北の(来たの?)獣医師

北海道十勝地方で牛馬を相手に働く獣医師の最近考えていることを、 散文、韻文、漢詩 でつづったものです。

帯広能楽同好会の忘年会

去年の9月に、

ごく軽い気持ちで門をたたいた能楽の世界に、

まさかこれほどハマり込むとは夢にも思わなかった。

俳諧と能楽とはもともと縁が深いものなので、

能を知って自分の俳句の裾野をちょっと広げて、

より良い俳句を詠みたい、

というのがそもそもの動機だった。

8225AC63-3AF7-490C-A5A8-36DC1A7228DF最初は

謡(うたい)だけを少しやってみたい

というくらいの気持ちだった。

ところが

仕舞(しまい)の稽古を重ねるにつれて

舞のほうもだんだん面白くなってきた。

ほぼ皆同じ頃に始めた同好会の会員も

皆楽しそうに且つマイペースで

謡いと舞いを上達させている場に身をおくと

知らず知らずに自分もその流れに乗せられて

謡と舞が身についてくるのだった。

これもプロの能楽師

喜多流シテ方の塩津圭介先生の

熱心なご指導のおかげだろう。

さらに今年は良いめぐり合わせで

帯広にプロの能楽師が集まって

能楽の公演会が開かれた年だった。

我々初心者の会員は

その能楽公演会に便乗する形で

能を始めてまだ一年もたたないというのに

帯広市民文化ホールで

仕舞の初舞台を踏ませてもらえるという

幸運に恵まれてしまった。

何もかもが、まさかまさかの連続で

今考えると、うそみたいな話である。

さらに、まさかの連鎖は続くもので

今年の9月まで帯広能楽同好会の会長をされていた

山森信吾さんが札幌へ転勤となり

帯広に居られなくなってしまったので

なんと私がその後役を引き継ぐことになってしまった。

思えば不思議な一年間だった。

能楽という長い歴史のある伝統芸能の

摩訶不思議なパワーに吸い寄せられる形で

私はすっかり能楽の虜にされてしまったようだ。

19F1DE6D-2E19-433E-8C83-E6C406C1F31B先日その帯広能楽同好会の

発足してから始めての忘年会が

塩津圭介先生を囲んで

ランチョエルパソで行われた。

稽古が終わった夜9時からの遅いスタートだったが

空かせたお腹をしゃぶしゃぶで満たしつつ

これからのことについて色々と語り合うことが出来た。

皆さんそれぞれの能楽に対する思いは様々だと思うが

同好会という楽しく面白い集団として連絡を密に取りつつ

プロの先生の貴重なご指導を大切にして

それぞれの能楽への思いを

共に深めて行ければ良いと思っている。

FE212F80-D1B7-49EB-AB36-430B90BC6D57左の写真は

会員の1人である

ジャズピアニストの藤原志津花さん。

いきなりのリクエストに応えて

クリスマスソングのメドレーと

スタンダードナンバーの「A列車で行こう」を弾いて

忘年会を盛り上げてくれました♪

6714EE54-86B3-4BE9-9CEC-B6539AC4B0EA帯広能楽同好会は

まだ生後一年ちょっとの

幼い会です。

私と同じように

ごく気軽に

能楽に触れてみたいなと思っている人

大歓迎です。

どうぞご一報下さい♪



人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
見ることが出来ます。  
 


東北海道現代俳句交流句会in帯広(藤丸)

帯広の俳人、

粥川青猿さんが中心となって、

隔月で開かれる東北海道現代俳句交流句会。

今回は前日の夜から、

札幌の青山酔鳴さんが来帯し、

十勝の若手俳人の三品吏紀さん、金野克典さんらと

句会前夜から盛り上がる楽しいひと時を過ごした。

6716840A-CC5C-4F3B-96FB-1E22ACB1B2F6俳句関係で飲んだ時のお決まりコースの

俳人・山下敦マスターの店「PAGE1」で前夜を締めくくり、

やや2日酔い気味の身体で、

午前中は午後1時からの交流句会に出す俳句を、

しばし苦吟すること数時間。

IMG_2807なんとか提出用の俳句を書き上げて、

藤丸デパート8階で開かれる交流句会へ持ち込んだ。

出席者数12名、欠席投句者6名、という句会になった。

お題は「実」の字を入れた(入れなくても良い)3句提出、7句互選。

今回、私が出した中の1句


 母一人無実の罪に着ぶくれて   豆作


という句を、鎌田文子さんと青山酔鳴さんが

IMG_2812共鳴の◯をつけて採ってくれた。

この句の内容は

家庭の中で

母親というのは誰よりも献身的に

家族の支えになっている存在であるということ。

IMG_2813それは家族に何かトラブルが起きた時など

父親や子供にその原因があったとしても

その罪を自分が被って家族を守ろうとする母親の姿である。

しかも、それが

一度で終わらず二度三度

無実の罪を着せられて

無実の罪で着ぶくれてしまった母親の

滑稽な姿、を表現してみた。

そんな句の内容が

同じ句会の座で、鎌田文子さんと青山酔鳴さんの

2人に伝わって共鳴していただいたのは

とても嬉しいことだった。

実は・・・

この句ができた背景には

私の普段の仕事中の出来事があった。

句会の時は

それをしゃべる時間がなかったのだが

ある酪農家の牛が病気になり

私が往診に行った時

対応してくれたその家の奥さんが

旦那と息子に対して

愚痴をこぼしたのだ。

「『この牛が病気になったのはお前がちゃんとみてないからダッ』てうちのお父さんが言うの・・・息子は息子で何も言わないで外の用事に行っちゃうし・・・もーなんでも私のせいにするんだから!・・・」

そんな愚痴を

農家の奥さんから

こぼされた経験がある臨床獣医師は

私だけではないだろう(笑)


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
見ることが出来ます。  
 









 

