050724DC-0C33-4BB4-991A-22FF800EC457不思議な出べそだった。

生後10日目の黒毛和牛の♂。

二箇所の赤剥けた臍帯が

まるで角のように遺残していた。

「これ、どうすれば良いですか・・・」

「・・・このままじゃ普通の値段では売れないか。」

「ええ、なんとかなりませんか・・・」

「・・・うーん・・・切っても出血して汚くなりそうだし。」

咄嗟に思いついたのは

イージーカットだった。

「・・・そうだ、ゴムリングつけましよう。」

私は一旦事務所に

イージーカットを取りに戻った。

子牛の臍にイージーカットを付けるのは

FCFDE44F-9D2B-4966-9316-DD66823CB211ヘルニアの場合も多いが

こんな大きな臍帯炎の時にも

使えるのではないかと思った。

装着を試みると

臍帯の根元の部分が

直径5センチ程度あり

イージーカットのゴムリングを

2ABD0E33-FE5C-4A80-8383-D561FB45B4BF器具で目一杯拡げて

ようやく装着できるほどだった。

一本のリングだけでは

漿液や尿などの湿気でズレてしまう可能性も考え

駄目押しとしてもう一本

二本のリングを装着した。

D935D878-9084-4F58-8D59-F0CECEF9E390「これで1週間くらい様子見ましょう。」

抗生物質を注射し

∇牧場の従業員君に

残り3日分の抗生物質を渡し

次の往診に向かった。


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TOKACHI書ー30代・若き書家の挑戦ー

今、十勝で話題になっている

IMG_2607若い書家の人達ばかりで行われている

「TOKACHI書ー30代・若き書家の挑戦ー」

が、帯広駅地下の

IMG_2608帯広市民ギャラリーで

9月21日(火)まで開催されている。

その内容の素晴らしさ

インパクトの強さは

IMG_2609すでに

この展示会へ足を運んだ多くの方々によって

様々なメディアやSNSなどで

IMG_2610紹介され

それがまた口コミなどで

次々と伝わって

IMG_2611評判になっているようだ。

私も先日

ラジオを聴いていた時に

IMG_2612この展示会のことを知り

「これは絶対見に行かなければ駄目だ・・・」

と思って

IMG_2613先日市民ギャラリーまで足を運んで

生の作品群に触れてきた。

「これは面白い・・・」

IMG_2614それぞれの作品の前に立つ度に

そう思いながら

全ての展示を

IMG_2615楽しませてもらった。

18日(土)のギャラリートークは

残念ながら聞きに行けなかったが

IMG_2616それでも

展示物を実際に体験して

そのパワーに圧倒された。

特に後半の

各書家の皆さんの自由な発想による

展示パフォーマンスには

「度肝を抜かれる・・・」

という表現がぴったりの

すごいものだった。

それらの写真を少しここに

貼り付けさせてもらった。

それから

さらに私が興味を持ったのは

前半の書家の皆さんの紹介コーナーの中で

IMG_2605紅月さんの書いた詩と

赤間裕堂さんの書いた詩が

どちらも同じ李白の詩だったこと。

同じ漢詩を書いても

書いた書家によって

これだけの違いが出ることに

IMG_2606非常に興味を持った。

まさにそれが

書家の個性。

それを

偶然なのか故意なのか

は不明だけれど

大変興味深く

味わうことができた。

IMG_2623家に戻ってから

この李白の詩を

詩集に探して

見つけることができた。


   寄す東魯の二稚子

  呉地 桑葉緑に
  呉蚕 已に三眠す
  我が家 東魯に寄す
  誰か亀陰の田を種えん
  春事 已に及ばず
  江行 復た茫然たり
  南風 帰心を吹き
  飛んで酒楼の前に堕つ
  楼東 一株の桃
  枝葉 青煙を払う
  比の樹 我が種えし所
  別れて来のかた三年に向んとす
  桃は今 楼と斉しきも
  我が行は尚お未だ旋らず
  嬌女 字は平陽
  花を折りて桃辺に倚る
  花を折るも我れを見ず
  涙下って流泉の如し
  小児 名は伯禽
  姉と亦た肩を斉しくす
  双び行く 桃樹の下
  背を撫して復た誰か憐れまん
  此を念えば次第を失い
  肝腸 日に憂煎す
  素を裂きて遠意を写し
  之を因せん陽の川に

