北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

マルちゃんVSペヤング(5)

マルちゃんVSペヤング、

という最近の北海道のインスタント焼きそば市場で繰り広げられている、

性懲りもない戦いを振り返って見ると、

まず、

その先陣は2年前の衝撃的な「納豆やきそば」

に始まり

その半年後には

「基本バージョン」の大手スーパー店頭での大量売り込み

さらに

数ヶ月前に見られた前代未聞の「カレー+納豆バージョン」

そして

巨大なペヤング「ソースやきそば」の「超大盛」バージョン

が現われたのは半年前のことだった。

さらに先日は

エビ好きの日本人の心をくすぐる「海老」バージョン

の登場と

手を替え品を替えて

執拗に攻め続けるペヤングの戦略から目が離せないのである。 

IMG_4660そして、またまた

私は、近所のコンビニで

ペヤングのニューバージョンを見つけてしまった。

名付けて 

IMG_4674ピリッとおいしい「たらこ」焼きそば 

である。

即買いして食べてみると

なるほど

IMG_4675謳い文句の通りで

ピリッとくる辛さが印象的な

中々上等な味に仕上がっていた。

「ピリッと辛いたらこ」風味

IMG_4676ということは

結局これは 

「明太子(めんたいこ)」風味じゃないか!

と思った。

が、「明太子」というのが登録商標か何かで使えないのかもしれない。

ともあれ

ペヤング側の焼きそば北海道上陸作戦は

年末にかけて勢いをつけて来たようである。

IMG_4684しかし

マルちゃん側も負けてはいない。

特に「たらこ」風味については

すでに以前から

IMG_4685 北海道限定・たらこ味バター風味

という焼きそばがあり

すでにその地位を確立している。

そこへ、あえてペヤング側が

バター風味の「たらこ」

ではなく

ピリ辛風味の「たらこ」

という変化球で攻めて来たのである。

IMG_4686マルちゃんの「たらこ」も

これを機会に食べなおしてみた。

マルちゃんの「たらこ」は

ペヤングの「たらこ」 とは

かなり趣の違った

マイルドなバター風味に仕上がっている。

今回の「たらこの戦い」は

両者それぞれ違う個性を発揮して

IMG_4661甲乙付け難く

私としては

50対50の引き分け

という感じであった。


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「牛のニコイチ捻転去勢法」

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不揃いの双子・part2

「∩牧場のお産で子宮捻転らしいので、行ってもらえますか?」

午前中の往診の最後の家で連絡が入った。

「了解です。」

∩牧場に着くと、

分娩房に従業員の◉君がいて、

その前に死亡した仔牛が横たわっていた。

「もう出たの?」

「はい、出しました。」

「子宮捻転だって聞いたんだけど・・・」

「はい。ちょっと捻れてたんで、でも直して出せました。」

「それは良かった!」

私はホッとした。

仔牛は死亡してしまったとはいえ

大変なところはもう◉君がやり終えてくれた。

◉君は従業員のチーフ的な存在で

∩牧場の中では最も信頼されているベテランである。

「でも、安田さん、もう1つ入ってるんですよ。」

「双子なの?」

「はい。」

親を見ると

外陰部から胎児の肢が2本覗いていた。

「今、引っ張るところなんです。」

◉君は助産用の産科道具を牛の腰に当てて

出ている2本の肢にロープをかけて

2頭目の胎児の助産をはじめた。

双子の胎児の2頭目ならば

ベテラン従業員の手にかかれば

簡単に出すことができるはずなので

私はカッパにも着替えずに

助産道具を使っているところを写真におさめた。

IMG_4713それが左の写真である。

この道具のレバーの根本の部分に

胎児の肢に繋いだロープをかけて

レバーを引けば

胎児を簡単にかつ強く牽引することができる。

IMG_4711「・・・。」

私は◉君の作業を見守っていた。

「・・・。」

胎児の肢はそれほど太くはなく

頭も産道に乗っているようだった。

「・・・あれ?・・、なんで来ないんだろう・・・」

「頭は来てるんでしょ?」

「・・・すぐそこに来てます・・・」

「じゃあ引けば出るよね。」

「・・・のはずなんだけど、なんでだろう・・・」

◉君がいつになく苦労しているので

私はカッパに着替えて助産を手伝う事にした。

牽引レバーをゆるめて

IMG_4712手を入れてみた。

「・・・ん・・・。」

「どうですか?」

「・・・ん・・・、この左側の肢なんかおかしいぞ・・・」

私は2本出ている肢の形態を手で丁寧に触診した。

右の肢には球節の次に腕節があった。

左の肢には球節の次に腕節の膨らみがなく

いきなり片方に尖ったような部分に触れた

飛節だった。

「これ・・・前肢じゃなくて後肢だよ・・・」

「え、本当ですか。」

私は後肢にかかっているロープをはずし

前肢にかかっているロープ1本だけの牽引を指示した。

すると、ロープをはずした後肢が戻って行き

前肢と頭が外へ出てきた。

そのまま道具で牽引を続けると

首と胴体が出てきた

その脇にぴったりもう片方の前肢が

後ろ向きに畳まれたまま牽引されて来た。

これでようやく2頭目の助産が終了した。

簡単に出せると思っていた2頭目の胎児は

とんでもない失位をしていたのだった。

そのアクロバット的な胎位は

獣医学的にもまだ正式な名称が無い胎位だった。

前後肢同時進入位・・・?

とでも呼べば良いのだろうか。

IMG_4715ともあれ

◉君と私は

双子の胎児を出し終えて

親牛にカルシウム剤などを補液しながら

ホッと一息ついた。

「ところで、この胎児毛色が違ってるね、白黒と白赤・・・」

IMG_4714「そうですね、二卵性ですね。」

「母親は白黒なのに・・・」

「種牛がレッドなんですよ。」

「そうなんだ・・・」

「この種牛の父親が、レッド〇〇っていう種牛で、奇形が多くて評判悪いんですよ。」

「へー、そうなんだ・・・」

私は知らなかったが

白赤の牛が多くなって来たこの頃

そんな種牛もいるらしいのでご用心。

今回は

大きさではなく

胎位と毛色が不揃いの

双子だった。


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不揃いの双子胎児

深夜の携帯電話が鳴った。

「お産なんだけど、足が変なんだ・・・」

酪農家のΘさんからだった。

「前足が来てて、頭も触るんだけど、なんか変・・・」

到着して

手を入れてみると

確かに前足が2本来ていて、頭も触れる。

「・・・。」

しかし

頭のある位置と

前肢のある位置が

普通のお産とはどこか違っている。

前肢をつかんで引いてみると

何かにつっかえているように動きが悪い。

頭も同じように可動性が少ない。

(これは奇形かもしれない・・・)

そんな思いが頭をよぎった。

(もしかして反転性裂胎!・・・)