ワインの町へ往診応援

我が診療地区の西隣にある、

I田町の家畜診療所のスタッフが、

さらにその北隣にあるH別町の家畜診療所の人員不足で、

頻繁に、往診の応援に借り出されている。

その人員の穴を埋めるために、

我が町の家畜診療所のスタッフが、

月に何日か往診の応援に行くことになった。

先日はその応援役を私が承り、

朝から1日間、

I田町の畜産農家の牛の往診に回った。

どの農場でも

飼主さんたちとは初対面であるから

往診車から降りたら

「初めまして。」

という挨拶から始まることになる。

十勝NOSAIが広域合併されてからは

こういうことは茶飯事になっている。

どの家でも初対面は少し緊張するものだが

飼主さんも獣医師も、今はもう

お互いに心得たもので

緊張の空気はたちまち消えて

すぐに普通の診療作業に入ることが出来た。

先日もそんな感じでスムーズに1軒目を終えて

2軒目の牛の診療へと進み

そこで治療する牛の首に

ペニシリンの筋肉内注射をしようと針を刺した

その瞬間

牛が予想外な方向に動いて

私の手元が狂い

注射針の根元がポキッと折れて

中の注射液が私の顔面に飛び散った。

私の上半身と顔面は

ペニシリンの注射液で

真っ白いまだら模様が出来てしまった。

とりあえずそのまま

何食わぬ顔で残りの仕事を終えて

濡れタオルで顔を拭いて

車のルームミラーを覗いてみると

IMG_2212私の顔と帽子には

やはりまだ

真っ白いまだら模様が残っていた。

(2件目の農家の奥さんはきっと笑いをこらえていたに違いない・・・)

そんな事を考えつつ

3件目に向かう途中で

いったん車を止めて

私はもう1度ぬれタオルで

念入りに顔を拭いて

帽子を脱いで帽子も念入りに拭いて
 
さらに上半身に飛び散った真っ白いペニシリンの

まだら模様を丹念に消していった。

(3件目以降もみんな初対面なのだから、白いまだら模様の顔では恥ずかしい・・・)

思いもよらぬ失態を

空しく1人で拭いながら

往診時間は刻々と過ぎていった。

3件目を終えた頃には

焦りと動揺はしだいに消えて

普段のペースに戻ってきた。

往診の途中ではさらに

IMG_2210気を取り直すために

しばしばこの町の

美しい雪景色を眺めたりして

いつもと違う往診途中の雰囲気を

楽しむ余裕が戻ってきた。

IMG_2209I田町は

全国的にも有名なワインの町である

往診の途中には

いたるところで

ワインの町らしい看板や

IMG_2211標識や建物がみられ

ちょっとした旅心を味わうことが出来た。

前半のトラブルを

忘れさせる楽しい景色だった。

その日の夜は

IMG_2206I田町の特産品のひとつ

町民還元用のロゼワインで

1人反省会をすることにした。

このワインの近頃流行の飲み方

「ロゼロック」の爽やかな酸味が

ことのほか喉に沁みた。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
見ることが出来ます。  
 

ぺヤングがまたやってきた!

先日近所のコンビニで買い物をした時、

何気なく商品棚の片隅を見ると、

なにやら不思議な、

金色に輝くカップラーメンらしき代物に気がついた。

IMG_2751ぺヤングの焼きそばだった!

それもこのたびは前代未聞の

カレー+納豆バージョン!

パッケージにもあえて

「新発見!」などと書かれている。

IMG_2202もちろん即買い。

そして試食。

今年の3月に

ぺヤング納豆焼きそば


が近所のコンビニに出現した時

IMG_2201かやくに納豆の入った焼きそばを初めて経験したが

今回はさらに

その納豆に

カレーソースが加わった

まことに挑戦的な

IMG_2200新しいバージョンの焼きそばだ。

ひと口食べてみると

これはなかなか一言では表せない

まろやかで且つ刺激的な

なんとも新しいぺヤングの味だった。

IMG_2057思い起こせば

今年の8月には

ベヤングソースやきそばの基本バージョン

が北海道に上陸し

近所のスーパーマーケットに出現したことがあった。

それから約4ヶ月。

今度は 

「ぺヤング・カレー+納豆焼きそば」

という挑戦的な形で

ぺヤングが再びコンビニに出現したのだ。

手を替え品を替え

IMG_2058ぺヤングVSマルチャン

という因縁のやきそば対決は

断続的に

ぺヤング側の執拗な

北海道上陸作戦によって

今なお

続いている。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
見ることが出来ます。  
 

牛の捻転式去勢の比較

今月の「家畜診療」誌の、

C3281B64-D7C0-4B1B-AE27-AEC7216C3B5Bワンポイント質問のコーナーに、

捻転式去勢の注意点、

と題して、

左右両精巣の同時捻転去勢法(いわゆるニコイチ捻転法)と、

片精巣ずつの捻転去勢法(電動ドリルの捻転法)とを、

比較して考察した記事が掲載された。

筆者は(株)Guardianの伏見康生氏。

C37C2DBC-5637-4094-8404-1242AC041DC6牛の精巣の解剖学から始まり

旧式の結紮法と新式の捻転法の比較を述べ

それから本題の

ニコイチ捻転法(両側同時)と電動ドリル捻転法(片側法)の

比較考察が書かれている。

掲載誌の文章を写真に撮り

33E60A22-FD5B-4A31-80B4-A29DB901CA33ここに転載させて頂いたので

クリックして大きくして

是非読んでいただきたいと思う。

ニコイチ捻転法と電動ドリル法の

それぞれのメリットとデメリットと思われることが

図や写真を通して比較考察されている。

A8725DFC-5957-4C28-B8F2-E7AC8EF22BEE二つの方法の紹介と

実施する際の注意点が

詳しく述べられている。

ただし、今回は

科学的な数値データーによる

客観的な比較検討までには至っておらず

どちらの方法が優れているか

という処までは

残念ながら言及されておらず

両者の去勢法の紹介というところで止まっている。

まだ両者を客観的に比較するデーターは

蓄積されていないようだ。

客観的なデーターがなかなか蓄積できない理由としては

一人の獣医師が

両方の手技を同時に使うということはせず

どちらかの手技を習得してしまえば

それだけを熟練して

日々の診療に用いているからだろう。

私は、いうまでもなく

普段はニコイチ捻転法ばかりをやっており

電動ドリル法の経験は一度もない。

そして

この記事の筆者の伏見氏は、逆に

普段は電動ドリル法を採用されているようだ。

今後

両者がどのように普及してゆくかは

それぞれの獣医師諸氏の手に委ねられるが

今回の記事のような比較検討が

さらに進んで

より良い去勢法が普及してゆくことを願っている。

掲載記事の文末には

以下のような記述があった。

「最後に、従来から鉗子による子牛の捻転去勢を実施する獣医師は存在していたが、ごく限られた範囲の特殊な手技に過ぎなかった。そこへ両側同時捻転去勢専用ツールを開発し、個人でweb発信を行い、手技の一般化と普及をさせた十勝農業共済組合の安田峰獣医師の功績は大きく、獣医療界のこれまでの情報と技術の浸透のあり方に変革をもたらしたケースといえる。」