作品にはどちらも

IMG_2627最後に別の詩の一部が

添えられている。

そこまでもが

この2名の書家の作品は

同じだった。


   月夜江行して寄崔員外宗之に寄す

  飄颻として江風起り
  蕭颯として海樹秋なり
  舳に登りて清夜を美し
  席ろを挂けて軽舟を移す
  月は碧山に随って転じ
  水は晴天に合して流る



普通書家の書いた漢詩作品を

IMG_2628ギャラリーなどで鑑賞する時

その内容まではわからないものだが

こうして

詩集を紐解いて

詩の内容を読みながら

IMG_2631鑑賞すると

さらに味わいが増す。

さらに

男女2名の書家によって

違う表現になっているのを

鑑賞すると

またさらに

味わいが増してくるのだった。 


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「俳句を作ろう!」講座のお知らせ


数ヶ月前に、

我が町の百年記念ホールの事務局の方から、

「俳句の講座をやってもらえませんか?」

というお話があり、

それは私にとっても、

俳句の仲間を増やす良い機会だと思って、

快くお引き受けした、

道民カレッジ連携講座『俳句を作ろう!』

IMG_2601が、10月から3月まで毎月1回

第1土曜日の午後1時から4時まで

6回に渡って行うことになった。

本当は9月から始まっている予定だったが

コロナの緊急事態宣言が伸びて

公共施設が使えなくなっているので

1カ月スライドする形で

10月2日(土)の午後1時から

第1回目をスタートさせることになった。

IMG_2602その内容は

簡単な俳句の話を30分ほどして

残りの2時間半は

皆さんで俳句を出し合って句会をする

というもの。

コロナ禍が始まってから

リアルに集まって句会をすることがなかなかできず

その結果

俳句の仲間を増やすこともできなかったので

今回の俳句講座&句会は

IMG_2603是非ともその

「俳句の仲間を増やしたい」

という願いを

叶えるきっかけにしたいと思っている。

ひと月に1回、第1土曜日

計6回の講座の予定の申し込みを受け付けているが

1回だけの単発の参加でも全然OK。

是非、お気楽に

参加していただきたいと思う。

申し込みの連絡先は

チラシや新聞記事に書いてあるように


幕別町100年記念ホール

☎️0155-56-8600

酒森さんまで



どうぞよろしくひねもーす!(^^)