そうであれば

深夜の帝王切開になる。

「・・・。」

不安材料は言葉にせず

黙って産道の奥へ

さらに手を入れてみると

2本の前肢と頭の隣に

肢がもう一本あった。

「・・・。」

奇形の疑いはまだ続いている。

3本目の肢の前後を確認しようと

さらに手を奥へ入れると

こつんと鼻先に触れた。

「あ・・・なんーんだ、双子だよこれは。」

奇形で帝王切開という

最悪のシナリオが

私の頭から消えていった。

「双子なの?」

「うん。どっちも前向きに来ている双子。」

私は最初に触った胎児の頭部を掴み

それを強く押し込んだ。

すると

押し込んだ頭のあった隙間へ

奥にあった2仔目の頭部が入り込んで来た。

私は同じ動作を何度か繰り返した。

最初に触った2本の前肢は

奥にあった2仔目の胎児の前肢だったのである。

今回の双子の胎児は

どちらも頭位で前向きに来ていて

一方が前足を

もう一方が頭を

それぞれ産道に進入させて

お互いにつっかえて

言わば「二人羽織」の状態になっていた。

私はかつて

「二人羽織」状態の胎児に気付かず

そのまま牽引して

胎児の前肢を骨折させてしまったという

苦い経験がある。

可動性の悪い胎児は

たとえ前足2本と頭が確認できたとしても

さらにその奥を確認するなどして

慎重に対処しなければならない。

今回はそれが解決の糸口になった。

私は前肢にロープをかけ

奥にあった頭の後頭部にループワイヤーをかけ

Θさんにゆっくりと牽引してもらった。

41A6D2F2-3124-4716-8168-740408B3B3E7胎児は既に死亡していた。

おまけに少し膨張していたので

滑車によってようやく引き出すことができた。

2仔目の胎児も既に死亡していて

同様に牽引したが

こちらは簡単に出すことができた。

「双子だったとはね、なんか変だと思ったんだよな・・・」

「もう死んじゃってたから、全然動かなかったね。」

「・・・それにしても、この仔牛・・・ずいぶん大きさが違うんでないの・・・」

F1429589-9361-4807-B760-E805ADDD0530「ほんとだ!」

胎児を2つ並べてみると

最初に出したほうは大きな♀

後に出したほうは小さな♂だった。

これだけ大きさの違う双子の胎児は

ちょっと珍しいかもしれない。

B481C93B-CE08-43B2-8058-C03C63FBE0EF「追い移植とかしてない?」

「してないよ、普通に種付けしたよ。」

最近は追い移植という

不自然な技術によって

不揃いの仔牛が生まれることがあるが

今回の仔牛は

天然の

かつ不揃いの

双子胎児であった。


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デブリードマン(3)

この牛の腹部の傷は、

2週間以上放置されていたので、

初診時にはすでに壊死が進行し、

IMG_4405広範囲にデブリードマン(壊死組織の除去)

をしなければならなかった。

そして

デブリードマンした後気付いたのが、

IMG_4414創の幅と長さだった。

腹圧の強くかかる場所で 

この創の幅と長さでは

縫合が困難なことに気づいた。

何度か糸をかけて数針縫ってみたが

IMG_4416たちまち組織が千切れてしまうのだった。

そこで方針を変えて

縫合はあきらめて

キトサンイソジン液の塗布と

オムツによる創面の保護と

抗生物質の投与

だけで

後は自然治癒力に任せるという

半ば投げやり的な治療方針に変更した。

初診から2週間で再診した時

IMG_4496思った以上に

創面の修復が進んでいたことで

気を良くして

再び同様の処置をして

また2週間が経過した。

IMG_4589それが左の写真である。

創面の幅は

さらに狭くなっていた。

初診のデブリードマンから

数えてちょうど1ヶ月後の

IMG_4590切創の幅は

4分の1程に狭くなっていた。

このまま行けば

この1ヶ月後には

さらにその4分の1程に狭くなっている

という姿を想像する事ができた。

IMG_4592あくまでも想像だったが

それは確信に近いような想像だった。

「これでもう終わりにしてもいいかな・・・」

私は創面にキトサンイソジン液をかけながら

そう思った。

オムツを当ててガムテープでそれを覆うことは止めて

IMG_4595抗生物質の投与も中止して

このままの状態で

治療を終了することにした。

◉さんと牛が帰ったあとで

「終わりにするのはちょっと早すぎたかな・・・」

という気持ちが湧いて来た。

しかしそのような気持ちは

日々の煩雑な仕事の中で

薄れていった。

それから1ヶ月が経過した。

たまたま◉さん宅の前を通りかかり

この牛のことを思い出して

牛舎に寄って

腹部を観察した。

それが最後の2枚の写真である。

IMG_4700皮膚はほぼ予想通りに

創部を覆っていた。

ただこれが

売り物となれば

この創面の残傷が

どれだけマイナスポイントになるかは

IMG_4701想像がつかなかった。

今思えば

治療の途中の3診目あたりで

創部の皮膚を寄せる縫合ができたかもしれず

そうすればもっときれいに

跡形もなく仕上げる事ができたかもしれない。

ただし縫合すれば

たとえ吸収糸といえども

長いあいだ異物が体内に残ることになる。

縫合しなかった今回の治療では

異物は一切ない形で済ませる事ができた。

本当はどちらが良かったのか・・・

それはさらに今後の経過によって検討されて

反省点を見出すことになるだろう。

症例は「一期一会」

今回の症例が少しでも

今後の参考になれば幸いである。


(この記事終わり)


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デブリードマン(2)

オムツを腹壁に縫い付け、

さらにその上にガムテープを貼って、

そのガムテープも腹壁に縫い付ける、

という苦し紛れの処置。

創傷部の壊死が広範囲に及び、

デブリードマン(壊死組織の除去)をした部分が、

想像以上に多く、

おまけに腹圧も強い箇所だったことから、

そんな外科的処置になってしまった。

数日後

IMG_4433心配だったので

◉さんの牛の様子を見に行った。

最大の懸念は

縫い付けたオムツとガムテープが

外れてしまっていることだったが

BlogPaintそれは大丈夫だった。

牛は腹部を気にして

頻りに振り返って

違和感のある様子だった。

それから

2週間が経った。

再び連れて来られた牛は

相変わらず元気だった。

縫い付けたオムツとガムテープは

◉さん考案の腹巻きネットの補強もあって

何とか外れずに着いていた。 

牛を手術台に寝かせて

創部のオムツを剥がして行くと 

意外や意外・・・

IMG_4490新しい結合組織(皮下組織)が

筋層を隈なく覆い

皮下組織だけの

平坦な創面になっていた。

前後の幅も狭まりつつあり

創の修復が着実に進んでいた。

IMG_4493私はその創面を

水道水で良く洗い

再びキトサンイソジン液を含ませたオムツを当てて

それを腹壁に縫い付け

さらにその上からガムテープを貼り付けて

IMG_4496それも腹壁に縫い付けて

牛を覚醒した。

さらに今度は

その上から

ヘルニア整復のときに使う腹巻ネットを装着し

IMG_4498オムツとガムテープが外れないように

万全を期す処置をした。

◉さんにはまた

抗生物質を毎日注射するように指示し

牛が帰るのを見送った。

IMG_4503私はこの時点で

これはきっと

きれいに治癒するのではないか

という思いが湧いてきた。

「この牛を治して売り物にしたい。」

という◉さんの期待に

応えられそうな気がしてきた。


(この記事もう少し続く)



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デブリードマン(1)