BlogPaint最近は

俳号の豆作ばかりだったので

本名が活字になるのは

なんだか恥ずかしい(笑)

筆者の伏見氏には

心から感謝を申し上げたい。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  

「牛乳焼酎」のバリエーション

函館に行って来たという仕事仲間で、

かつ俳句仲間のK野さんから、

「五稜郭」という焼酎をお土産に頂いた。

いわゆるご当地焼酎であるが、

おやっ?と目に留まったのは、

IMG_2754銘柄の横に、

「牛乳焼酎」という文字。

これは珍しいものを頂いた、

と喜び、

ラベルを良く見てみると、

原料に麦と牛乳が使われていた。

IMG_2755さっそく湯飲みに注いで

ひと口頂くと

これは爽やかな

すっきりとした麦焼酎だった。

牛乳の香りも微かに感じたが

これはもうほとんど麦焼酎。

牛乳(ミルクホエー)を

製造工程のどこで使っているのか良くわからない。

しかし、なんとなくヨーグルト的な風味と

まろやかな舌触りが感じられた。

麦と牛乳というのは

元々相性がよいから

それは当然のことかなと思った。

ひと口呑み終わって

ふと

そう言えば、以前にも

「牛乳焼酎」というものを飲んだことがある事を思い出した。

それはもう随分前のことで

今から8年以上も前のことだった。

当ブログの記事で

「牧場の夢」という銘柄の「牛乳焼酎」を紹介したことがあったのだ。

f314ced3-s[1]それは

熊本県の人吉という町の、

とある醸造所で生産されている、

本格的な焼酎だ。

原料は米と米麹と牛乳と温泉水ということで、

IMG_2752味は米焼酎に近く、

ほんのりとお乳の香がして

舌触りのまろやかな焼酎だったことを覚えている。

こちらの焼酎はまさに本場熊本の

球磨焼酎の伝統技術を生かした

IMG_2753高級感のある焼酎だ。

私はこれで

「牛乳焼酎」

という名前で売られている焼酎のうち

「五稜郭」という名の「麦」焼酎と

「牧場の夢」という名の「米」焼酎の

2種類を

経験することが出来た。

両者とも個性があり、とても美味しい焼酎だ。

さて

ここまで来ると

牛乳を原料に加えた

「芋」焼酎というのも

もしかして

あるのではないかと想像が膨らんでくる。

牛乳とサツマイモという組み合わせも

なかなか相性の良さそうに思われる。

芋焼酎に詳しい方

もしご存知でしたら

ぜひ情報をいただきたい・・・!


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  

難破船

先日、苫小牧へ

俳句の修行をして来た。

苫小牧のホトトギス・玉藻会の皆さん、

といっても6名だが、

とある温泉宿に泊まりこんで、

夕食前に一と句会。

会食をして、

一杯やってから一と句会。

さらにその後、

課題を出し合って一と句会。

酔いが回ってお開きとなり、

翌日は

朝食後に一と句会。

充実した俳句修行(!?)を、

無事に終えることが出来た。

その帰り道

苫小牧駅を発つ午後の電車まで

時間が有ったので

句会をしたメンバーで

あちらこちらと道草をし

その最後に

「1週間ほど前に、苫小牧港に船が難破したらしい・・・」

IMG_2724という情報を元に

苫小牧港へ。

「難破船がまだそのままでいるかもしれない・・・」

という期待を胸に

海岸へ出ると

IMG_2726期待通りの風景が目の前に現れた。

「あー、ありますねー・・・」

我々は雪模様の冷たい風の中を

遠くの防波のテトラポットの礁に引っかかるように

座礁している難破船に向かって歩き出した。

IMG_2721烈しい西風に

思わず足をとられそうになりつつ

体は凍るように冷たくなりつつ

難破船に近づき

IMG_2722その場にしばらく立っていた。

「どこの国の船なんでしょうかね・・・」

「さぁ・・・」

「あれを引き上げるには、相当でかい船で引っ張らないと・・・」

IMG_2723「そうですねぇ・・・」

「あれ以上傾かないように綱を張ってますね・・」

「転覆しないように・・・」

強い風に

会話が途切れがちになりながら

寒い限界に達した我々は

止めてある車へ引き返した。

体が芯まで冷え切ってしまった。

その足で近くの海鮮市場へ行き

昼食となった。

ご当地グルメのホッキカレーを食べるつもりだったのだが

体が欲したのはカレーではなく

温かなとんこつラーメンだった。

昨日の酒の抜け始めに加え

強風を浴びて冷え切った体には

一杯のとんこつラーメンは

最高のご馳走だった。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  

何かが変わった!?

牛の産後起立不能症における、

低カルシウム血症と、

それに関連する、

低リン血症に対する治療薬として、

グリセロリン酸カルシウム製剤(商品名・ネオニューリン)がある。

私はこの業界に就職してから、

30年以上にわたって、

この薬品を使い続けている。

それだけお世話になっている薬品なのであるが

近頃、このネオニューリンに

なにやら異変が起こったようである。

先日、同僚の獣医師2名から

ネオニューリンが白く固まってしまった

という話を聞いた。

極寒の1月ならばともかくも

まだ寒くなり始めの11月に

この薬品が白く固まるというのは

初耳だった。

気になったので

私が診療車で持ち歩いている自分のネオニューリンが

白く固まっていないかどうか確認したところ

IMG_2184それは白く固まってはいなかった。

同僚の白く固まったネオニューリンと

私の白く固まらないネオニューリンと

何かが違うということで

その製造番号(ロット番号)を見ると

前者は

製造番号  110916

使用期限  2019.11

後者は

製造番号  110425

使用期限  2018.12

IMG_2183であった。

私の持っていたものはずいぶん古いロットで

ラベルがずいぶん汚れてしまっていた。

使用上の注意をあらためて読んでみたら

「本剤は寒冷時、白色沈殿物を生じることがあるので、なるべく温暖な場所に貯蔵することが望ましい・・・」

と、ある。

この薬は本来

寒いと白濁沈殿が出来る薬剤であったようである。

それを今まで数十年間

私は全く気にも止めずに

この薬を使っていたのだ。

それも、ただの一度も

白く固まることなく使い続けてきたのだった。

いくら寒くても

何の問題も無く

ネオニューリンは透明のままだった。

ところがそれが

今年になって

何か変わったことが起こったようだ。

私の汚れたラベルのネオニューリンを

公開するのはちょっと恥ずかしいけれども

それはさて置き

ネオニューリンの製造過程で

最近

何か変わったことが有ったのは

間違いないようである。

皆さんがお持ちの

ネオニューリンは

いかがでしょうか?