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トンデモ難産・Part2

「お産なんですけど、胎児が奥の方にいて来ないので、診て欲しいんですけど・・・」

〓フアームの従業員の▽君からだった。

「・・・まだ早いんじゃないの?」

「いえ、昨日の夜から産気づいているんですけど・・・」

「・・・わかった、診に行きます。」

「お願いします・・・」

先日、奇形胎児のトンデモ難産を介助した〓ファームから

また難産で呼ばれてしまった。

巡り合わせの悪い時とはそういうものである。

牛舎に着いて

産道に手を入れてみると

前足らしいものが1本と

胎児の頭部が1つ触れ

その奥にもう1本の足に触れた。

足にロープをかけようとして

手前の足を引っ張ってみたが

どうしたものか

足が伸びて来ず

頭の後ろにある足も

伸びて来ずに

頭と合体しているような

硬く固まった印象だった。

・・・これは奇形かな・・・

私の脳裏に一瞬そんな考えがよぎった。

しかし

最近のお産の経験では

奇形かな・・・と思った胎児の半分以上は

奇形ではなく単なる失位であることが多かった。

胎児の奇形による難産は

私が若かった20年ほど前に比べて

かなり減ったな、と思っている。

その理由の一つに

平成14年に改正された廃棄物焼却炉の構造基準

がある。

簡単に言えば、ドラム缶や市販の焼却炉などの

基準を満たさない焼却炉で廃棄物を焼却することが

違法になったのだ。

これが違法になったことで

酪農場の敷地内で安易に廃棄物を焼却することが減り

農場内のダイオキシンなどの催奇形性のある有害物質が減り

結果として、胎児の奇形の難産に遭遇することが減った・・・

・・・のではないかと

私は、自分の経験をもとに推測している。

最近は、胎児の奇形による難産は

20年前頃から比べると

本当に少なくなっている。

これは実感として私が感じていることである。

だから、最近は

・・・これは奇形かな・・・

と思った難産胎児の半分以上は

奇形ではなく単なる失位であったのである。

さて

今回の〓ファームの難産も

胎児が奇形かどうかは半信半疑のままだったが

失位を全く整復できそうもなかったので

即刻、帝王切開をすることにした。

牛が診療所に運ばれて

いつものように手術台に乗せられて

手術が始まった。

腹壁を切開し

子宮の外からの胎児の足を掴み

子宮を持ち上げて

子宮を切開した時

胎児が異常な形をしていることが

IMG_2455明らかになった。

「・・・奇形ですね・・・」

「・・・そうですね・・・」

私は助手のK獣医師と顔を見合わせた。

いつもの切開幅では胎児を摘出することができず

IMG_2453子宮をさらに大きく切開して

とんでもない形をしている胎児を

ようやくチェーンで引き上げることができた。

胎児の形は

反転性裂体と言って良い

IMG_2452重度の奇形胎児だった。

(写真は閲覧注意)