「生後8ヶ月になる和牛のお腹が腐ってきた・・・」 

そんなおかしな電話が掛かってきた。

電話で話していてもよく分からなかったので、

実際に◉さん宅へ行って見ると、

何やら壊死したものが、

腹部にぶら下がっている。

覗くと悪臭が漂って来た。

「半月くらい前に、隣のペンの牛が発情してて、そいつに乗っかろうとして柵を跨いだのよ・・・」

「半月も前に?」

「あぁ、たいした怪我もしてないなーって思って、そのままにしてたら、なんか変で・・・」 

牛は非常に元気が良く

ぶら下がった物に触れたら足が飛んできそうだった。

「これは・・・ここじゃ何もできないから、手術室に連れて来て。」 

ということで

連れて来られた和牛に

鎮静をかけて手術台に寝かせ

仰臥で創部を良く見ると

深い切創が

約90cmにわたって横断し

強い悪臭が漂って来た。

先ずは

壊死した組織を切除。

牧柵と体重による深い切創で

出血も少なかったらしく

怪我をした日から何の手当てもなく 

2週間が経過している。

切創に伴う壊死は

腹斜筋を突き抜けて腹横筋の一部まで達していた。

IMG_4396しかし、幸いなことに

腹膜には達しておらず

腹膜炎は免れていた。

「とにかくこの黄色く変色した壊死組織を剥がそう・・・」

デブリードマン(壊死組織の除去)である。

デブ・リードマン・・・!?

ずいぶんと変な専門用語だが

これは英語ではなくフランス語から来ているらしい。

どーりで変な言葉だと思った(笑)

IMG_4404ともあれ

最初私は

治療方針として

デブリードマンした後

創部を糸で縫合しようと考えた。

壊死組織は広範囲に及び

IMG_4405デブリードマンして行くと

創部の幅がどんどんと広がって

20cm以上の広い切創になった。

最初の方針として

ここに糸をかけて

創部の前後を寄せようとした。

IMG_4414ところが

壊死組織から正常組織に移行する部分に

縫合の糸をかけても

組織がすぐに千切れてしまい

縫合する事ができない。

たとえ縫合ができたとしても

IMG_4416数日後には

腹圧で開いてしまうのが容易に想像できた。

「縫うのは無理だね・・・」 

私は縫合をあきらめた。

方針を変更した私は

IMG_4419デブリードマンした創部を良く洗い

キトサンイソジンを塗ったオムツを

創全体に当て

そのオムツを腹壁に縫い付ける事にした。

さらにそのオムツが汚れないように

IMG_4424ガムテープでオムツを覆い

そのガムテープも腹壁に 縫いつけた。

「これでしばらく様子見るしかないね・・・」

私は◉さんに

この牛にはこれから

抗生物質(ペニシリン)を毎日打つように指示し

IMG_44262週間経ったらまた連れて来るように

と言って

牛を覚醒させた。

牛と◉さんはトラックに乗って帰って行った。


(この記事続く)


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川柳でウイスキーをGET♪

「FMウイング(おびひろ市民ラジオ)」で、

いま人気上昇中の、

「金曜ポコペン」(金曜日・12:00〜15:00) という番組がある。

とてもおバカな番組で、

メインパーソナリティーの源さん(B♭M7のマスター)の、

軽快なしゃべりが面白いので、

ついつい聴いてしまうのだが、

その14時台後半に、

川柳のコーナーがある。

先日の勤労感謝の日はスペシャル番組が組まれていた。 

名づけて「金曜ポコペン川柳合戦」というもので

よく聴いてみると

集まった投稿作品の中から

最優秀に選ばれた一句の作者に

ウイスキー(バレンタイン12年)が当たる!

という特別企画だった。

お題は、勤労感謝の日に因んで

「ありがとう」

だという。

私はこの日

たまたま仕事だった。

いつものように

何気なく携帯のアプリで

インターネットのFMラジオを聞いていたら

投句〆切りが午後2時までだという。

この日の仕事は結構ヒマで

時間があったので

ちょっと川柳でも

と、考えながら

仕事を続けることにした。

この日はとても良い天気で 

十勝地方は広い青空に

まぶしい雲が浮かぶ

いわゆる十勝晴れだった。 

そんな景色を見ながら


 ありがとうを電波に乗せて十勝晴れ    豆作


という一句が出来た。 

事務所に帰って

携帯電話から

fm761@fmwing.com

あてに投稿。

それからカルテを書いて

14時半頃に 

ふたたび携帯のアプリを入れて

IMG_4643しばらく聴いていたら

いよいよ最優秀作品の発表となり

ドラムロールが鳴り始めた。

そして、なんと

私の作品が読み上げられたではないか!

IMG_4644私は思わずガッツポーズをしてしまった(笑)

その数日後

賞品のバレンタイン12年を手にしたのだが

そのボトルには

源さんをはじめ

IMG_4642FMウイングのパーソナリティーの皆さんの

直筆サインが

所狭しと書かれているばかりではなく

ポトルの入った箱などにも

メッセージが書かれていて

IMG_4646さらに

FMウイングのステッカーや

ハガキなども入っている

心温まるブレゼントだった。

勤労感謝(!?)の気持ちを

思わぬところで

思わぬ方々から

いただくことができて

とても嬉しかった♪

IMG_4645さて

このボトル

いつ開けて飲もうかな・・・

何か特別の嬉しい日が

将来に来ることを願って

その時のために

しばらくは開けずに

とっておこうと思う。


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ホル仔牛の右中足骨骨折(3)

外固定による骨折整復の一番肝心な、

1回目のキャストを巻くときに、

骨折部位の変位を触診して、

ズレを直すという作業を、

丁寧にしなかった・・・

そのせいでX線写真を見たときガッカリしてしまった・・・

085E10B6-BBE5-44E8-996E-C4A4F91988C9という今回の右中足骨骨折だった。

整復した獣医(私)はヘタクソだった。

しかし

仔牛のほうは

2F90979E-087A-42AD-8BCF-9EEE974CE3E6順調に回復していった。

2回目のキャストを外したのは

骨折してからちょうど4週目だった。

再び鎮静をかけて

ギブスカッターでキャストを切ってゆくと

B054AFF2-11CC-4998-B016-E1118E7A16BCパカッとキャストが割れて

簡単に患肢を露出する事ができた。

そのまま仔牛を覚醒させると

しばらくは

急に軽くなった患肢を持ち上げたまま

36449433-7ADD-4F0C-A984-A900EC4BAD1A着地することができなかったが

これはいつものことである。

撮ったX線写真は

まだズレはあるものの

3DC3622C-5006-4D3F-8B0D-077F941590D3そのズレた部分を

覆うような骨増生が確認された。

こうなってくればもう大丈夫である。

それからさらに2週間後

09FCA87C-D85A-4908-8CCE-E7859162CB3E仔牛の足を確認したら

ほかの仔牛と

何ら変わることなく哺育されていた。

今回の骨折治療を

振り返って見ると

ストッキネットは非常に使い勝手が良かった。

今後は、もう

仔牛の四肢の骨折は

下巻きの綿は不要!

アルミホイルも不要!

ストッキネットの二重巻きだけ!

