北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

北海道獣医師会「文芸部」

北海道獣医師会誌の今月号に、

IMG_1371私の拙文が載った。

「支部リレー通信」という欄で、

今回は十勝支部の回り番になったようで、

先月、十勝獣医師会長のA部さんから

「何でもいいから、書いてくれ。」

と頼まれていたのだ。

支部の通信報告欄であるから

28年度の十勝支部の活動報告などを

簡潔に、さっと書くだけでいい

と、安易に引き受けたが

「何でもいいから、書いてくれ。」

などと言われると

書きたがり屋の虫がちょっと騒いで

つい、余計なことを

書き添えてしまった(笑)

書き添えた余計な事、とは

IMG_1372写真に撮った記事を

拡大して見て頂ければわかるのだが

文章の前半は

支部の活動報告。

その後に

蛇足として

余計なことの一つは

私と、敬愛する文芸派獣医師の頑黒和尚氏とで

毎年3月に札幌で開いている「575王国句会」についての宣伝と

その句会を発展させるために

北海道獣医師会「文芸部」の設立の

準備を始めたという事を書いておいた。

文芸部の設立準備などといっても

俳句や漢詩などの短詩文芸に興味を持っていそうな人の

自作品と連絡先を

メールで募集するだけである。

このブログ上でも、ついでに

俳句や漢詩などの短詩文芸に興味を持っていそうな

獣医師や獣医学生諸君にも

連絡先のメールアドレスを公開しておこうと思う


mocking@mint.ocn.ne.jp     安田豆作 宛て


でありますので

どうぞお気軽に作品を

豆作のほうへメールしていただきたいと思う。

どうぞ宜しく!

さらに

余計なことのもう一つは

IMG_11463月から始まった

北海道新聞紙上の

「新・うた暦」のコーナーの宣伝。

これは道内の俳人5人と歌人3人による

俳句と短歌の鑑賞文を

リレーで回すコラムのコーナーで

私はその執筆者の中の1人で

IMG_1249月曜日を担当している。

こちらのほうも

ぜひ、毎日

チェックしていただけると

とても嬉しいです!



人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。






東北海道現代俳句交流会・帯広句会

最近、私が楽しみに通い始めた句会がある。

東北海道現代俳句交流会・帯広句会、

というもので、

偶数月の第2日曜日、

帯広市内の藤丸デパート8階・市民交流センター研修室、

午後1時から4時頃までの約3時間、

たっぷりと現代俳句を堪能できる句会である。

この句会が面白くて、

ちょっと病みつきになりそうなのである。

その訳は、

句会をする面子と、その内容である。

まず、この句会の代表の

png鈴木八駛郎
(やしろう)さんは

東北海道現代俳句会長で、金子兜太主宰「海程」同人。

また、この句会に必ず見えるのが

IMG_1369 3山陰進
さんで

北海道の現代俳句の草分け的な俳句雑誌「氷原帯」主宰。

そしてこの句会の世話人をされているのが

IMG_1370粥川青猿さんで、句集「冬の象」で道新俳句賞、十勝文化賞と

立て続けに受賞され、今北海道で最も注目されている俳人のひとりだ。

青猿さんは俳句雑誌「樺の芽」の主宰でもある。

この3名の先生方は

十勝の現代俳句のビッグ3と言える人たちだと思う。

IMG_1322この3人の方と一緒に

隔月で必ず句会ができるというのは

実はとても幸運なことで

こんなチャンスを

みすみす逃す手はないのである。

その句会の内容は当然

いわゆる花鳥風月には拘わらず

自由度の高い、なんでもありの

バリバリの現代俳句の句会である。

IMG_1366句会の進行も

披講(句の紹介)を簡単に済ませて

それぞれ互いに選句した後は

作者名の名乗りなどは後回しにして

その前に延々と

1句1句に対する鑑賞と批評

そして、それについてのディスカッション

に多くの時間が費やされる句会

というのもまた、刺激的である。

私がいつも出ている

伝統俳句系の句会とは

一と味も二た味も違う句会で

とても新鮮で勉強になる句会なのである。

先日、私がこの句会に投句して

そこそこの評価を受けた一句は


 春風に動き始めし池の中   豆作


お題「縦」では


 縦長に座る社員の春愁ひ   豆作


だった(笑)

私自身はもちろん

地元十勝の若い世代の

俳句に興味を抱いている方々にも

是非この句会に参加して

多くの刺激を受けて欲しいと思って

色々な人にお誘いの声を掛けているところだ。

先日は

帯広在住の30代の若き俳人

三品吏紀
さんも2度目の参加をしていた。

彼も、この句会の面白さに気づいているようだった♪

この記事をお読みの、あなたも

少しでも興味のある方は

私と一緒に

この句会に出てみませんか?

面白いですよー♪


人気ブログランキング


IMG_2775




 





 

仔牛の下顎の腫れ(毎度!)

すっかりお馴染み(!?)、

IMG_1205となった仔牛の顎の腫れ。

そのほとんどは、

口腔内の細菌が、

歯肉(はぐき)に感染して、

それが歯肉深く侵入し、

IMG_1207下顎をぷっくりと腫らして膿瘍になる。

私の記憶の中ではすべてが下顎で、

上顎が腫れた仔牛を見た憶えがない。

下顎が好発部位であるようだ。

なぜそうなのか?