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
 

17ヶ月齢の牛の上腕骨骨折

稟告は「起立不能」、

酪農家の★さんの、

生後17ヶ月齢の育成牛だった。

初診をした同僚獣医師のカルテには、

起立不能に加えて、

右上腕部の腫脹、硬結、熱感と書かれており、

原因は不明だが転倒か?

という記載があり

消炎鎮痛剤が投与されていた。

翌日

私がこの牛を診に行った時

A1275439-3DF0-4463-BF0D-3043DE5C330Bこの牛は起立していた。

状態が少し良くなったのか

と、思いきや

その歩く姿は

3本足での痛々しいものだった。

E2C99B72-49C1-4CE9-9D40-5FCEC25C1ECB右前肢は全く着地することができず

ブラブラと肩から垂れ下がっている感じで

肘から肩にかけて

大きく腫れていた。

上腕骨の骨折が強く疑われる症状だった。

E1CE1D36-92F7-4CDB-ABED-7A026B7899A8「昼からレントゲン写真を撮りましょう。」

「はい。」

「それで、腕の骨(上腕骨)あたりが折れていたら、もう・・・」

「あきらめた方がいいですか?」

「・・・うん、そう、だね。」

「この牛、17ヶ月でまだ種付けもしてないし、しょうがないです。」

午後から

X線装置を持って来て

★さんの牛の上腕部を撮影した。

しかし

17ヶ月齢の牛ともなれば

体重は500kg程度あり

3本足といえども

走り出したら手に負えない。

かと言って

鎮静剤をかけて

横臥してしまった時

どういう体位で上腕部を撮影するかという

経験が私には無かった。

結局、鎮静剤を打たず

立位のまま

4人がかりで

患肢を前方に牽引して

上腕部にX線を当てて撮影したのが

D212BDC3-6291-43CF-8690-98E49969AC0E左の2枚の写真である。

全部で4枚撮影したが

うち2枚は全くの失敗撮影で

辛うじて患部が写ったのがこの2枚だった。

2枚目の写真の黄色い矢印で示した部分に

BlogPaint上腕骨の骨折らしいものが写っている。

翌日、この写真を元に

この牛を廃用に認定してもらった。

さらに、翌日の解剖の結果

上腕骨遠位の骨折は間違いなかった。

79C58BB0-039D-4DB8-B235-7C858692BE32しかし

それにしても

正直もっと上手な写真を撮りたかった。

今から考えると

C22B5DD2-A6C2-455A-9A00-D5FD59790BCCちゃんと鎮静剤を使うべきだった・・・

もっと保定をしっかりして撮影すべきだった・・・

撮影角度と方向は適切だったのか・・・

X線量ももっと多くすべきだったのか・・・

などという

初歩的な反省点が

たくさん挙げられる症例になった。

これをお読みの

X線撮影の経験豊富な諸先生方に

アドバイスをいただいて

もっと撮影が上手になりたいと思うので

どうかコメントを

よろしくお願いいたします。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
 

女優の涙、赤ちゃんの涙、雌牛の涙

人前で涙を見せることが多いのは、

e5a11ef0成人ではやはり、

女優さんが一番だろう。

女優さんにとって、

涙を流すことは仕事であり、

飯の種である。

Unknown美しく、悲しく、

感動的な涙を流す女優さんを見て、

我々は心を打たれる。

しかし

imagesその涙の多くは

演技による涙であり

嘘の涙である可能性が高い。

自分の涙ではなく

001372acd73d114915f351目薬の可能性さえある。

それでも我々は

そういう涙を見て

心を打たれてしまう。

そんな場面で

女優さんが涙を流すメカニズムや

涙の量や成分などを論じるのは

論じたい人の勝手であるけれども

それは無粋というものであろう。

また

人前で涙を見せるのは

赤ちゃんや幼児も

得意である。

Unknown赤ちゃんの涙は

女優さんの涙よりも

純粋で計算のない

無垢な心から湧き出る涙である。

我々はそんな正直な

images嘘のない涙を見て

心を動かされる。

そんな場面で

赤ちゃんが涙を流すメカニズムや

Unknown涙の量や成分などを論じるのは

論じたい人の勝手であるけれども

それは野暮というものであろう。

また

人前で涙を見せることの多いのは

雌牛もそうである。

IMG_2175私の経験の中では

ホルスタインの搾乳牛が

もっとも涙を流すことが多い。

ホルスタインの成牛は

ヒトの赤ちゃん程度の知能があるとも言われている。

IMG_2174そんな雌牛たちが

人前で涙を流すのは

何も不思議な事ではない。

雌牛の涙は

赤ちゃんの涙と同様に

IMG_2173純粋で計算のない

無垢な心から湧き出る涙である。

我々はそんな正直な

嘘のない涙を見て

心を動かされる。

45F3E6B6-5AC3-4BAE-BE7A-24F00C2908A8そんな場面で

雌牛が涙を流すメカニズムや

涙の量や成分などを論じるのは

論じたい人の勝手であるけれども

それはやはり

無粋で野暮というものであろう。

女優さんの涙

赤ちゃんの涙

雌牛の涙


これら3つの涙に

どれほどの違いがあるのだろう。

哺乳動物の流す涙としては

全く同じものであると言えるのではなかろうか。

哺乳類の涙というものは

此の地球上の

美しい露のひとつであろう。



人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
 

子牛の急性鼓腸症

「子牛の腹が、また張ってきた・・・」

家畜商の〆さんの父さんからの電話だった。

「昨日の朝にも診てもらって、おさまってたんだけども・・・」