で、その上からキャストを巻いただけで

スムーズに整復できる。

という事を

実際にやってみて

確認することができた。

そして

もっとも注意すべき事は

1回目のキャストを巻く時に

骨折部位の整合を

触診しながら

細心の注意を払って

丁寧に行う

という事も

反省点として挙げることができた。

骨折の治療の

頻度はあまり高くなく

我々十勝NOSAIの診療所の獣医師であれば

1年に1回〜数回程度であると思われる。

その頻度の低さが

骨折治療の技術の進歩を

遅らせて来たと言ってよいかもしれない。

実際まだ私もこの技術については

ヘタクソで経験が乏しい。

そうであれば

貴重な骨折治療の機会に遭遇したときは

記録を残し

ちゃんと検証をしておかなければならない

と言えるだろう。


(この記事終わり)


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ホル仔牛の右中足骨骨折(2)

ストッキネットと、

F72408C5-DFCB-479B-A834-82B96A16F49Aエバウールシートを買っておいて、

いつ骨折治療の依頼が来てもいいように準備をしていた、

今回の仔牛の中足骨骨折。

道具はほぼ最新の物をそろえていたわけだが、

E11CB630-AC91-40DE-8095-AB803AFDF4FA肝心の、

整復技術のほうがイマイチで、

相も変わらず、

詰めの甘い方法だったせいで、

整復後の骨折部位の、

左右のズレが大きいままでキャストを巻いてしまった。

それは前回の記事で書いたとおりである。

その写真をもう一度ここに載せておく。

BA86BE21-AC2E-4990-A923-EA9BF3782F54やはりかなりのズレである・・・

これほどのズレは

巻き直したほうが良いのではないか・・・

という考えが頭をよぎったか?

というと・・・

実はそうでもなかった。

私はむしろこの写真を見て

この程度のズレは

巻き直さなくてもきっと治るはずだ・・・

というふうに考えていた。

なぜそのような楽観的な考えをしたかというと

それは

私の乏しいながらも

仔牛の骨折の治療をしてきた経験が

そんな考えに至らしめたのであった。

A1406419-CF6A-4744-B325-EE5A0D020C6Dこれは決して自慢できるような事ではなく

技術のヘタクソな私のようなものが何を言うか!

とお叱りを受けても仕方がないことでもあるのだが

過去の経験的には

今回の骨折よりももっと大きくずれた症例でも

AB3EB64E-1C50-4518-9857-4537A01DACD2骨の融合さえ順調であれば

問題なく治ってしまったことが幾度もあった。

こんな事を書くと

単なる自己弁護の言い訳にしか読めないが

E3ECF06A-AE56-433E-A709-44F9B68A15C3今回もきっと治るだろうという

変な確信があった。

1回目のキャスト巻きから14日後

すなわち第14病日

D492A78E-EFF4-425B-865D-C949E11E9C97α牧場でキャストを外した。

ストッキネットのみで

それ以外の下巻のない患部は

ギブスカッターでキャストを切ると

パカッときれいに外すことができた。

BlogPaint患部の擦過傷もほとんどなく

骨融合も順調だった。

ほぼ予想通りの経過に

私は安心した。

そして

再びエックス線写真を撮影し

E250AA44-BD70-461E-AB78-13E5044F7BC9それを隣町の事業所へ持ち込み

現像機から出てくる画像を待った。

その写真が左の写真。

前後方向の融合はほぼ問題なく融合が進んでいる。

0306B957-DF37-4164-BE8B-52CB04197C52問題の左右方向の骨の融合は・・・

うーん・・・

やっぱりけっこうズレている

が、よく見ると

骨のズレを埋めるように

新しい骨組織が造成しているのを

確認することができた。


(この記事もう少し続く)



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ホル仔牛の右中足骨骨折(1)

「仔牛の後ろ足が折れているみたい・・・」

久しぶりの骨折治療の依頼だった。

骨折の治療はここ1年近くしていなかったが、

次の依頼が来る時のための、

準備はしておいた。

F72408C5-DFCB-479B-A834-82B96A16F49A我が畏友

NOASI日高のhig先生お薦めの

ストッキネットとエバウールシートを買い

いつか必ず依頼の来るであろう骨折の治療に

E11CB630-AC91-40DE-8095-AB803AFDF4FA備えておいた。

そしていよいよ

その時がやってきた。

私はそそくさと骨折治療グッズと

エックス線撮影装置も車に載せて

α牧場へ向かった。

従業員君の言う通り

右後肢が異常に曲がり

中足骨骨折は明らかだった。

「お産で引っ張ったの?」

「いえ。引っ張ってないです、生まれたときは普通でした。」

「じゃあ、親に踏まれたのかな・・・」

「はい。たぶん。」

4563924A-BFFF-47B3-AFFE-1A2F5620F034こういう場合は

骨折部の周囲の組織は

お産で引っ張った時の骨折に比べると

比較的ダメージが少ないので

治癒する可能性が高くなるようだ。

DD3A93EA-6A41-41CA-8E07-B92717BEDA41私は早速骨折治療を開始した。

まずは鎮静をかけて

用意したストッキネットを適当な長さに切って

それを二重に患部に履かせる。

それからエバウールシートを適当な大きさに切り

55159604-326F-47CB-99D4-AB94384C124D繋ぎの部分に巻き付けて

そこへさらに長く伸ばした包帯をまきつけて

その包帯り端を持って患肢を牽引する。

ギューッと牽引して

骨折部位の変位をできるだけ少なくして

452A5195-0295-4802-9FFB-39C2A03D9924そのままキャストを巻き付けてゆく。

下巻きは必要がなく

ストッキネットの上をころころと転がすように

キャストを巻いてゆくだけでよい。

巻いたキャストが乾くのを待って

70F05744-F222-4EDA-9616-06D278C85346処置はあっという間に終了。

久しぶりの処置にしては

スムーズに終了した。

そして最後に

患部のエックス線撮影をして

6EC29DCD-ABA1-46BD-968F-74C2AF4CCFEA帰路についた。

(ほぼ、完璧かな・・・)

などと

帰りの車の中で

自画自賛のつぶやきを発しつつ

隣町の診療所にエックス線画像のデーター化を依頼して

その画像が送られてくるのを待った。

その日の夕方

患部の画像が送られてきた。

それが左の写真。

964C18D8-08DE-477D-A785-2F9024A90C36前後方向の骨のズレは

ほぼ整復されていた。

長軸方向の軸のズレも

ほぼ真っすぐに整復されているようだった。

ところが・・・

2枚目の写真を見て・・・

私は愕然としてしまった。

BA86BE21-AC2E-4990-A923-EA9BF3782F54左右方向の軸が

まだまだ大きくズレたままになっていた。

あれほど強く患肢を牽引して

骨折部位の変位を整復したつもりだったのに

こんなにズレているとは・・・


(この記事続く)



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北獣会誌・今月の都々逸・・・

「安田さん。今月号の都々逸、誰かモデルになっている人いるんですかー?」

IMG_4608同僚のT獣医師が、

北獣会誌の今月号を読みながらそう言った。

「いや、まぁ、特定の1人っていうわけじゃないんだけどね(笑)」

今月号に載せた都々逸(どどいつ)とは以下の通り


 大動物の獣医さん

 
 〽︎硬い組織で

  冷や飯食らい

  辞めて貪る

  甘い汁

  仕事し過ぎて

  体を壊し

  いつか家族も

  遠ざかる〽︎


である。

IMG_4607雑誌に載った我が文芸に

反響があるというのは

嬉しいものだ。

ある特定の獣医師がモデルになっている・・・

というわけではないけれど

私の身の周りにいる

私を含めた複数の獣医師の現実を

唄っている都々逸であることは

白状しておこうと思う(笑)


「硬い組織で冷や飯食らい」

というのは大動物の獣医師の中の多くが、きっとそうである。


「辞めて貪る甘い汁」

という状況になっている獣医師も増えているようだ。


「仕事し過ぎて体を壊し」

これは組織を辞した獣医師ばかりではないかもしれない。


「いつか家族も遠ざかる」

という羽目になった獣医師は実際には少ないだろうけれども

十分にあり得ること(!?)