IMG_1210それはまだよくわからないが

牛の下顎とその周辺には

細菌感染しやすい構造と

その後の

膿瘍を形成しやすい構造が

IMG_1213きっとあるのだろう。

今回の腫れも

その例に漏れぬ

典型的な下顎の膿瘍だった。

穿刺をして

IMG_1217膿瘍であることを確認し

そのまま頭部を保定して

メスで切開。

中の膿汁を絞り出して

軽く洗浄して

IMG_1219抗生物質を投与して

創部はそのまま開放して

終了。

後日

綿棒に採取した膿瘍の

細菌検査の結果が送られて来た。

αーstreptococcus(レンサ球菌)

BlogPaintが検出された。

仔牛に限らず

牛の体にできた膿瘍を

出来るだけ綿棒で採取して

細菌検査に出すことにしているのだが

症例数がそれほど多くないので

なかなかデーターが集まらず

牛の体表の膿瘍における

感染細菌の菌株の傾向

というものは

まだなかなか掴むことができていない。

っても、まぁ

傾向など掴めなくても

特に困ったことにはならないから

そうなっている訳なのだが。


人気ブログランキング


IMG_2775




 

ピアス(耳標)落ち牛

「子牛の耳から血が出てます・・・」

そんなFAXが、

和牛生産者の¢さんから送られて来た。

「縫ってもらいたいので、よろしくお願いします・・・」

いつもは

電話での往診依頼が来ることの多い¢農場だが、

この日ばかりはなぜか、FAXによる往診依頼だった。

FAXの印刷でそう言われてしまえば仕方がない、

縫合の準備を完璧にして¢農場へ向かった。

「耳標が取れちゃったんです・・・」

「あー、ほんとだ。」

生まれてまだ数日の仔牛だったが

とても元気が良く

捕まえることさえ大変な

IMG_1324やんちゃ坊主だった。

耳標を付けたばかりなのに

その耳標を何かに引っ掛けて

引き千切ってしまったのだろう。

IMG_1325出血していた耳は

大きく裂けていた。

「このまま放っておいてもいいかなとも思ったんですけど・・・」

「こんな小さいうちから耳裂けじゃあねぇ。」

「そうなんです。このままずっとこんな耳では・・・」

「見た目が悪いと、いろいろね。」

「そうなんです。それに、耳標をまた付けなきゃならないと思うと・・・」

「ちゃんと繕っておいた方がいいですよねぇ。」

「そうなんです・・・」

耳を触られるのを嫌がる仔牛を

セラクタールで鎮静して

IMG_1326縫合に取り掛かった。

乾燥していた創面に

カミソリを当てて

剃毛を兼ねて新鮮創にし

IMG_1327角針で縫合した。

縫合を終えて

アンチセダンで鎮静を解くと

仔牛はたちまち元気になり

IMG_1328ロープを強く引っ張って暴れ始めた。

やはり相当なやんちゃ坊主である(笑)

耳標(ピアス)の落ちた牛は

親牛では良く見かけるが

IMG_1329それらはすべてそのまま放置されている。

それを一々縫合して繕うことは

私は、かつて一度も経験がなかった。

しかし

耳の裂けた牛は

どこか哀れな感じがする。

まだ小さな仔牛の時から

そんな哀れな姿で一生を送るのは

ちょっとかわいそうだと思う。

それに加えて

牛の個体を確認をする場合

耳の裂けた牛は

番号がわからないので

確認に手間がかかる。

牛の外見を良くするためばかりではなく

牛の管理の徹底のためにも

こういう耳の縫合の仕事は

もっとあってもいいのかな

と思った。


人気ブログランキング


IMG_2775

 






 

また乳房の出血かと思いきや(!?)

「乳房から出血してるみたいなんですけど・・・」

そんな往診依頼がまたやって来た。

(またか・・・) 

と思って、話を聞いたら、

今回はさすがに、♯牧場の牛ではなく、

♭ファームの牛だった。

♭ファームに到着して

出血をしているという牛を診ると、

今度の出血は

乳房表面を走る静脈からではなく

乳頭の損傷部からの出血だった。

IMG_1281右後の乳頭が

写真のごとく

縦に裂かれる様に

約10儷瓩損傷している。

しかし、損傷は

乳頭管まで達しておらず

この乳頭の生命線は守られているようだった。

「・・・うーん、縫ったらなんとかなるかなぁ・・・」

「これを見つけた搾乳担当の人が、そうしてほしい、って言ってました。」

「・・・いつ頃、見つけたの?」

「午前中の搾乳の時だそうです。」

「・・・じゃぁまだ、半日くらいしか経っていないね。」

「そうだと思います。」

「・・・んじゃぁやってみるか。」

「お願いします。」

「・・・それにしても・・・汚い乳房だねぇ・・・」

「そうですね。」

IMG_1282♭ファームの従業員君は

どこか他人事の様な口振りだったが

言われた事はちゃんとやってくれた。

損傷した乳頭に触ると

牛が嫌がって暴れるので

枠場に入れて治療をしたいところなのだが

IMG_1283この♭ファームには

枠場がない・・・。

仕方がないので

牛を壁ぎわに繋いで

フリーバーンの扉を寄せて来て

細長い三角形の中に牛を挟み

牛が尻を振らないように保定し

IMG_1284そこで鎮静剤をかけて

扉の外側にしゃがんで

そこから手を伸ばし入れて

乳頭の縫合をすることにした。

損傷部の汚れを洗っていると

この乳頭の乳房が

乳房炎になっていることもわかった。

「・・・乳房炎にもなってるから、ちょっと腫れてるね・・・」

「そうですか。」

「・・・縫ったところがちゃんと付くかどうかわからないよ・・・」

「そうですか。」

「・・・このあと、もっと腫れるよ・・・寝床も汚いしねぇ・・・」

「そうですね。」

「・・・抗生物質の注射も打つからね。」

「わかりました。」

相変わらず他人事のような従業員君だが

言った事はちゃんと理解してくれたようだ。

ともあれ

乳頭損傷の応急的な縫合を終えて

道具を片付けて

帰路に着いた。

乳牛を飼う場所が

スタンチョンの繋留から

フリーストールやフリーバーンのような

繋がない形式にする酪農場が増えた昨今

乳頭損傷の事故は

減って来たように思うのだが

最近はそれが

そうでもなくなったように思う。

その理由として

フリーストールやフリーバーンにおける

牛の過密状態

があるのではないかと

私は思っている。


人気ブログランキング


IMG_2775

 