「わかりました。」 

カルテを見ると、

昨日の朝に初診された急性鼓腸症だった。 

その時は、

経口カテーテルで第1胃内のガスを抜き、

生菌製剤と胃腸薬を投与してあった。

「それで1回おさまって、もう治ったと思って、昨日の晩、配合飼料やったんだよな・・・」 

IMG_2162「あーそう」

「そして今朝餌やりに来てみたら、またこんなに腹張って・・・」

「なるほど」

私は、子牛用のカテーテルと

子牛用のオーラルクロスを

BlogPaint診療車から取り出して

子牛の第1胃に溜まったフリーガスを

カテーテルから排泄し始めた。

「あ、臭え・・・」

「でも、このくらいのガスなら普通だよ」

BlogPaint私と〆さんの父さんとで

この子牛の腹部を左右から挟んで

強く押すと

カテーテルから吹き出す

透明のガスがまた勢いを増した。

IMG_2165カテーテルの先端をバケツのお湯に浸すと

その吹き出す勢いが良く見えた。

勢いがなくなるまで押し続け

その先端に

漏斗を取り付け

今度は薬剤投与となる。

生菌製剤でもよかったのだが

ここはもう少し刺激が強くて

IMG_2166薬効の幅の広い

中森獣医散「Z」を選択。

薬品名にいつのまにか「Z」が付いて

その効果が一段とパワーアップしたような気がするが

それは気のせいかもしれない(笑)

IMG_2167ともあれ、こういう場合は

子牛の第1胃の微生物叢の状態が

まだ不安定で

一部の微生物による異常な発酵が起こっているので

それを鎮める効果のある薬剤を投与しておくのが良い。

投与を終えて

カテーテルを引き抜き

〆さんの父さんに

配合飼料はしばらく与えないよう指示して

帰路についた。

その

翌日の

今度は夕方に

また〆さんの父さんから電話がかかってきた。

「いやー、またあの子牛の腹が張ってきて・・・」

「あらら」

「まちがって配合飼料を嫁さんがやっちゃって・・・」

「あらら(笑)」

私はまた再び

〆さん宅へ往診し

昨日の朝と全く同じ内容の診療を

繰り返し施して

帰路についた。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
 

牛は泣き虫

牛は泣き虫である。

特にホルスタインは泣き虫である。

酪農家へ往診に行き、

健康を損ねた搾乳牛を診て、

点滴治療をすることになり、

その牛にモクシをかけて、

近くの柱に頭を縛りつけ、

長い首を引き伸ばして、

その頸静脈に、

太い針を刺そうとしたその瞬間、

針を持った手の上に、

温かい雫が、

ぽとり

と落ちてきた。

牛の涙だった。

体調が悪くて

ややくぼんだ目に

透明な涙を溜めて

E15EC11F-575F-434C-AD35-0146C12BE6F8その涙が

ぽろりぽろり

と落ちてくる

牛が泣いているのだ。

声はほとんど出さず

45F3E6B6-5AC3-4BAE-BE7A-24F00C2908A8不安げに

悲しげに

私の方を

じっと見ながら

牛が

静かに

泣いているのだ。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
 
 

診療車のクラクション

昨日の往診で、

酪農家の◯さんの牛舎の前に到着し、

誰も近くにいる気配がなかったので、

診療車のクラクションを鳴らして、

あたりを伺っていたら、

「あ、やっぱり安田さんだ。」

と言いながら◯さんの息子がやってきた。

「え?、俺って判ったの?」

「うん。」

「どうして?」

「クラクション鳴らす獣医さんは安田さんしかいないから。」

「え?、そうなんだ。」

「うん。」

「それは知らなかった。」

「クラクション鳴らす人は、むかしの幕別の先生たちだけ。」

「へー、そうなんだ。」

「他の人はみんな鳴らさないですよ。」

「そういえば、どこかの獣医で、往診に来てクラクション鳴らしたら、親方に怒られたっていう話聞いたことある。」

「そういう家があるんでしょうね。」

「やっぱりクラクション鳴らされたら、うるさいの?」

「僕は牛舎の奥に居て、気づかなかったりするから、鳴らしてもらったほうがいいですけどね。」

「今の獣医は、クラクション鳴らしたらダメ、って教わってるのかな?」

「みんな鳴らさないですから、そうかも。」

「俺はクラクション鳴らして、一度も怒られたことはないけど。」

「怒る家もあるから、鳴らさなくなったんでしょうね。」

「そっかぁー、そういえば俺も、怒られはしなかったけど・・・」

実は一度だけ

怒られこそしなかったが

記憶に残っていることがある。

それは転勤したT町で働き始めた頃の

夜間当番のとき

搾乳の時間帯にある酪農家に往診にゆき

つい、いつもの癖で

到着の合図のクラクションを鳴らしてしまったことがあった。

そして牛舎に入って行ったら

中で搾乳していた親方から

「搾乳してんだから、中にいるに決まってるでしょ!」

と、ちょっと不快そうに言われたことがあった。

私の不注意だった。

それ以来

私は搾乳時間中だけは

決してクラクションを鳴らさないように注意している。

それはちょっと考えれば当たり前のことであり

全く私の不注意であった。

しかし

搾乳時間以外の昼間の往診では

牛舎に到着してあたりを伺って

誰も居ないようであれば

クラクションを鳴らすことはよくある。

そのほうが早く気づいてもらえると思っている。

IMG_2161でも

やっぱりそれは

うるさいと思われているのかもしれない・・・

なんだか

心配になって来た。

これをお読みの皆さんは

どう思っているのだろうか?

診療車のクラクションを鳴らされたら

嫌ですか・・・?


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
 
 

「とかち文化まつり」開催中!