ではないかと思う。


「まぁ、最後の一節は、オチをつけたんだけどね。都々逸なんで・・・(笑)」

職場の同僚の獣医師にはそう答えておいた。

大動物の獣医師は

相変わらず不足していると言われている。

現役で働いている大動物の獣医師の皆さん

どうかこのような

「成れの果て(!?)」

にならぬよう

お気をつけください。


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腹壁ヘルニアか?と思われた1例

フリーバーンで多頭数の酪農家、

▲フアームで治療を依頼された牛の中の1頭は、

IMG_4319写真の様に、

腹部が異常に膨らんだ外見をしていた。

まず第一印象としては、

腹壁ヘルニアを疑った。

続いて、

可能性のある原因として、

乳静脈の破裂、

それによる腹部の大血腫なども疑った。

IMG_4320食欲はあり

起立するのにもそれほど問題ない様なので

この様な腹部の異常な膨らみを

「治療」してくれと言われても

正直言って

なす術がないのだった。

しばらく様子を見ていたが

その約1週間後に

起立不能になり

あっという間に死亡してしまった。

IMG_4321死亡したら詳しく解剖をして

膨らんだ大きな腹部が一体何だったかを

確認しようと思っていたのだが

この牧場で死亡する牛達は

普段、詳しく解剖できない業者が取りに来て

死亡した牛達を処理をしてしまうので

解剖をするタイミングを逸してしまった。

貴重な症例になりそうだったので

生前の写真を撮っておいたのだが

肝心な剖検所見を得ることができず

尻切れトンボになってしまった。

そこで、せめて

これをお読みの獣医師の皆さん

あるいは酪農家の皆さんに

こんな牛を見たことがあるかを

質問しておこうと思う。

生前の写真だけで判断するしかないのだが

いかがだろうか?


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マルちゃんVSペヤング(4)

北海道内のインスタント焼きそば市場において、

あいもかわらず、

性懲りの無い闘いが繰り広げられている。

マルちゃん「やきそば弁当」の強固な牙城へ、

ペヤング「ソースやきそば」がしつこく攻め続けている。

物好きな私にとっては

目が離せない

熱い戦いである。

ペヤング側の地味ながらも

ねちこい攻めを振り返って見ると

その先陣は

2年前の

衝撃的な「納豆やきそば」
に始まり

その半年後には

「基本バージョン」の

大手スーパー店頭での大量売り込み

さらに

数ヶ月前に見られた

前代未聞の「カレー+納豆バージョン」


そして

巨大なペヤング「ソースやきそば」の

「超大盛」バージョン

が現われたのは半年前のことだった。

その後しばらく

鳴りを潜めていたと思ったら

先日

ニューバージョンを近所のコンビニで発見してしまった。

その名は、ペヤング「海老」やきそば。

IMG_4506海老の大好きな日本人の

心をくすぐる

新しい焼きそばである。

さっそく衝動買いをして

その日のうち食べてみた。

IMG_4507下味がソース味ではなく

あっさりとした塩味で

強い海老の風味が 

麺全体を包んでいる。

一口食べてみると

IMG_4508・・・

これは何だろう(笑)