なつかしき獣医師スタートの日

今から33年も前の話。

昭和60年、

4月1日の朝、

私はM別町農業共済組合の、

新規採用の新人獣医師として、

臨床獣医師としてのスタートを切った。

この日の朝、

診療所に初出勤した私は、

完全に二日酔いだった・・・ 

それはなぜかというと

3月31日の夜

いよいよ明日から社会人として働くのだなーと

胸を膨らませながら

軽く寝酒を飲み

布団に入ってウトウトしていたところへ 

玄関のベルが鳴った

と、思うまもなく 

鍵をかけていない家の中へ

その日の夜間当番だった獣医師のM川所長が

ドヤドヤと入ってきて

「馬のお産だから、すぐ起きろ。行くぞ。」 

と、叩き起こされて

そそくさと助手席に乗って

仕事へ向かったのだった。

馬屋のH坂さん宅に着いて

早速助産開始。

正常位であることは確認できているが

なかなか出てこないので

痺れを切らせたH坂さんと

手伝いに来ていたG嶋さんと

我々2名の獣医師とで

仔馬の足にロープをつないで

牽引介助を始めた。

初産の親馬で

牽引の途中に仔馬が止まってしまった。

仔馬の骨盤が引っかかり

ヒップロック状態になったのだ。

牽引していた4人は

ここぞとばかりに

渾身の力でロープを引いた。

ドッ・・・と

仔馬の下半身が全て現われた時

ロープを引いていた我々4人は

もんどり打って

寝わらの中に倒れこんだ。

「いやーきつかったな。」

「仔っこは大丈夫だべ?」

「オンつか?」

「いや、メンつだ。」

「良かった良かった。」

「まぁ、上がっていっぷくするべ。」

時計の針は午前0時を過ぎ

4月1日になっていた。

「あんたは、今度新しく来た獣医さんかい。」

「はい。」

「そうかい、まぁ飲みなさい。」

「あ、どうも。」

目の前に出されたガラスのコップには

大きなペットボトルから直接注がれた甲類焼酎が

なみなみと入っていた。

(飼主さんから出されたお酒はできるかぎり飲むべし)

そう教えられていた私は

コップに注がれた甲類焼酎をくいくい飲んだ。

H坂さんとG嶋さんはニコニコしながら

私のコップの焼酎がなくなる前に

すぐに注ぎ足してくれるのだった。

しばらくは

M川所長とH坂さんとG嶋さんの馬談義を聞いていた。

教科書に載っていない専門用語が飛び交い

その内容はほとんど理解できなかった。

そのうちに

焼酎が体全体に廻り始め

私の記憶はそこから曖昧になった。

ただ、最後に

ふらふらと酔いながら

IMG_1275心地のよい夜風の中を馬小屋まで行き

先ほど生まれた仔馬が立ち上がって

母馬の乳を探り始めたのを見たことだけは

よく覚えている。

IMG_1277そうして迎えた

4月1日の

朝の初出勤の朝礼は

完全な二日酔いだった・・・

IMG_1280というわけだ。

当時は

M別共済に加入していた馬は

900頭以上いた。

それから

IMG_132333年の歳月が流れ

現在

我が診療区域内で共済に加入している馬は

50頭以下になってしまった。

これからの

IMG_1330我が町の馬産は

そして

十勝の馬産は

どうなってしまうのだろう・・・


人気ブログランキング


IMG_2775








 

S木牧場さん!

北海道獣医師会雑誌の今月号に、

十勝の広尾町の酪農家、

S木牧場さんが紹介されていた。

IMG_1313「私の職場紹介」

というシリーズの記事だ。

執筆者は、

元十勝NOSAIの獣医師だったNさんで、

このS木牧場に嫁ぎ、そこを職場として紹介している。

私はかつて、Nさんとは

同じ診療所の同僚の獣医師として、

約5年間一緒に働いたことがある。

Nさんが現在の自分の職場

IMG_1310すなわちS木牧場で

主婦として

母として

そして獣医師として

頑張っている姿を

獣医師会雑誌の記事を通して

知ることができた。

読んでいるうちに

一緒に働いていた頃のNさんの面影と

往診に通っていた頃のS木牧場を思い出し

とても懐かしく思った。

IMG_1316と同時に

S木牧場が

多くの困難を乗り越えながら

現在に至り、素晴らしい酪農家として

さらに日々進化しつつあるということが

Nさんの文章の隅々から伝わってきた。

その文章は

理路整然としていて

堅実かつ謙虚

そして

地にしっかりと根を張った

酪農家としての自信と

獣医師としての自負が

至る所で感じられる好文章である。

興味のある方は

特に

酪農家の方々には

是非クリックして

全文を読んでいただきたいと思う。

この文章の中で

最も、私の心に響いたのは

「今後の北海道酪農に望むこと」

という章の中の

「欧米のやり方を真似しても成功しません。『日本の土と草で牛を飼う』を忘れてはいけないと思います。」

IMG_1312というNさんの言葉だ。

この言葉は

酪農家であり

かつ

獣医師である

Nさんだからこその

説得力があり

とても重みのある言葉だと思う。


人気ブログランキング


IMG_2775 







 








 

「稼げる農業」って何?