毎年「とかちプラザ」で行われる、

NPO十勝文化会議主催の「とかち文化まつり」が、

IMG_2151只今開催中で、

作品展示は11月15日まで、

また舞台芸術や講演会などは、

今日の12日にメイン会場のレインボーホールにて行われる。

IMG_2155お時間のある方はぜひ、

気軽に立ち寄っていただきたいと思う。

もちろん無料です(笑)

私も毎年

文芸部の俳句部門の一員として

展示会の方へ作品を出している。

IMG_2154今年の一句は

写真の通り・・・

「スピンにはスピンで応へみづすまし」

バックの黒い紙が

展示スペースからはみ出してしまって

なんともブサイクな感じだった。

IMG_2152昨日

私が展示会場の受付番をしている時

たまたま

書道の大家である八重柏冬雷先生が通りかかり

私の作品をご覧になっていたので

「なんとかなりませんか・・・」

と質問したところ

「後ろの黒い所だけ縦にしたらいいですよ、そうすると掛け軸風になる。」

とアドバイスしてくれた。

IMG_2157早速、その通りにしたのが

この写真・・・

なるほどスッキリと掛け軸風になった。

展示法を少し変えるだけで

随分違うものである。

書道の大先生からアドバイスをもらって

大変勉強になった。

内容はどうしようもないけれど(笑)

そんな作品でも

展示したからこそ

勉強することができたわけで

思わぬ収穫だった。

さて今日の12日は

舞台芸術部門の発表がある。

展示作品ばかりではなく

様々な文化活動を一堂に

「オールとかち」という括りの中で

参加したり鑑賞したりすることができるのが

この「総合芸術祭・とかち文化まつり」の

大きな魅力だ。

興味のある方はぜひ

立ち寄っていただきたいと思う。

パンフレットだけでも

読んで頂けたら嬉しいです。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
 
 

馬文化を支える会、10周年。

「とかち馬文化を支える会」というNPO法人があり、

D6ACC0C5-06F0-4256-80E5-2C855DFE1F27今年で10周年を迎えた。

北海道のばんえい競馬が廃止の危機に立たされた時、

帯広市単独でなんとか存続することが決まり、

それを支えようと有志が立ち上げたものである。

私はその当時の有志の皆さんの熱意に賛同し

AD53FF3D-1F0C-4C7B-AAF3-C03B83549839ささやかながらこの会に参加させてもらっている。

中央競馬(JRA)には馬事文化財団という

立派な団体がある。

ばんえい競馬も立派な馬文化の一つであるから

それを啓蒙してゆくための

5CC17CAF-C314-4DDD-BEE1-6F015BD7F401同じような団体があって良い。

JRAの財団とは比べ物にならないほど小さな団体だが

その志は大きい。

北海道開拓の主役だった農耕馬(重種馬)たちが

トラクターにその役を奪われて久しい。

もし、ばんえい競馬がなくなってしまったら

重種馬たちは食用だけの存在になってしまう。

「北海道の原野を開拓してくれた馬たちに対し

 それでは、あまりにも礼儀が無いのではないか。」

C31E0630-F109-4CA1-B9FC-ABC6233C135Dとは、この会のパンフレットに載っている

対談の中での佐々木啓文理事の言葉である。

佐々木氏はまた

「人も家畜も、能力を極めることが生きている価値。」

であるとして

単に、重種馬を保護する

という考え方に疑問を投げかけている。

また、三宅陽一理事長も

「動物園で数頭飼えばいいということになれば、

 馬が人間の生活から離れていってしまう。」


9BF4F9E7-514D-4BE2-9337-D86051647C87と、ばんえい競馬をはじめとする

十勝の馬文化存続の重要性を語っている。

私も、もちろん

このお二方の考えに100%賛同する者である。

重種馬と人との関係が

単に、保護するというのではなく

この地に共に生きる、という関係を保ちながら

それをいつまでも続けてゆくための

力になりたいと、私はいつも思っている。

私が重種馬の診療をすることも

微力ながらその一つである。

それに加えて

NPOとかち馬文化を支える会に参加することも

微力ながらその一つである。

今このブログを読んでいる方で

この考えに賛同していただけるのならば

ぜひ

当会の会員になっていただきたいと思う。

詳しくは

ホームページを御覧ください。


1人でも多くの方の力で

馬文化を支えてゆきたいのです。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
 

「牛の俳句を、もっと読みたい。」

今年の第63回角川俳句賞の、

未発表作品50句を、

今年も私は応募したのだが、

またもや予選落ちをしてしまった。

D74DD529-C20B-4390-9DC1-0C029258ED24しかし、

私の敬愛して止まぬ下川町の酪農家、

鈴木牛後さんが見事に予選を通過して、

さらに選考委員の1人の岸本尚毅さんから高評価を受け、

角川「俳句」誌に10句が掲載された。

牛後さんは昨年にひき続きの予選通過で

まことに素晴らしいことである。

牛後さんは今や全国に名の知れた俳人として

確固たる実力を証明していることに

C03153BC-53E4-4D71-9B7E-69D5D0546C43私はとても羨ましく

また嬉しく思っている。

掲載されている牛後さんの10句を

ここに転載させてもらうと


 この先に我棲む電柱に根開け

 土の春角になりたき牛の皮膚

 初蝶は音なく猫に食はれけり

 さへづりや牛の尿の黄金色

 芋虫踏む破裂音われに摩擦音

 鬼灯や人の死に村若がへる

 秋蝶あかるしトラックの下を出て

 一頭の病みて夜寒の牛の群

 雪晴や北を指す手の真直ぐなる

 凍砂に糞まる猫やちよつと震へ


以上10句の中で

私が特にすごいなと思ったのは

 初蝶は音なく猫に食はれけり

これは、芭蕉の

 道のべの木槿は馬に食はれけり

と同じような趣向で

実際に見た景を

ありのままに句している。

こんな猫の句は初めてだ。

また

 さへづりや牛の尿(ゆばり)の黄金色(こがねいろ)

という句は

鳥が囀る春の牧場で

牛が気持よく尿をしている姿が

リアルに描かれて居て

とても心惹かれる句だ。

やはり牛後さんが詠む牛の俳句は

すすごいな、とつくづく思う。

4人の選考委員のうちの1人である正木ゆう子さんが

「自分の強みをうんと前に出していってほしいです。

この人が自分で詠んでつまらないと思った句でも

牛の句ならいいんですよ。牛の句をもう少し増やしたらいい。

もっと読みたい。」

と、座談会でエールを送っている。

これは私も同感で

牛後さんにはもっと牛の俳句を詠んでもらいたい。

私もそれをもっと読んでみたいし

牛の俳句を全国に発信していただきたいと思う。

花や鳥の俳句が多くの俳人に詠まれているように

牛の俳句ももっと多くの俳人に詠まれてほしい。

そして私も負けずに

もっとたくさん牛の俳句を詠み

世の中へ発信したいと思っている。

牛の俳句を発信し続けることによって

人と牛の関係を

深めてゆきたい

それが私の願いである。

酪農家の牛後さんには

それができる俳人として

私は大きな期待を寄せている。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
 

 