ちょっとポイントを外された様な

不思議な風味である。

焼そばはソース味だという固定観念が崩されてゆく。

IMG_4510舌触りはインスタント焼そばなのに

香りが強い割に姿の小さい子海老の「かやく」と

シンプルすぎるほどの塩味。

これは全く新しい体験と言わざるを得ない味だ。

海老と塩

IMG_4511その2点だけで攻めて来る

分かり易すぎる味。

噛んで含んで呑み込んで

完食する頃に感じたのは

美味いか不味いかということよりも

こうしてペヤングは飽くなき挑戦をしているのだ

という強い意志と

チャレンジ精神だけが

後味として

いつまでも残る

実にアグレッシブな焼そばなのだった。


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1日に2度の子宮脱整復

「追加で1頭診て欲しいんだけど・・・流産みたいなんだよね・・・」

往診先ではよくある追加の診療だった。

酪農家の〆さんの、

乾乳にしたばかりというその牛の陰部に手を入れた。

 「ああ、これはもう胎児が産道に来てる、出すしかないね。」

私は胎児の足を2本掴んで、

そこに産科ロープを付けて、

ゆっくりとけん引した。

予定日より約2ヶ月早い流産胎児は

すんなりと頭を出して

そのまま引き出された。

と、その後

胎盤が出てきたと思ったら

それに引き続いて

子宮が裏返って

ズルズルと出てきてしまった。 

「あらら・・・、子宮脱だ。」

胎児を引っ張り出した私は

そのまま

今度は子宮脱整復術へと

治療を切り替えて

半分以上脱出した子宮を押し戻し

車から整復棒を持って来て

それで子宮の反転を直し

ビューナー針で外陰部を巾着縫合した。

「流産した牛が、そのまま子宮脱になるなんて、珍しいね。」

「引っ張りすぎたんでないのかい・・・?」

「いや、そんなことないって(笑)、普通に引っ張っただけだよ。」

「こんなこともあるんだな・・・。」

この日はとても良い天気だった。

過去の私の経験を思い出しても

2ヶ月早い流産の牛が

そのまま子宮脱になり

それを治療したという記憶はなかった。

これはとても珍しいことではなかろうか・・・

写真に撮っておけばよかった・・・

診療帰りの車の中で

私はそう思いながら

写真を撮らなかったことを悔やんだ。

それにしても

子宮脱星を支配する子宮脱大魔王は

突然現れて攻撃を仕掛けてくるから

怖いなと思った。

そして

その日の夕方

時間は午後4時を回った頃

事務所に電話がかかって来た。

「⁂さんの牛が子宮脱だそうです・・・誰か行ってもらえますか?」

今日の夜当番の獣医師は

すでに別の家の難産に向かっているところだった。

「じゃあ俺、行きます。」

⁂さんは和牛の生産農家で

往診の依頼は滅多に来ないところだった。

そんなところでよりにもよって子宮脱。

そして私は今日

午前中にも子宮脱整復をしたばかりだった。

子宮脱星の大魔王は

本当に何をしてくるか解らない・・・

IMG_4538⁂さんの牛は

牛舎で仔牛を産んだ後

そのまま立てずに子宮脱になっていた。

「まず、牛の腰にハンガーを掛けて吊り上げるから。」

⁂さんにリフトを運転してもらって

IMG_4540私は持参したハンガーを牛の腰に装着した。

「もう1人、手伝ってくれる人いるかな?」

「今、うちのやつ呼んだからすぐ来るよ。」

「じゃあ、ぬるま湯をバケツに2杯汲んで来て。」

私はそう言いながら

カッパを着て手袋を履いて

IMG_4543子宮脱整復のスタイルになった。

狭い牛舎の中に小型リフトを入れてもらい

ハンガーをゆっくりと吊り上げた。

奥さんがやって来たので

持参した整復用の板を

⁂さんと2人で持ってもらい

IMG_4544その板の上に

脱出している子宮を乗せた。

親牛の怒責はそれほど強くはなかったが

何度か押し戻されそうになりながらも

子宮を腹腔内に戻し入れ

さらに子宮脱整復棒を挿入し

IMG_4545子宮の反転を取り除いた。

子宮脱整復棒は

本日2度目の出番だった。

その後ビューナー針で

外陰部を巾着縫合した。

IMG_4547ビーューナー針も

本日2度目の出番だった。

その後

牛を吊っていたハンガーをゆっくりと下ろした。

この牛は初産で

⁂さんが昼間畑に行っている間に

誰の介助もなく自力で産んでいたという。

やや衰弱している親牛の採血と

若干の補液をし

仔牛にも栄養剤の注射をして

私はようやく

帰路に着いた。

暗い夜道には星が瞬き始めていた。

そのどこかに

大魔王の支配する子宮脱星も

不気味に輝いているのだろう・・・

翌々日

血液検査の結果が来た。

血中カルシウム濃度は

9.2 m/dl  

・・・正常値だった。

「子宮脱の牛は低カルシウムになっている」

という私の仮説は

あっさりと否定された。

子宮脱大魔王の

笑い声が

聞こえて来た様な気がした・・・


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鈴木牛後さんの角川俳句賞受賞作(3)

引き続き、

牛後さんの受賞作の残りの18句を鑑賞させて頂く。

IMG_4532読み進んで行くと

身近などんな物にでも詩情を汲み取って

それを俳句にしてしまう力に驚いてしまう。

感銘を受けるばかりではなく

とても勉強になる作品群だ。


 牛糞を蹴ればほこんと春の土

野に排泄されてそのまま天日に晒され続けた牛糞は、発酵し乾燥してほこほこになっている。放牧地にはそんなた牛糞が沢山あって、自然に春の土に還ってゆく。きわめて合理的な農法である。


 横臥せる牛みな午の目をして春

午前午後の「午」の字は「ひる」とも読む。のどかな昼の牛の目を詠んでいるが、この字は十二支の「うま」とも読む。牛の目なのにウマの目?という機知に富んだ一句。


   草青むはやさに歩む牧支度

北海道の草は雪解を待っていたかのように、一気に青くなって来る。その速さに遅れないように放牧の準備をする作者の、心はやる足取りが見えるようだ。


 菜の花に畑いちまいの膨らみぬ

畑作農家ではキカラシという黄色い菜の花の一種を咲かせて、それを鋤き込んで緑肥とすることがある。道北の畑にもそんな畑があったのだろう。


 それぞれの青を雲雀と風と牛

雲雀が鳴き始めると春もいよいよ本番。空をあえて青と表現して、印象鮮明。


 牧場を山と呼びたる夏の雪

北海道では五月になって雪が降るのは珍しいことではなく、暦の上では夏であるから夏の雪である。五月に雪化粧をするような牧場は山と呼ぶにふさわしく、実際そう呼んでいる地域は沢山ある。


 星の鳴る夜空だ遅霜は来るか

五月下旬に遅霜が降ると、畑作物の芽がことごとくダメージを受ける。放射冷却現象が起こる快晴の夜空の星があたかも鳴るように怖ろしく輝いているというのだ。


 牛糞の苦さを漱ぐリラの風

牛を扱っていると牛糞を浴びて口の中に入ってしまい口を漱ぐ羽目になることがある、私もよく経験する。リラの咲く頃の牛糞は、牛が食べる青草の成分の色素が濃く、味もえぐいのだ。糞ばかりではなく尿もまたしかり。


 発情の牛たからかに牛の朱夏

牛の発情は1年中見られるが、放牧酪農の場合は、青草の豊富な五月頃に仔牛が生まれるように調整する所が多いで、発情と種付け(授精)はその約9カ月前の「夏の暑い盛り」に「交り」が集中する。


   電気鞭音なく振るふ青葉騒

電気鞭を使うとビチッと微かな電気音がするのだが、音なく振るうというのは使うマネだけをして牛にいうことをきかせているだろうか、青葉の騒ぐ風の中で牛を追う作者。


 遠くばかり見て夏草を踏む仕事

さらに牧場で牛を追う作者は、遠くにいる牛やその周囲の状況まで、観察の眼を緩めない。放牧酪農家の重要な仕事。


 美味き草不味き草あり草を刈る

採草地の場所や刈る時期や収穫日の天気によって、牧草の味は毎年色々変わるようだ。それが美味しいか不味いかは牛の食べっぷりで判り、食べた牛の泌乳量に反映し、作者の収入に直結する。


 トラクターに乗りたる火蛾の死しても跳ね

農機に乗る仕事の合間でさえも、貪欲に詩情を拾い続ける作者の、句集「暖色」には「震へる機械震へてのぼる秋の蜘蛛」というのもある。


 我が足を蹄と思ふ草いきれ

時には、牛と自分が全く同じ生物であるように感じる時があるのだろう。牛飼いならではの感覚だと思う。


 蝦夷梅雨の馬具は革へと戻りたき

牛革で造られた馬具が、湿気で緩んで元の革のようになったのを、こんな擬人法で表現する力に驚かされしてまう。


 炎天にくわわと山羊の糞小山

これも作者の耳の鋭さと擬音表現力が見事、山羊の声はメェーばかりではないのだ。


 干草の深さを猫の眠りけり

牛舎は猫のオアシスだ、獲物の鼠や雀もたくさんいるし、良い香りの暖かな寝床もたくさんある。


 糞踏みしタイヤの炎ゆる黒びかり

牛糞堆肥をトラクターで混ぜ返しているのだろうか。糞尿の句は受賞作50句中に5句もあり、1割が糞尿の句で角川俳句賞とは凄い。家畜の糞尿が全国区になった思うと嬉しくなってくる、畜産万才。


以上

私なりに一通りの鑑賞をさせて頂いた。

酪農家の牛後さんが詠む俳句は

とても身近な題材なので

すいすいととても楽しく味わうことが出来た。

しかし、何度も良く読んでいると

身近な題材の楽しさばかりではなかった。

牛後さんの

何でも詩にしてしまう感受性と

その詩情を多彩な表現で

色々な俳句に仕上げてしまう力に

驚愕してしまった。

これはもう

「天才!」

としか言いようがない

と思った。

牛後さんこのたびは

誠におめでとうございます!