違和感のある見出しの記事が、

先日の道新に出ていたので、

思わず切り取ってしまった。

「生産・流通コストの引き下げや農地の大規模化などを進めて『稼げる農業』への転換を図る」 

IMG_1302と書いてある。

さらに

「政府は今年を「農業改革『実行元年』」と位置づける」

と書いてあり、

最後に

「が、現場の農業関係者からは実効性を疑問視する声も上がる。」 

と結んでいる。

私も

現場の農業関係者の端くれとして

今回の農業改革法案の

実効性を疑問視する声を上げる中の1人である。

いつも思うのだが

政府のこういう改革案は

昔からずっと

「コスト引き下げ」と「大規模化」

であり

従来通りのワンパターンだ。

過去をちゃんと振り返ってもらいたい。

「コスト引き下げ」と「大規模化」を

ずっとやってきた結果として

今の農業の姿がある。

それなのに、まだそれを反省することなく

従来通りの

「コスト引き下げ」と「大規模化」を

さらに進めようとしている。

今回の政策の目玉は

「農産物の流通構造の改革」

という所のようで

要は「農協改革」だ。

その中身は

農業経営の世話役を

農協から民間企業へ移し

民間企業が農業に参入できるように

制度を改革してゆくという内容である。

私が

現場の農業関係者の端くれとして思うのは

農協改革は結構な話ではあるが

それに代わって

民間企業が農業をやり始めたところで

「コスト引き下げ」と「大規模化」

ばかりを

相変わらず進めるのであれば

日本の農業はますます

衰退してゆくだろうということ。

「コスト引き下げ」と「大規模化」

というのは

工業や商業にテコ入れして

経営を回復させる方法である。

農業に対しても

この方法はある程度までは有効かもしれないが

農業の場合は

これが僅かでも行き過ぎると

直ちに悪い影響が生じてくる。

それはなぜかというと

農業は

工業や商業と違って

自然の中で生物を扱うものだからである。

工業や商業と違って

人間のコントロールの及ぶ範囲が狭いのである。

農業を

工業や商業と同じような方法で

「コスト引き下げ」や「大規模化」

をすればするほど

農業が自然環境から離れ

人工的な農業環境を作らざるを得なくなる。

ところが農業は

工業や商業に比べて

人間のコントロールの及ばない自然の力に頼る部分が多いから

人工的過ぎる環境の中では計算通りには行かず

想定していないことが次々と起こり

自然の大きな力によって

直ちに色々な弊害が生じてくる。

私が

毎日仕事で巡回している

酪農という農業の現場を例に挙げても

その弊害は明らかだ(↓)。

(酪農の大規模化による弊害についてはこのブログで何度も書いてきた。)

私は、何度も

繰り返し言おうと思う。

すなわち

農協の改革は結構なことであるが

農協に代わって

民間企業が農業に参入したとしても

「コスト引き下げ」や「大規模化」を

相も変わらず進めるのであれば

日本の農業は

今後ますます

衰退するだろう。


人気ブログランキング


IMG_2775 







 














 

マルちゃんVSペヤング

東洋水産(マルちゃん)の、

袋入りインスタントラーメンの話題が出たついでに、

インスタントやきそばのことを少し。

数年前から、マルちゃんのインスタントやきそば、

すなわち「やきそば弁当」の勢いが止まらない。

北海道限定販売であったはずの「やきそば弁当」が、

今や、本州のスーパーやコンビニにも見られるようになった。

それも「やきそば弁当」1種類ではなく、

b8d4002d色々なバージョンの「やきそば弁当」が、

北海道はもちろん、本州にも、

販売攻勢を仕掛け続けているようなのだ。

大盛り、デカ盛り、激辛、濃い目、たらこ、塩味、・・・などなど

様々な「やきそば弁当」ファミリーが

これでもかと、店の棚を占領するようになった。

その大攻勢の原因というか

引き金になったのは

本州のインスタント焼きそば界を牛耳っていた

「ペヤングソースやきそば」に

数年前に発生した

異物混入事件だったのは

まだ記憶に新しいのではないかと思われる。

その数か月後から、

マルちゃんの「やきそば弁当」シリーズが

やたらと沢山

スーパーやコンビニの棚にあふれるようになったのだった。

「ペヤングソースやきそば」の足元を掬うような

マルちゃん「やきそば弁当」の鋭い販売攻撃に

ペヤングはじわじわと負け続けて

シェアを減らしてしまうのか・・・

正直ちょっと

心配をしていた。

ところが

先日、何気なく

我が町のいつものコンビニで買い物をしていたら

レジの近くに

驚く光景があった。

なんと

IMG_1239「ペヤングソースやきそば」

が売られているではないか!

本州でしか買うことのできなかった

「ペヤングソースやきそば」が

地元のコンビニに堂々と登場したのだ。

しかも

さらに驚くべきことに

いつものペヤングのパッケージではなく

表に大きく「納豆」の文字!

IMG_1240「ペヤングソースやきそば」の納豆バージョンなのだ。

マルちゃんの「やきそば弁当」フアミリーも数々あれど

納豆のバージョンは見たことがなかった。

マルちゃんの東洋水産も、この納豆バージョンには

きっとびっくりしているに違いない。

ここ数年さんざん

北海道のインスタント焼きそばの雄・マルチちゃん、に

攻められ続けていた

本州のインスタント焼きそばの雄・ぺヤング、がついに

反撃の狼煙を上げたのだ。

私は思わずこの

新しい納豆ペヤングを数個カゴに入れ

家に帰って早速食べて見た。

IMG_1241納豆とソース焼きそばの

斬新なコラボレーションである。

乾燥した納豆が

かやくに加えられて

食べる直前にそれをふりかけ

IMG_1242納豆を混ぜるようにして

麺にソースを絡めてゆく。

納豆独特の香りはそれほど強くなく

麺に絡んだ納豆の粘り気が

口当たりをスムーズにしてくれる。

IMG_1243実に、新しくって食べやすい

「ペヤングソースやきそば」

の健在ぶりに

エールを送りたくなる

美味しいやきそばだった。

マルちゃんVSペヤング

IMG_1814これはまだまだ

見ごたえのある攻防戦

いや

食べごたえのある攻防戦が

続きそうな予感がする。


人気ブログランキング


IMG_2775 







 