動物の交通事故死

一昨日の往診の途中、

路上にエゾリスが横たわっていた。

CEED1FE3-B6BB-407D-B6D3-922A5899C282道路を横断中に、

車にはねられて死んでしまったらしい。

エゾリスの交通事故死を見るのは、

これで何度目だろう。

エゾリスに限らず、

90F664EA-7259-47A1-9C61-E58081B75939道路を横断中に、

車にはねられて死亡した動物を、

見つけることは少なくない。

最も多い動物は

私の記憶では

猫である。

その次に記憶が多いのは

狐だろうか。

その次に多いのが

エゾリスかもしれない。

狸も何度か見たことがある。

ハトやカラスなどの

鳥が死んでいることを見ることもあるが

車にはねられたのかどうかは定かではない。

不思議と犬は見たことがない。

放し飼いの犬は少ないせいなのか

犬が車にはねられて死んでいるのを見たことはない。

聞くところによれば

鹿や熊なども車にはねられて死亡することがあるようだが

私には目撃の経験はない。

馬や牛も車にはねられて死亡することがあるようだが

IMG_2150私には目撃の経験はない。

馬や牛は野生動物と違うので

はねた自動車の責任よりも

はねられた牛馬の管理責任を

飼主が負わされる

と聞いたことがある。

ともあれ

動物の交通事故死は

悲しい出来事である。

交通事故で死んでしまうのは

人間ばかりではないのは

いうまでもないが

その実態は

よくわかっていないようだ。

専門的に調査している人は

いるのだろうか?

統計はあるのだろうか?

知っている方がいたら

教えていただきたいと思う。

703D082D-98C9-4F4F-9B5D-70A948C09ACBちなみに

道路上で

動物の死体を発見したら

勝手に処理をするのではなく

役場に電話をして

処理をしてもらうべきで

私も猫や狐が斃れている時は

役場に通報するようにしている。

野鳥の場合も

勝手に処理をするのは危険である。

大きな動物の時は

なおさらであろう。

しかし今回のエゾリスは

いろいろ考えたが

結局

役場には電話せずに

路肩によけておくだけにした。

それで良かったのかどうか

未だに少し心残りがあるのだが・・・

(合掌)


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  

微研学術セミナーin帯広(2)

「新生子牛へワクチン接種した場合、

ワクチンブレイクという現象によって、

その病原体に対する抗体価は上がらないけれども、

抗体価が上がらないからといって、

免疫力も上がらないのではなく、

細胞性免疫はしっかりと獲得され

免疫力が増強される。

したがって、

新生子牛へワクチンを接種する時、

ワクチンブレイクを気にして、

接種を遅らせる(生後3ヶ月〜)必要はなく、

新生子牛へ早期からのワクチン接種が、

有効である。」

今回のセミナーで

私が教わった新知見である。

講師の大塚先生は

この説を唱えるきっかけになったのが

人医療における小児のワクチン接種法だったという。

人の新生児には母親の胎盤を介して

IMG_2552IgGが移行しているにもかかわらず

できるだけ早く

数種類のワクチンを接種することが推奨されているという。

その理由は当然

ワクチン接種の効果が期待できるからである。

IMG_2553その効果とは

発症率の低下という形で現われたり

発症した後の症状の軽減という形でも現われるもので

血中抗体価の高低とは必ずしも一致しないものだった。

講演時間の関係で詳しいデーターの解説は省かれたが

結論として、前回の記事に書いた通り

ワクチンブレイクによって出来た抗原と抗体の結合物は

マクロファージに貪食され

その抗原情報がTリンパ球に記憶され

細胞性の免疫機能が準備される

という新知見が示された。

したがってワクチンブレイクを気にして

新生児へのワクチン接種の時期を遅らせる必要はなく

むしろ生後の早い時期に積極的にワクチンを接種すべきである

というのである。

この理論を裏付けるものとして

実際の現場のワクチネーションの

実例で示したのが

次の講師の加藤先生だった。

加藤先生のデーターの1つは

なかなか衝撃的だった。

それは

サルモネラ症によって

新生子牛が生後数日で次々と重篤な症状を示し

高い確率で死亡してゆくある農場で

サルモネラ症不活化ワクチンを

出生直後に接種し始めた時の

死亡率の変化を示したものだった。

詳しい数字は省略するが

IMG_25552ワクチン接種を開始した時点で

サルモネラ症による子牛の死亡率が

有意に低下している。

その劇的な変化に私は驚いてしまった。

ちよっと読みづらいが

IMG_2532プレゼンテーションの写真に示されているのが

そのワクチネーションプログラムである。

是非参考にしていただきたいと思う。

ちなみに

このサルモネラ症不活化ワクチンは

主催者の京都微研の製品ではなく

他社の製品だった。

ともあれ

サルモネラ症以外の

他の細菌やウイルス感染症においても

新生子牛への早期のワクチン接種で

同じような効果が期待できる

と考えるのが自然ではなかろうか。


(この記事終わり)


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  

微研学術セミナーin帯広(1)