(この記事終わり)
 

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鈴木牛後さんの角川俳句賞受賞作(2)

引き続き、

IMG_4532鈴木牛後さんの受賞作を鑑賞したい。

読んでいると、

その面白さにどんどん引き込まれるのだが、

その内になんだか、

鈴木牧場へ往診に行っているような気分になってきた(笑)。


 飴包む手を包むぼつこ手袋

ぼっこ手袋とは親指だけ離れたいわゆるミトン。飴を包む手というとと子供の手を想起して可愛らしい。


 ちやりぢやりとタイヤチェーンの鳴る初荷

酪農家の初荷は生乳である。正月に集乳車がチェーンを鳴らし手やってくる雪深い地帯なのだ。「ちゃりぢゃり」という擬音効果に脱帽。 


 ああ言へばかう言はれたる三日かな

ご夫婦の会話だろう。酪農家夫婦の仕事中のちょっとした言争い にはよく遭遇するが、なにかと忙しい正月は、特に奥さんのストレスが大きいだろう。


 牛の尾を引き摺るやうに寒波来る

立っている牛の尻尾は体高より短いので、引き摺られることは無い。強い寒気の風が牛の尾に当たって、それを引き摺るように吹いているのだろうか。 それとも寝ている牛の尾なのだろうか。


 心臓の胸に囚はれたる寒夜

寒中の朝夕の仕事は、手足の先が冷え切って、口も凍れて回らなくなって来る。不思議な表現だが、そんな状態を的確に描いているように思えてくる。 


 牛産むを待てば我が家の冬灯

私の拙句「牛産むと二十三夜を灯しをり」と読み比べてほしい、と思った一句。 


 雪の汽車吹雪の汽車とすれちがふ

宗谷本線の上下線がすれ違う。作者はどちらの汽車に乗っていたのだろうか、それとも外に立って汽車の待ち合わせとすれ違いを眺めているのだろうか。 


 大寒やキハ四〇にあづける背

暖かいディーゼル気動車の椅子に腰かけて、しばし仕事を忘れて背もたれに身をあずけた。具体的な「キハ四〇」が効いている。 


 農道をひたひた歩き春遠し

冬でも昼間の気温の上昇で、農道のアイスバーンには水たまりができる。その上をひたひたと歩いていると一瞬春を感じるが、実はまだ遠く、夜にはすぐバリバリに凍れてしまう。


 節分の牛舎へ雪の小さき階

家と牛舎までの間に僅かな段差があるのだろう。雪のない時は滑らないので、あえて階段にする必要はないほどの段差も、節分のころはツルツルの斜面になるので、雪を踏みつけて小さな階段を作っているのだ。


 仔牛の寒衣脱がせ裸と思ふ春

仔牛に着せる防寒着は、カーフジャケットという製品があるが、手作りのどてらを着せている家もある。それを脱がせた時に春を感じるのは、仔牛を育てている人ならではの感覚。


 杭打って山の眠りを覚ましけり

放牧酪農を実践している作者の、牧柵を整備する逞しい姿が見えてくる。まさに大地に杭を下ろし、山を呼び覚まし、牛を放つ。


 涅槃雪牛の舐めゐる牛の尿

喉が乾くのに水にありつけない牛は、泥や尿をすすって飲む事がある。牛乳の九割以上は水、牛に水分は欠かせない。この句の牛はまだ舐める程度で済んでいる。


 母胎めく雪解朧に包まるる

雪解靄(ゆきげもや)というよりも雪解朧(ゆきげおぼろ)と言ったほうが、スケールも奥行きも俄然大きくなる。それがあたかも母胎の様だという詩情。


 まひるまや陽炎を吐く牛の口

陽炎は地面から立ち上るのだが、牛の口から吐く息もそうなるとは知らなかった。よほど観察していないと分からないだろう。それとも比喩なのだろうか。


 雪解風蝶の欠片を翅と呼び

冬に死んだ凍蝶の欠片が残っていて、雪解風によって雪の上に見えてきたのだろうか。今年の蝶が出てくるにはまだ早い雪解の頃の風である。


 牛死せり片眼は蒲公英に触れて

死んだ牛の片眼に絞った表現が素晴らしい。最近はコンクリートやゴムマット等の上で死ぬ牛が多いので、蒲公英の上で死ねる牛は幸せな牛である。


 土筆野や起筆のやうに楡一樹

雪がすっかり消えた大地に土筆がびっしりと生えている。大きな楡も遠くに眺めると、それもまた大きな筆のように見えるのだ。


(この記事続く)


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鈴木牛後さんの角川俳句賞受賞作(1)

下川町の酪農家で俳人の、

IMG_4532鈴木牛後さんが、

第64回の角川俳句賞を受賞した。

あらためて「おめでとうございます」!

牛後さんは今や押しも押されぬ全国区の俳人であるが、

この受賞を契機にますますご活躍されることを期待している。

嬉しいことに

牛後さんが俳句を始めたきっかけとなったのは

当ブログであるらしい。

これは大変光栄なこと。

そこで私は牛後さんへのお祝いの意味も含めて

その受賞作を当ブログ上で鑑賞させてもらうことにした。

全国の俳人の方々ばかりではなく

当ブログを読んでくれる畜産関係者の皆さんや

畜産学部や獣医学部などで酪農を学んでいる学生の方々にも

ぜひ牛後さんの俳句を読んでいただきたい。

俳句という文芸の鑑賞としてばかりではなく

酪農や獣医関係の学術論文などを読むのとは

また少し違った勉強(!)

もできるのではないかと思う。



 角焼きを了へて冷えゆく牛と我

若い♀の育成牛の角切り(除角)作業は、最後に止血のための焼きごて当てて終わる。熱い作業であり、牛も嫌がって興奮して、しばらくは人間不信になる牛もいる、飼い主にとってはつらい仕事。


 仔牛待つ二百十日の外陰部

牛の妊娠期間はおよそ280日であるが、二百十日という秋の季題(立春から210日ころは災害厄日とされる)に掛けて詠んでいる。「外陰部」という用語が読み手の目を惹く。


 牛の乳みな揺れてゐる芒かな

放牧している牛が一斉に歩いて、乳が揺れている。秋風に芒(すすき)の穂も揺れている。


 秋晴の定位置にあるトラクター

どの農家さんもトラクターはいつもの位置に置いているようだ。仕事への気合が感じられる。


 秋黴雨犬小屋は木に繋がれて

秋の長雨は秋黴雨(あきついり)と呼ばれる。犬小屋は動かないように木に繋がれているが、そこに住む犬は放し飼いなのかもしれないが、ここ数日は長雨で小屋に入ってじっとしている。


 牛の名は女優の名前ゑのこ草

「ゑのこ草」は「猫じゃらし」とも言われる草。ホルスタインはカタカナの名前がついているので外国の女優の名かもしれない。オードリーとかキャサリンなどの名前が思い浮かんだが、いろいろ想像できる。


 秋草の靡くや牛に食はれつつ

放牧酪農ならではの風景。秋風に靡(なび)く草を食べている牛たちは、概ね健康であろう。


 紙擦れの音は子規忌のラジオより

ラジオから聴こえてくる紙の音が、この句を読んでいると、まるで正岡子規が病床で紙をめくっている音のように聴こえてくる。


 指を待つアンプル月光の棚に

おそらく繁殖関係の薬のアンプル剤ではないかと思う、月光に光っている姿は排卵促進剤を想像させる。
「指を待つ」という表現がうまいと思った。

 
 初雁や大曲りして天塩川

その年に初めて北方から渡ってくる雁、道北の雄大な風景が見える大きな一句。


 牧牛の自由は霧の柵の中

放牧している牛の自由は柵の中に限られた自由である。霧の濃くなる時期には、霧がさらに牛の自由を奪うのだろう。飼い主ならではの牛への思いが感じられる。


 初雪は失せたり歩み来し跡も

初雪に残された足跡がその日には消えてしまったということだけを詠んでいるのに、足跡とは言わず「歩み来し跡」と言ったことで、初心が遠のいた人生を振り返る気持ちが込められているようにも読める。