ダブルラーメンとハイラーメン

袋入りのインスタントラーメンは、

私のような昭和30年代生まれにとって、

切っても切れない、

深い関係にある食品ではないかと思う。

インスタントラーメンと、

我々の世代の日本人は、

共に育ち、

共に成長してきた、

と言ってもいいと思う。

その長い歴史(?!)の中で、

袋入りのインスタントラーメンは

色々なものが発売されながら

あるものは消え

あるものは生き残り

又あるものは名作として長く愛されてきた。

私の記憶に残るもので

袋入りインスタントラーメンの名作を

挙げるとすれば

「サッポロ一番・みそラーメン」

「明星・チャルメラ」
 
「日清・チキンラーメン」 

などが思い浮かぶ。

さらに、先日

これに加えねばならない名作インスタントラーメンに

はからずも遭遇してしまった。

IMG_1074それは

「ダブルラーメン」と「ハイラーメン」。 

どちらも東洋水産の製品

マルちゃんである。

IMG_1071そして

ダブルラーメンは北海道限定販売

ハイラーメンは静岡県限定販売 

なのだそうである。

IMG_1072その、どちらも

私にとっては非常に関わりの深いもので

北海道は

私の住んでいるところ

静岡県は

私の実家のあるところ

IMG_1075なのである。

これはなんという偶然か

 おヒマな方は↓をクリックして読んでいただきたい。

北海道十勝開拓の祖

依田勉三翁は静岡県出身であり

IMG_1076マルちゃんの東洋水産の創業者

森和夫氏も静岡県出身なのだそうである。


だからなんだと言われればそれまでだが

静岡出身の私としては何か心を高ぶらせるものがある。

ともあれ

先日その二つを食べ比べてみた。

どちらも薄い色の醤油味に仕上がっていて

同じような外見だが

微妙に違う。

IMG_1080ダブルラーメンに比べてハイラーメンは

スープの色が薄く

乾燥ネギの量が多く

麺のコシが若干強かった。

IMG_1077そして

どちらも

とても懐かしく

たいへんうまかった。


人気ブログランキング


IMG_2775 

乳房からの出血(三たび!!)