さらにこの奇形胎児の他に

奇形ではない別の胎児が子宮の中に居て

双子の胎児の片方だけが重度奇形という

IMG_2454私には初めての経験の

トンデモ難産だった。

〓ファームという同一牧場で

奇形胎児の難産に

私は2回連続で遭遇したことになる。

こんなことは今までずっと

ご無沙汰していた事だった。

ちなみに

〓ファームの

牛舎の裏の敷地の奥には

大きなコンクリートの筒状の

簡易の焼却施設があり

最近はそこから

ものを焼く煙が

立ち上っていることが多い。

その焼却施設が

平成14年に改正された

焼却炉の基準を満たしているかどうかは

私にはわからない。


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トンデモ難産

「お産なんですけど、出てこないので往診お願いします・・・」

〓ファームの従業員の◯君からだった。

「・・・どんな状態?」

「前足2本と頭は来てるんですけど、そこから出てこないんです・・・」

「・・・前足2本と頭が来てるんだったら、そのまま引っ張れば出るでしょ。」

「それが・・・出ないんです・・・」

「・・・???。」

なんだかよくわからない稟告だったが

◯君の真剣な声に応える気持ちと

頭の中の「???」の気持ちが

混ざり合ったまま

〓フアームに向かった。

着いて牛を診ると

胎児の上半身が陰部から外へ出ている。

前足と頭は完全に外へ出ているのだ。

「・・・これならそのまま引っ張れば出るんじゃないの?」

「それが・・・出ないんです・・・」

「・・・何で???」

おかしいなと思って

産道に手を入れると

「・・・何だこれは!」

胎児の下半身が

産道の中で

正座しているのだ。

左右の膝関節が畳まれて

さらに飛節も畳まれて

両足の蹄にも触れる。

おすわり状態で

産道に侵入していた。

後肢の整復は

きつくてとても無理だった。

何という体位だろう・・・

「・・・このまま強く引っ張るしかないね。」

私は牽引滑車を用意して

従業員君たちと一緒に

強引に胎児を引いた。

母牛の体がずれるほどの牽引だった。

「・・・キツイなこれは・・・でももう引き切るしかない・・引いて!」

胎児の上半身がわずかに引き出されて来た。

「・・・そのまま引いて!」

IMG_2398ズボッと出て来た胎児は

F1の胎児だった。

下半身をよく見ると

カエルの後足の形に

硬直している。

IMG_2399「・・・何だ?、この形は!?」

「曲がったまま硬くなってますね・・・」

「・・・これじゃあ、引っかかって出ないわなぁ。」

上(前)半身はまともなのに

下(後)半身がおすわりしたまま

IMG_2401硬くなっている

今まで見たこともない

奇形胎児だった。

「・・・こんなフザけた奇形があるのかい!(◎_◎;)」

私と従業員君たちは

苦笑するしかなかった。

「親がまだ力んでますけど・・・」

◯君がそういうので

もう一度産道へ手をいれてみると

「・・・あ、もう1頭いるよ、今度は逆子だ。」

IMG_24062頭目の後肢を牽引し

2頭目はすんなりと出すことが出来た。

それにしても

F1胎児の双子というオチまでついて

1頭目の下(後)半身だけが硬直して

お産を阻んでいるという

こんな難産は

35年も臨床獣医師をやっていて

初めての経験だった。

トンデモない難産だった・・・


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尾白鷲(オジロワシ)・・・

昨日の午後の追加往診は、

十勝川沿いの和牛繁殖の■さん。

飼養頭数が少ないので、

往診は久しぶりだった。

牛の治療を終えて

天気が良かったので

帰りの道を

いつもの国道ではなく

十勝川の堤防沿いの道を選び

川を右に見ながら上流へ向かって帰ることにした。

IMG_2577畑の畦道から堤防へ出ると

出会い頭に

何やら大きな動物が2つ

頭を挙げてこちらを見ていた。

鳥だった。

鳶にしては随分デカい鳥だと思って

IMG_2578ゆっくりと近づくと

2羽のうちの1羽が羽を広げて飛び立った。

みごとな低空飛行をよく見ると

矢印型の白い尾の大きな鳥・・・

尾白鷲(オジロワシ)だった!

こんな所に

IMG_25792羽並んで佇んでいるということは

きっと番(つがい)に違いない。

先に飛び立って行ったのは

雄のほうなのか雌のなのか

全くわからないが

残った1羽は

まだしばらく飛び立たずに

IMG_2580こちらを見ていた。

車のスピードを落として

ゆっくり近づいても

まだこちらを見て

飛び立とうとしない。

携帯カメラで撮ってしばらくしたら

IMG_2581ようやく大きな羽を広げて

羽ばたきながら

低空飛行で

先の1羽の後を追うように

飛び去って行った。

往診の途中に

遠くに居る尾白鷲(オジロワシ)や大鷲(オオワシ)を

見かけることは

IMG_2582今まで何回かあったが

今回のように

携帯カメラを取り出して

写真が撮れるほど

至近距離で遭遇したことはなかった。

しかも

それが2羽の

番(つがい)だった。

やっぱり鷲は

鳶と違って

貫禄がある・・・


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鰯雲(いわしぐも)・・・

先月の8月26日の夕方、

十勝地方の大空の一面を覆うように、

広大な鰯雲(いわしぐも)、

別名、鱗雲・鯖雲・ひつじ雲・巻積雲、

IMG_2502が出ていた。

ちょうど勤務時間の終了する頃だったので

診療車を車庫にしまうついでに

携帯を空に向けて

写真に撮っておいた。

この日の鰯雲はあまりにも大きくて綺麗だったので

IMG_2503十勝地方に住んでいる多くの人たちが

夕方の空を見上げて

写真を撮っていて

SNSなどで沢山アップされているが

私もその例外に漏れず

ここにその写真をアップして

記録を残しておこうと思う。


 鰯雲人に告ぐべきことならず  加藤楸邨


IMG_2506石田波郷、中村草田男、と共に

「人間探求派」

と呼ばれた三大俳人の一人

加藤楸邨の一句を

実際に鰯雲を頭上に見ながら

味わっていると

様々な思いが交差してくる。

IMG_2507人に告げるべきではないこと

は誰の心の中にも

あるだろう。

告げたくても告げられないこと

言いたくても言えないこと

言ってはいけないこと

IMG_2508そのことが

なぜ

鰯雲なのか。

頭上に広がる鰯雲を見ていると

楸邨のような

多くの門弟を持ち

多くの人と付き合いのある俳人は

IMG_2509自分の発した言葉が

鰯雲のように

数えきれない人々の心に届き

感動を与えるばかりではなく

色々な影響を与えてしまうことを知り

ちょっと恐ろしいような

不安な心持ちを抱いたのだろうか。

美しい鰯雲に

無限の不安と自省と

悲しみさえも

感じさせる一句。


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産後に発症したポニーの高脂血症(3)

この1年と8ヶ月の間に、

ポニーの高脂血症に3頭遭遇した。

症例1

症例2

症例3

そのどれもが、

治療に反応がなく、

発症後1週間以内に死亡した。

共通した初期症状の稟告に、

「口がよく動かない」

「水を飲みたがるがうまく飲めない」

という特徴的な症状の訴えがあった。

この3症例の採血をした時

その肉眼的な所見は

全ての血清で

著しい乳黄色の混濁

が見られた。

3症例の血液検査の値で

特徴的だった所見は


 中性脂肪(TG)

IMG_6903  3104 mg/dl  (症例1) 

  2293 mg/dl  (症例2)
 
  2254 mg/dl  (症例3)



  AST(GOT)

IMG_2383  13711 U/L   (症例1)