 短日や並びし牛の背なの波

日が短くなる夕刻には、牛が搾乳のために牛舎へ戻ろうと並んでいる。夕日を浴びて並ぶ牛の背が波のように見えるというのだ。


 ストーブを消せばききゅんと縮む闇

どんなストーブなのかわからないが、それを消すことで温まっていた部屋が冷え始める。「ききゅん」というオノマトペ(擬態語)によって寒い北国の夜の感じが伝わってくる。



(この記事続く)

 

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難産・双子の方程式

「⌘さんで難産なんですけと、行ってもらえますか?」

先日の往診の途中、事務所から追加の電話だった。

「了解。」 

「予定より早いお産で、逆子のようなんだけど、足が曲がっているそうです。」 

「了解。」 

私はそれを聞いて、

このお産はきっと双子だろう、

と想像した。

逆子で足が曲がっている

というのは

すなわち「臀位」のことで

お尻が産道を塞いでいて

2本の後肢の先端は母体の奥へ向いている。

そういう難産が双子だったのを

私は何度も経験している。

胎児が子宮の中で窮屈な格好をしているのだ。

さらに

「予定日よりも早い」お産

というのも

双子である可能性を高めている。

胎児が大きくなって子宮に入りきらなくなり

予定日まで持たないで出てきてしまうのだ。

双子であることの条件が整っているのである。

私の頭の中では

「臀位」+「予定日前」= 「双子」

という方程式が成立した。

⌘さんに到着して

手を入れて見ると 

産道に尻尾があった。

その胎児のお尻をまず強く押す。

さらに右手で飛節を強く押して

そのまま左手を入れて探ると

後肢の蹄に触れた。

左手でその蹄を握り

子宮壁に引っかからないようにしておいて

右手で何度も胎児のお尻を押す。

さらに右手で飛節も押す。

すると左手でつかんでいた後肢の蹄が

クルッと反転してこちらを向く。

1本整復したら

同じ要領で2本目を整復する。

「これで普通の逆子になったから、ロープを付けて・・・」 

胎児が逆子(尾位)で娩出された。

「きっともう1ぴき入ってるはずだから・・・」 

「双子かい?」

「こういう時はだいたい双子なんだよ・・・」 

私はそう言って

再び産道に手を入れた。

ところが

胎児を触ることができない

「おかしいな・・・」

「居ないかい?」

「居ないわけがないんだが・・・」 

私は手に触れている胎盤を握って

その胎盤を引っぱって 

胎盤の一部を娩出させたあと

もう一度手を深く挿入して

子宮の中を探った。

手の先に

胎児の飛節のようなところがコツンとあたった。

「あー居たよ、やっぱり・・・」 

「そうかい。」

私はさらに胎盤を引きつけながら

2頭目の胎児の飛節をつかんで引き寄せた。

胎児の2本の蹄がこちらを向いてきたので

その2本の肢にロープをかけて

⌘さんに引いてもらった。

ところがなかなか胎児が産道に乗って来ない。

「おかしいな、ちよっと待って・・・」

「・・・」

「あ、これは、1本前肢だ・・・」

「・・・?」

ロープをかけた胎児の

後肢のつもりだった2本のうちの1本には

腕節(前肢の手根関節部)があった。

私はその肢のロープを外し

その奥にあるもう1本の後肢に付け替えて

⌘さんに引いてもらった。

胎児の後肢が産道に乗って来た。

「そのまま引いて・・・」

2頭目の胎児が娩出された。

IMG_4487胎児は2頭とも生きていた。

1頭目は♂2頭目は♀のフリーマーチンだった。

「♂♀だったね・・・」

「でも生きててよかったわ。」

「やっぱり双子だった・・・」

「もう1ぴき入ってないかい?(笑)」

IMG_4488 2「そうか!・・・」

私は念のため

また子宮の中へ手を入れて

胎児を探った。

子宮の中には

胎児はもういなかった。


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リンゴの木に!?

往診先の酪農家△さんの、

牛舎の南側は日当たりが良いので、

数年前にリンゴの木が植えられた。 

その木はすくすくと育ち、

見上げるほどの大きさになっていた。

 先日その木をふと見ると、

大きな黄色い実が生っていた。

IMG_4471「生ったんだよ(笑)・・・」 

「おー、すごい。でも黄色!?」 

「リンゴだと思った?・・・」 

「じゃ、無いの?」 

「わかる?・・・」 

IMG_4472「え?・・・何だこれは。」

「何でしょう・・・(笑)」 

「黄色い!?」 

「ハローウィンだから・・・」 

近づいてよく見ると

その生り物は

ミニカボチャだった。

IMG_4471 2「カボチャかい!」

「そう(笑)」 

「カボチャの木かい !」 

「リンゴはまだなかなか生らないしね・・・」

「本当に木に生ってるみたいだ(笑)」

よくよく見ないと

どうやって付けたのか

全くわからなかった。

「よくやるね、こんなこと(笑)」

「暇だったもんだから、こんなことばっかりやってるよ・・・(笑)」

酪農家△さんは

主な仕事を息子に譲り

 自適な生活を送っている。

今年のコーンや牧草の畑仕事も

IMG_4474ひと通り終わり

良い天気が続いても

特にする事が無かったようだ。

酪農家が

天気の良い日に

暇になるというのは

良いことだと思った♪


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2頭の起立不能牛の比較

同じΔ農場で、

2頭の産後起立不能症を診療した。

この2頭の牛の耳標番号は1つ違い、

すなわちΔ牧場で続けて生まれた2頭だった。

生年月日はそれぞれ

A牛は、平成25年4月30日

B牛は、平成25年4月15日

誕生日が15日違いの牛同志だ。

この2頭の牛は、生まれてから

ほぼ同じ環境で哺育され

ほぼ同じ環境で育成され

ほぼ同じ環境で受胎して

ほぼ同じ環境で分娩し

ほぼ同じ環境で搾乳され

ほぼ同じ環境で再び受胎して

搾乳牛としての生活を続けていた牛同志である。

2頭の牛が先日

ほぼ同じ時期に分娩した。

A牛は平成30年10月5日分娩

B牛は平成30年10月12日分娩

488FE51B-B9F3-4CD3-925E-AAEBF0A58180両方ともお産の直後に起立不能になった。

どちらの牛も

初診の獣医は私だった。

A牛は

翌日に起立可能となり

そのまま普通の搾乳牛群に戻った。

ところが

B牛は

翌日も立つことができず

その後5日間治療を続けたが

結局立つことができず廃用となった。

両者の運命を分けたものは何か?

その最大の理由は

前回の分娩からの日数にあった。

A牛の前産は、平成29年9月2日

分娩間隔は、398日

B牛の前産は、平成28年8月21日

分娩間隔は、779日

約2倍の開きがあった。

623B87D2-AA8E-4BC2-8A41-D9737A603E92これだけの開きがあると

A牛とB牛の体型(ボディコンディション)は大きく違っていた。

どちらがオーバーコンディションだったかは言うまでもないだろう。

2枚の写真はいずれもA牛。

B牛の写真を撮っておけばよかったのだが・・・

ちなみに

血液検査において

差が見られた項目を書いておこうと思う。

A牛

Ca 3.5 、 NEFA 0.59 、Glu 124 、GOT 78

B牛

Ca 7.3 、 NEFA 1.38、Glu 76 、GOT 112

だった。

当然の結果

と言えるだろう。


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