「乳房から、また出血してるのですが・・・」

#牧場からの往診依頼だった。

なんと・・・

またまた乳房からの出血である。

半ば呆れながらも、

事態は大変なことになりそうな気配もあるので、

いつものように緊張した面持ちで、

#牧場に到着してみると、

IMG_1250問題の牛はすでに、

パーラーの枠に入れられていて、

肢を上げられていて、

乳房の出血部位を治療する準備が、

全て万端に整っている状態だった。

前々回

前回

に引き続いて

今回もまた、全く同様に

乳房の外側面を走る静脈に

穴が開いて

そこからの出血だった。

IMG_1251「・・・またか。」

「・・・はい。」

3回目もまたもや

乳房のほぼ同様の箇所から

勢いよく出血している牛を目の前にして

この出血の原因が

カラスの仕業であることを

もはや誰一人として

IMG_1253疑う者はいなかった。

私は再び

いや、三たび

この乳房の出血部の血管を縫合し

止血剤を打ち

治療を終えた。

IMG_1254頻度のそれほど高くない

乳房側面の血管縫合

という手技を

ここ1ヶ月も経ぬ間に3回も

繰り返し行っていると

なにやら、時間が空回りして

タイムスリップしているような気分になった。

そして、更には

こころなしか

IMG_1255自分自身の

乳房の血管の縫合処置の

手際がよくなって

技術が上達したようにも感じていた。

短時間に反復練習

いや

反復「本番」を

3回も繰り返せば

誰だってきっとそうなるに違いないと思った。

「・・・カラス、何とかしないとね。」

「・・・そうですよね。」

短期間に3回繰り返された

カラスの獣害だが

このままではいつ4回目が起こるかわからない。

大事なのは

治療技術などよりも

予防対策であることは

もはや言うまでもない。


人気ブログランキング


IMG_2775

原発事故と家畜

東日本大震災の発生した年から数えて、

今年は6度目の3月11日を迎えた。

今年もまた様々な、

震災関係の催しが、

各地で開かれている。

そして、

震災直後に発生した、

福島第一原発の爆発事故は、

色々な問題を抱えたまま、

現在に至っている。 

先日、

私のブログにコメントを寄せてくれたこともある、

メイさんという、 

福島県南相馬市にお住いの方から、

IMG_1165一冊の本をいただいた。

タイトルは「被災牛と歩んだ700日」。

内容は

第一原発の爆発事故により

避難を余儀なくされた畜産農家の手記と

畜産関係者の方々の手記である。

酪農家や養豚家の方々が

自宅から避難するということは

飼っているいる家畜たちの世話ができなくなるということである。

畜産農家が飼っている家畜の世話を放棄しなければならないということが

IMG_1171一体どういうことなのかを

この本は教えてくれる。

それはもう、涙無しでは読むことのできない

とても悲しく衝撃的なことなのだが

畜産農家さんと関係機関の方々の

一人一人の手記を読んでいると

そこには一筋縄ではゆかない

色々な考え方や立場の違いも見えてくる。

悲しさや哀れさなどの感情的なことは

言うまでもないことなので

IMG_1170あえてそれは書かず

それ以外の事実で

私がここに書いておくべきだと思ったことを書く。

その一つ目は

牛や豚を置き去りにして避難するとき

飼い主さんたちの多くが

本当は囲いから

あるいは繋がれた状態から 

解放させてやりたかったのに

それをせずに避難したことである。

なぜ放さなかったのか

それは、もしそれをすれば

放たれた「放れ牛」や「放れ豚」によって

周囲に迷惑がかかるから、と

飼い主さんたちは考えたのである。

そうして結局、牛や豚の多くが餓死をしていった。

二つ目は

そうして置き去りにされた牛や豚たちの一部が

何者かによって放されたという事実。

動物保護団体などの外部の人々の手で

飼い主に断りもなく勝手に放された。

三つ目は

そうやって放たれた牛や豚を見て

畜産農家の人たちは

複雑な気持ちの中で

少しホッとした気持ちにもなったと言うこと。

四つ目は

しかし、そうして放たれた牛や豚たちは

やはり、予想通り町中を徘徊し

民家を荒らしまわるようになり

結局、「放れ牛」や「放れ豚」も

行政の指示で、全て捕獲され

殺処分をされることになったこと。

五つ目は

捕獲された牛のうちの一部は

研究機関の牧場に預けられ

獣医学の研究に提供されることになったが

その研究も資金面で継続困難になっているということ。

そのような事実が

この本には書かれている。

畜産農家が

そして畜産関係者と地域社会が

原発事故から受ける被害というものは

いかに恐ろしく

複雑な問題を抱えながら

当事者の飼主さん達と

それを取り巻く人々の

様々な考え方の渦巻く中で

結局は

救いようのない

悲惨な結果に終わることを

この本は伝えている。

表紙を1ページめくると

被災した畜産農家の方が詠んだ短歌が一首記されている。

IMG_1166 原発の
 二十キロ圏内
 避難する
 乳牛総べて
 置き去りにして

        渡部愛子


さらに1ページめくると

 一枚の写真が載っている。

IMG_1167繋がれて

置き去りにされ

餓死した牛が

空腹のために

かじっていた

牛舎の柱の写真である。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 

俳句で知る「猫の妊娠期間」

毎日、

町内の牛舎巡りの仕事をしていると、

最近、

少しづつ、

IMG_1152牛舎の猫たちの行動が 、

活発になってきたことに気づく。

春は、

猫の恋の季節である。

歳時記の二月(早春)の項には

「猫の恋」という季題(季語)があり

その傍題として

「恋猫」「うかれ猫」「春の猫」「猫の妻」「猫の夫(つま)」「孕(はらみ)猫」 

などの言葉が載っている。


IMG_1154 濡縁に戸開くを待てり猫の夫    星野立子


また

さらにページをめくってゆくと

歳時記の四月(晩春)の項には

「子猫」という季題(季語)があり

その傍題として

「親猫」「猫の子」

などの言葉が載っている。


IMG_1153 紙とんでゐしにはあらず子猫かな   星野立子


この二つの季題

「猫の恋」(二月・早春)

から

「子猫」(四月・晩春)

まで

約2ヶ月の開きがあるのだが

この2ヶ月間という時間は

すなわち

猫の妊娠期間の2ヶ月間

ということになる。

古人は

IMG_1155「恋猫」から「子猫」へと

日々変化してゆく

猫という動物を観察し

それを俳句に詠み

文芸を楽しみながら

知らず知らずに

ほぼ正確に

猫の妊娠期間を言い当てている。

歳時記から読み取ることのできる

古人の感性と

観察力の鋭さに

あらためて

感心してしまった。



人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 




 

乳房からの出血(再び!)

「乳房から、また出血しているのですが・・・」

#牧場からの電話だった。

#牧場では、たったの10日前に、

乳房からの出血で往診したはかりである。

またか・・・

最近多すぎるなぁ・・・

と感じつつ、#牧場のフリーストールへ行ってみると、

IMG_1177写真のように、牛床と通路が、

赤い血で染まっていた。

「今のところ、血は止まったみたいなんですが・・・」

「でも、この前と同じみたいだから、枠に入れて、縫っておいたほうがいいね。」

「わかりました。」

牛は歩いているうちに

IMG_1184また左の内股あたりから出血を始めた。

枠に保定して

左足を挙げて見ると

左足の下腿部に隠れていた出血部位が露呈し

消毒液で洗浄すると

乳房の周囲を走っている血管から

IMG_1187血が放物線を描いて噴き出した。

10日前の牛は

乳房の右側の血管に穴が空いていたが

今日の牛は

乳房の左側の血管に穴が空いていた。

その血管の傷は見事に

IMG_118810日前の症例と左右対称の

全く同じような位置にできた傷だった。

とりあえず、前回と全く同じ縫合をして

出血を止めて、止血剤を打ち

治療を終了した。

それにしても

たったの10日という短い期間に

乳房の出血に2例も遭遇するとは

IMG_1189いまだかつてない出来事である。

それも

乳房の左右の内股の部分。

それは・・・

牛が立っている時は

後肢の下腿部に隠れて見えない部分。

IMG_1125しかし・・・

牛が横臥した時だけあらわになる

そんな場所の血管が

集中して損傷を受けたのだ。

「これは、やっぱりカラスしかありえないよね。」

「そうですね。」

想像すると

BlogPaintカラスは左の絵のごとく

横臥している牛の

後肢の下腿の付近に止まり

そこから乳房の表面に走っている血管を狙って

嘴でつついて出血させたのだろう。

カラスのそんな姿が

浮かび上がってくるのだった。 


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 

フリーマーチン、語源の「新説」

仔牛の♂♀の双子のことを、

業界ではフリーマーチンと呼んでいる。

なぜそんな名称になったのかというのは、

意外にナゾで、

今のところ、

新得の畜産試験場の先生から教えて頂いた説が、

最も信頼できる説であるようだ。 

フリーマーチンの語源については

私もこのブログの約10年前の記事に書いたのだが

先日、なんとそこへ新しい書き込みがあり

フリーマーチンのマーチンというのは

正しく発音すると

マーチン(Martin)ではなく

マーシャン(Martian)である

という書き込みなのだった。

マーシャン(Martian)とは何かというと

日本語に訳せば

「火星人」である。

仔牛の♂♀の双子は

じつは火星人(マーシャン)と呼ばれていて

それが次第にナマって

フリーマーチンと呼ばれるようになったという説である。 

なるほど

こんなところにも 

地球の大気圏外の大宇宙の影響があったのである。

Unknown大宇宙からの影響・・・

といえば・・・

♂♀の双子のフリーマーチンが・・・

火星人(マーシャン)
ならば・・・

我々がよく遭遇する宇宙人・・・

すなわち子宮脱星人は

何と呼ばれるのだろう。

子宮脱は英語で Uterine  prolapse(プロラプス)であるから

子宮脱星人は

プロラプシャン(Prolapsian)

である。

お、なかなかいい呼び名じゃないか。

では子宮捻転星人は

何と呼ばれるのだろう。

子宮捻転は英語で Uterine torsion(トージョン)であるから

子宮捻転星人は

トージョニアン(Torsionian)

である。

おお、なかなかいい呼び名ではないか。

images




子宮脱星人(プロラプシャン)

子宮捻転星人(トージョニアン)

これは、なかなか

カッコいい♪


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 


 

深夜の雪

「お産なんですけど、破水したのに、陣痛が全く始まらないんです・・・」

「わかりました。すぐ行きます。」

携帯電話が鳴ったのは、

午後9時30分を過ぎた頃だった。

和牛の繁殖農家の⌘さんからだった。

夜道に診療車を走らせて約20分、

空には星が見えていたが、

どういうわけか、

細かい雪がチラチラと降り続いていた。

・・・夜の風花・・・?!

