獣医学に限らず、自然科学のデータというのは再現性が求められる。あなたの研究で出したデータの有効性を追試でもう一度確かめます、ということになる。マウスやウサギなどを使った実験データであれば、ほとんど同じ条件で追試を行うことが可能である。イヌやネコでもまぁかなり精度の高い追試はできるでしょう。しかしこれが牛や馬となると・・・実験用の牛馬をそろえるのは大変な設備と手間とお金がかかる。人手もすごくかかる、さらに高等な動物を実験動物にするとなると動物愛護の倫理にも引っかかってくる。
ある学者がAという薬品をA群の牛に注射したら牛が元気になったといっても、違うところで行う追試では薬品Aはあっても牛群Aを作ることはまず不可能に近い、気候風土の違う牛群BやCを使わざるを得ないのだ。ある薬が牛や馬にとてもよく効いたからといって、それを別の牛馬でやってみるとサッパリ、ということが臨床現場ではよくある。牛馬に関する獣医学術データというのは、マウスやウサギでのデータと違って、いかにアバウトなものか、ちょっと考えただけで解りますよね。