第6回微研学術セミナーという講演会が、

ホテルグランテラス帯広で開催された。

IMG_2524そのテーマは、

「若齢牛における感染症コントロールの最新知見」

として、

 講演1「子牛の免疫とワクチンに対する新しい考え方」

            酪農学園大学  大塚浩道 先生

 講演2「生産現場から見た子牛の疾病対策と課題」

            酪農学園大学  加藤敏英 先生

IMG_2528という二つの講演を聴く機会に恵まれた。

大塚先生は北里大学から酪農学園大学へ招かれた気鋭の獣医学者。

加藤先生はNOSAI山形の臨床家から酪農学園大学へ転身した気鋭の先生。

どちらも大変興味深く役に立つ情報が満載の話だった。

IMG_2521その中で、特に

私がここで書いておきたいと思った新知見

二人の先生にのそれぞれ講演に

共通する一つの新知見、があった。

それは

新生子牛へのワクチン接種についての新知見だった。

新生子牛というのは

生後1〜2ヶ月間は母乳からの移行抗体を持っているから

その時期にワクチン接種をしても

移行抗体によってワクチンの抗原物質は中和され

その時期の子牛の抗体価は上昇しない、という現象

いわゆるワクチンブレイクという現象が起こることが知られている。

抗体価が上がらないのだから

その間の子牛の免疫力は上がらないだろう

そう考えて

子牛にワクチンを接種するのは

母乳の移行抗体が消失する

生後3ヶ月程度まで待ってからの方が良い

という常識のようなものがあった。

今までのワクチン接種法の常識的なこととして

広く知られていたことだった。

ところが両先生の講演は

その常識をくつがえすものだった。

例えば

新生子牛へBVD-MDのワクチン接種をすると

ワクチンブレイクが起こり

新生子牛のBVD-MDに対する抗体価は思うように上がらない。

今までの常識では

抗体価が上がらないということは

免疫力が上がらないということである

と理解されて来た。

ところが、両先生の話はそうではなかった。

ワクチンブレイクという現象によって

抗体価は上がらないけれども

その子牛が持っている母牛からの移行抗体と

BVD-MDワクチンの抗原物質との結合物が多数生産される。

その後、その結合物が

マクロファージに貪食されて

その結果、BVD-MDの抗原情報がTリンパ球に伝達されて記憶され

その子牛はTリンパ系の細胞性免疫を獲得する

というのである。

つまり

新生子牛にワクチンを接種すれば

ワクチンブレイクによって抗体価は上昇しないけれども

細胞性免疫のほうはしっかりと準備ができるから

いざ本物の病原体の攻撃を受けた時

症状は軽度で済み

ワクチン接種の効果は

十分に現われるのだという。

二人の先生の講演内容は

ワクチンブレイクを気にして

新生子牛にワクチンを打たないという

今までの常識を

くつがえすものだった。

出生後(10日後〜)にはもうワクチンを接種してよい。

その時起こるワクチンブレイクを気にしなくてよい。

むしろ積極的にワクチンを接種すべきである。

ということを

我々に示すものだった。


(この記事つづく)


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  

「自防」の予防注射

毎年10月は、

我が町の牛達の予防注射のシーズンである。

牛の予防注射にも色々あるが、

我が町で毎年行われるこの仕事は

主に気道感染症(IBR、BVD-MD、など)のワクチンを、

町役場が事務局になっている自衛防疫組合(略して自防)の事業として、

我が町の牛達のほぼ全頭を対象に、

一斉注射をして回るというものである。

本格的にこの一斉注射が始まったのは、

今からもう10年以上も前だった。

当時はIBR(牛伝染性鼻気管炎)が

酪農家の間でポツポツと集団発生をして

我々を悩ませていた。

その対策として

町内の牛のIBRの予防接種を徹底しよう

ということがそもそもの動機であった。

当時はIBR単味の生ワクチンを

12ヶ月齢以上の全ての牛に接種し

それより若くて3ヶ月齢以上の牛には

BVD-MD(牛ウイルス性下痢粘膜病)をはじめとする

5種混合生ワクチンを接種していた。

その後、6種混合不活化ワクチンになり

一昨年までは全頭を対象に接種をしていた。

そのおかげで

IBRの発生はピタリと鎮まり

町内の牛群の抗体価も上昇し

一定の効果を得ることができた。

ところが、ここ数年

BVD-MDの蔓延が問題視され

予防接種の重点がIBRからBVD-MDへと移行してきた。

予防ワクチン製品の種類も

6種混合不活化ワクチンに加えて6種混合生ワクチンや

その他BVD-MDを主なターゲットとする多彩なワクチンが開発されてきた。

我が町の自防としても

その流れに乗って、新しいワクチンを使うようになった。

しかし、新しいワクチンになればなるほど

免疫効果は高められるのだが

薬価も高くなり

飼主さんの負担が増える

という現実に直面する。

そこで

一昨年からは

町内の牛全頭へのIBR単味の生ワクチン接種をやめて

若齢牛の6種混合生ワクチンの接種を重点的に行い

飼主さんの経済的負担の軽減と

予防体制の効率化をはかった。

現在は

3ヶ月齢以上で約12ヶ月以下の若齢牛に

まず6種混合生ワクチンを接種し

その後の補強として2回の不活化ワクチンを接種する

というL-K-K(生-不活化-不活化)方式を採用している。

すなわちこれは

町内の全ての牛が

生涯に3回のワクチン接種を受ければ良い

という方法である。

これによって

IBRの免疫だけは若干手薄になるかもしれないが

その他の牛の気道感染症に対しては

特に最近問題視されているBVD-MDに対しては手厚い方法であり

とりあえず今のところは

ベストの予防対策になっているのではないかと思う。

EDE2AF49-BDEB-4524-976D-C9404DE0987E一連の写真は

先日、私が担当した

巡回予防接種のひとコマ。

この日は役場の事務局のK野氏と

JAの窓口のN岡氏と

26914A90-6F96-47EC-B5C6-E0E263A52CE0NOSAIの獣医師の私とで

3人の予防接種チームを組み

町内の牛を注射して回った。

このワクチン接種チームのメンバーが

交代交代で

IMG_2495約7日間にわたって

巡回接種が繰り返される。

ちなみに

写真に写っている

役場の事務局のK野氏というのは

1049368A-AB4A-41E2-8E64-E081F225ABBA我が「俳句」仲間の

「俳人」のK野K典さんである・・・。

また、ちなみに

この農家さんの

処理室の扉には

「ねこにげ注意」

という張り紙がしてあった・・・。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。  
Profile

豆作(まめさく)

ギャラリー
  • マルちゃんVSペヤング(5)
  • マルちゃんVSペヤング(5)
  • マルちゃんVSペヤング(5)
  • マルちゃんVSペヤング(5)
  • マルちゃんVSペヤング(5)
  • マルちゃんVSペヤング(5)
  • マルちゃんVSペヤング(5)
  • マルちゃんVSペヤング(5)
  • マルちゃんVSペヤング(5)
蓄 積
1日1回クリック宜しく!

願援助為自己満足
livedoor 天気
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

感 謝
牛馬語の俳句

  • ライブドアブログ