そんな風情のあることを考えている間も無く

⌘さん宅に到着。

「分娩予定から、もう2週間遅れてるんです。」 

牛は大きな和牛で

今回が6産目だという。

「全然いきまないので、心配で・・・。」

手を入れると、胎児は生きていたが

産道の開きがまだ不十分だった。

「お産をさせる前に、まずカルシウム剤を打ちましよう。」 

和牛といえども

6産目ともなると、低カルシウム血症になることがあるし

今の産道の状態では

いきなり助産をするには少し早い気がしたので

カルシウム剤を打ちつつ

ひと呼吸置いてから、ゆっくり助産した方が良いと判断した。

それに加えて

⌘さんの和牛は半月ほど前に

お産の発見が遅れて、胎児が死んでしまった事故があったばかりだった。

そういうことがあると

次のお産の時は

絶対に死なせたくないという思いから

早く獣医を呼んで、万全を期すということになる。

私は、そういう⌘さんの気持ちを強く感じていた。

そういう場合、実際には

呼ばれるのが早すぎてしまうこともある。

カルシウム剤を打ち終わり

ひと息ついてから

「じゃあ、始めましょうか。ロープと滑車をセットして・・・」

「はい。」

「産道が狭いから頭にもワイヤをかけますね。」

「はい。」

「まず頭だけ軽く引いて・・・そう・・・」

「・・・」

「頭が・・・産道に・・・よし、乗ってきた。こんどは足をゆっくり引いて・・・」

「・・・」

「そのままゆっくり・・・仔牛のおデコが全部出たら・・・滑車を強めに引いて・・」

「・・・」

「よし、頭が出た。・・・引いて、引いて・・・」

IMG_1129ここは絶対に

生かして出さなければならなかったので

私も少し緊張したが

胎児は無事に誕生した。

IMG_1130大きめの♂だった。

産科道具を片付けて

挨拶を交わして

帰路につくと

来るときには星が見えていた空は

雪雲に覆われて

雪が盛んに降り始めていた。

途中の道ではさらにそれが激しくなり

IMG_1132分岐点や交差点が

降る雪でよくわからなくなってきた。

慣れている道だというのに

曲がる交差点を一つ間違えて

IMG_1134あらぬ所へ向かいそうになり

また引き返し

さらに激しくなる吹雪の中を

対向車にも気をつけながら

路肩にも落ちないように気をつけながら

IMG_1137ようやく

宿泊している事務所まで帰ってきた。

帰りの道のりは

行きの道のりの

倍近くかかったような

深夜の雪の中の往診だった。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 




 

十勝ホトトギス俳句会

昨日の26日は、

帯広駅前のふじもり食堂で、

十勝ホトトギス俳句会の、

「新同人の誕生を祝う会」が開かれた。

IMG_1142およそ2〜3年に1度、

ホトトギス誌には社告が出て

同人が推挙される。

今年の1月に、

北海道からは19人の同人が推挙され、

十勝管内では伊林美惠子さんと私の名があった。

それを受けて昨日は、

十勝の同人のまとめ役である

IMG_1143高橋まさしさん、とも子さんご夫妻、をはじめ

ホトトギスの誌友と、俳誌柏林の誌友の方々が

総勢19人も集まって

我々2名の新同人のお祝いをしてくれた。

昼食前にまず句会。

その後昼食。

IMG_1144句会で少し緊張した喉を

昼食の生ビールが

心地よく潤してくれた。

正月の記事に書いたことの繰り返しになってしまうが

私は約25年間

自分なりに

色々な俳句を

ああでも無いこうでも無いと迷いながら

作句意欲が落ちた戻ったりしながら

作り続けて来た。

そのうちに

ホトトギスの俳句

すなわち「花鳥諷詠詩」というものが

心の中に大きな位置を占めるようになり

ホトトギスの俳句こそ

私が求め進むべき俳句の道であると思うようになった。

そして、ホトトギス誌に投句し始めて約5年

主宰から、私の投句する俳句が

とりあえず、一応

ホトトギスの俳句として認められた

ということなのだと思う。

IMG_1145昨日開いていただいた

十勝ホトトギスの会は

そんな私の俳句に対する思いを

再確認させてもらえる

良い機会だった。

新同人の名が掲載された、先月のホトトギス誌の社告には

こういう言葉が添えられている。

「ホトトギス同人とは権利も義務もございません。ただホトトギスの伝統を正しく理解して、立派な作品を作る努力をして頂きたいのでございます。ホトトギスの正しい発展のためにお力をおかしくださいませ。」