  10078 U/L   (症例2)

    8859 U/L   (症例3)



  遊離脂肪酸(FFA)

75004a2b  1.32 mEq/L (症例1) 

  2.37 mEq/L (症例2)

  2.45 mEq/L (症例3)



という

揃いもそろって

脂質代謝関係の

著しい異常値が見られた。

これだけの

特徴的な所見があるので

診断は容易である。

ところが

強肝剤

リンゲルや糖質の輸液

抗生剤の投与

副腎皮質ホルモンの投与

という

治療にほとんど反応がなく

全ての症例が1週間以内に死亡してしまい

治療が困難である。

診断のし甲斐はある症例だが

治療のし甲斐のない症例となっている。

3戦全敗であり

治療にほとんど良い所なく

完封負けである。

完膚なきままに打ちのめされている。

ポニーの高脂血症での

38f61780-s治癒例はないのだろうか?

良い治療法はないものだろうか?

的確に予防する方法はないものだろうか?


このブログをお読みたいいた獣医師の方で

心当たりのある方は

ぜひ教えていただきたい。

(この記事おわり)


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産後に発症したポニーの高脂血症(2)

死産した後に、

食欲が全く無くなり、

治療の前に採血をしたら、

その血液の血清が乳黄色に濁り、

高脂血症と肝機能障害が疑われた、

17歳のポニーの繁殖牝馬。

その血液検査の結果は

異常値のオンパレードだった。

特に目をひいたのは


 中性脂肪(TG)         2254 mg/dl

 AST(GOT)             8859 mg/dl

 遊離脂肪酸(FFA)   2.45 mg/dl



IMG_2384「・・・やっぱり・・・」

脂質の代謝障害が著しく

強い肝機能障害が見られ

極度の脂肪肝が疑われる数値だった。

採血した日の

血清の肉眼的な所見で

それは大方想像はついたものの

改めてこの数字を見ると

「・・・これはひどい・・・」

と思ってしまうのだった。

この結果を持って

飼い主の▽牧場へ再び往診に行き

IMG_2391内容を説明して

前日とほぼ同じ治療を施した。

翌日の3診療日も同様の治療を施した。

ポニーの症状は若干の元気が出たものの

食欲は全くなく水槽に口をつけるだけだった。

4診療日も同様の治療を施した。

食欲は全くなく水槽に口をつけるだけだった。

5診療日も同様の治療を施した。

食欲は全くなく水槽に口をつけるだけだった。

6診療日にも同様の治療を施した。

この日は朝から横臥してばかりだったので

馬を立たせてようやく枠場にいれて治療をした。

外陰部からは産褥性の悪露が出て

強い匂いが漂っていた。

食欲は全くなく水槽に口をつけるだけだった。

7診療日にも同様の治療を施した。

この日は馬がなかなか立たず

ようやく立たせても歩様がふらつき

治療中に枠場の中で寝てしまった。

8診療日に▽牧場へゆくと

この馬が朝死亡したことを

飼い主の▽さんから告げられた。

結局

治療には反応なく

発症後1週間で

死亡してしまった。


(この記事あと少し続く)


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産後に発症したポニーの高脂血症(1)

17歳の繁殖牝馬(ポニー)、

分娩予定日よりやや早く死産。

その3日後、

「餌をほとんど食べない、水を欲しがる。」

という稟告で上診。

胎盤は分娩直後に排出されたという。

IMG_2389T38.3 P60 R20

食欲はないが

腸の蠕動はしっかり聞こえていた。

産褥性の不調であろうということで

いちおうルーチンとして採血をし

抗生物質とリンゲル液とブドウ糖液を点滴した。

IMG_2390「腹の動きは普通に聞こえているから・・・」

それほど心配することではなさそうだと思って

初診を終えて

事務所に帰り

採った血液の

肉眼的な性状を見たら

「・・・これは・・・」

IMG_2383血清が乳黄色で不透明。

ポニーなどの小型馬に多く見られる

高脂血症が強く疑われた。

臨床検査センターで調べてもらう項目に

肝機能の指標を中心にして

血液検査を依頼した。

「・・・一昨年、高脂血症で死んだ馬と同じ性状の血清・・・」

検査結果は

センターから翌日送られてくるが

このポニーの治療は

そう簡単には行きそうもないな

という気分になった。

(この記事続く)


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