この言葉を忘れずに

これから又

俳句を作ってゆこうと思う。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 


乳房からの出血

「乳房から血が出ていて、止まらない・・・」

午後3時頃、#牧場から電話が入った。

乳房からの出血の治療は、

1週間前に♭牧場でもやったばかりだった。

よく当たるなぁ、

と思いつつ、

#牧場の牛を診ると、

IMG_1100右後肢の飛節以下が血で真っ赤に染まっていた。

乳房はそこに重なる面がやはり血で真っ赤に染まっていた。

牛の顔を見ると、

その部分をしきりに舐めていたのだろう、

鼻と口が血で染まっていた。

IMG_1122「どこで見つけたの?」

「フリーストールから牛を追い始めた時、ポタポタ血が垂れていたんです。」

「今は、血は止まってるみたいだけど。」

「そうですね。」

「でも、また何かの拍子に出血するといけないから、どこから出ているか見ておこう。」

IMG_1102「はい。」

「右の後肢をロープで縛り挙げてみようか、削蹄するときみたいに。」

「わかりました。」

従業員の@君は、搾乳パーラーの中で手際よく

牛の右後肢を上げてくれた。

IMG_1111「あー、ここから出てるみたいだねー。」

「ほんとだ。」

「縫って、止血しておこう。」

「はい。」

従業員の@君は、牛の頭をモクシで固定し

牛の尻側にもロープをかけて

この牛をしっかりと保定してくれた。

出血部分と見られる箇所は

乳房の内側を走る7mmほどの太さの静脈だった。

小型の針に吸収糸をつけ

IMG_1112まず2針縫い

糸の張りを緩めて

出血のなくなったかどうかを確認して

まだ少し

血が滲んでくるので

IMG_1118もう1針

血がほとんど滲まなくなって

ダメ押しのもう1針

きれいに止血されたところで

縫合を終了。

その後、止血剤(バソラミン)を注射して

IMG_1120治療を終了した。

「出血の原因、なんだろう、何か思い当たるものあるかい?」

「えーっと、だいぶ前、この器具に引っ掛けて出血した牛がいました。」

その器具とは

パーラーで搾乳する時に

IMG_1121ミルカーのチューブを固定するための金属製のフックだった。

「これか・・・。」

「でも・・・」

「搾乳する前にストールで見つけたんだったら・・・」

「つつかれた・・・」

「奴らに・・」

「やっぱり、カラスですか・・・」

「その方が、ありえるかもね・・・」

IMG_1126今日の#牧場の周辺には

カラスの鳴き声が響いていた。

近くの電線や

牛舎の屋根に止まって

こちらの様子を伺っているカラスたちに

IMG_1123携帯のカメラを向けると

賢いからスたちは

危険を察知したように

空に舞い上がり

近くのカラマツの林に移動していった。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 







リスの出る日

「今日は、リスをよく見る日だったなぁ・・・」

と、先輩獣医師のSさんが、

カルテを書き終えて、そう言った。

「このあいだ急に暖かくなった時、冬眠から覚めたんだろうか・・・」

それを聞いた、同じく先輩のKさんが、

「エゾリスは、冬眠しないんですよ。」

「そうなの・・・」

「ええ。シマリスは冬眠しますけどね。」

「エゾリスはそうなんだ・・・」

それを聞いていた私。

「じつは、俺も今日、リス見ましたよ、エゾリス。」

「やっぱり、よく出る日なのかな・・・」

「そんな日、あるんですかね。」

「今日はほんとに・・・車に轢かれてたのも見ちゃったよ・・・」

車にはねられて死んでしまったのは可哀相だが、

私が今日見たりスも、ちょっと変で、

いつもとは違った場所で見かけたのだった。

1才馬の過敏症の治療で行った*さん宅

IMG_1093馬を出した後の馬小屋に

たまた目を向けると

馬柵捧の上になにやら動くものがいた。

鳥にしてはちょっと変だなと思ったら

エゾリスが

IMG_1089馬柵捧にとまる様に立っていた。

少し近づいて

携帯写真を撮ったら

馬小屋の奥へ隠れるように入っていった。

私が今までエゾリスをよく見かけたのは

IMG_1089ほとんどが林の中で

その多くが松の木で

松の木を渡り歩いている姿ばかりだったので

今日の、まさかの馬小屋での

エゾリスの出現にはちょっと驚いた。

IMG_1090そして

往診から帰ってきたら

先輩獣医師たちが、また

エゾリスの話をしていたというわけだ。

これは単なる偶然なのだろうか。

それともやはり

今日は

特別に

リスの出る日なのだろうか。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 




辰巳奈優美、句集「氷絃」

辰巳奈優美(たつみなゆみ)さんの、

第3句集、「氷絃(ひょうげん)」、を読了。

IMG_1010奈優美さんは、

昭和34年生まれで、

私とは一つ違いの同世代、

旭川出身で札幌在住。

50歳代の半ばで、

第3句集を上梓するのだから、

その俳句のキャリアと実力は

いまさら言うまでもない。


 今生の頬まだぬくし春の雪


この一句の前書きには

 「四月三日 父美仁(紫明)逝く」

とあった。


 身に入むや抜け殻ほどの骨拾ひ


この一句の前書きには

 「八月二十二日 母セツ子逝く」

とあった。

10年前にお父様、5年前にお母様を見送り

「この辺で一つの区切りとして句集をまとめることを思い立った」

と、あとがきに書いてある。

IMG_1012奈優美さんとは

2年前の北海道俳句協会の懇親会で同席し

それ以来のお付き合いだが

俳句をまとめてじっくりと読ませていただいたのは

今回が初めてだった。

以下

心に残った句を挙げる。


 町なかや日向ひなたに雪解の香

 蝉時雨止むひと声もおくれなく

 いま吊りし風鈴の音を待つ机

 隣人のにはかに親し野分あと

 毀れゆく櫛のごとくに秋の虹

 小鳥来るたかぞらのなほ高きより

 厳寒の直情のごといたるかな

 ものの角そろへて寒に対ひけり

 雪雲をかくも籠めたる地平かな

 大鷲の眼火をいまし切に欲る

 月蝕のやはらやはらに木の芽時

 鳥雲に入る美しき角度もて



まだまだたくさんあるが

きりがないので、この辺で。

IMG_1086北海道の

同世代の俳人

として

辰巳奈優美さんの

これからの活動に強く期待し

私も

それに続いてゆきたいと思った。 



人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 


 


Profile
ギャラリー
  • ぺヤングがまたやってきた!
  • ぺヤングがまたやってきた!
  • ぺヤングがまたやってきた!
  • ぺヤングがまたやってきた!
  • ぺヤングがまたやってきた!
  • ぺヤングがまたやってきた!
  • ぺヤングがまたやってきた!
  • 牛の捻転式去勢の比較
  • 牛の捻転式去勢の比較
蓄 積
1日1回クリック宜しく!

願援助為自己満足
livedoor 天気
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

感 謝
牛馬語の俳句

  • ライブドアブログ