尿閉の治療（尿道口形成術）

今日の昼からは、尿石で尿閉になった肥育牛の緊急手術。

陰茎の根元が石で詰まってしまって膀胱がパンパン、こういう場合は直ちに肛門と陰茎の間の会陰部を切開して尿道を十分に引っ張り出し、チョキンと切断する。そうすると、たまりにたまった尿が切った所からどんどん出てくるのです。この瞬間、この牛の陰茎は一生お役ご免となります。めでたしめでたし。

新しく縫い合わせて造った尿道口は会陰部に開口するので、これからはまるで雌牛のように、後方へ尿をするようになります。

ニューハーフのお姉さん達の工事も似たようなイメージなんだろうな、たぶん。牛の場合は不要になった陰茎はつけたままだけど、彼らのはちゃんと取ってあげないとだめだよね。

Comments

[1. Air]

へぇ〜。牛でもあるのですね。尿閉から会陰尿道ろう形成術。そういえば草食だから牧草によっては尿石でき易いんでしょうね。
水族館、いいですよね〜。クリオネがぴよっぴよっと泳いでるところなんて、いつまででも見てられますよ！でも大抵人がうじゃうじゃいてあんまりみられないんですが。

[2. 豆作]

肉にする肥育素牛の雄はすべて去勢されています。玉を失った彼らは尿石をやるとさらに竿も失ってしまうんです。ま、必要ないからいいですけどね。
学生時代一人で水族館行きましたよ。お気に入りの水槽の前で何十分もぼーっと、人目には危ない奴でした（笑）でもいつか又行こうと思ってます、変なオジサンで結構。

[3. chakko]

去年、大学で尿石症の子牛の手術をしました。残念ながら、翌日には剖検が決まっていた為、予後は不明となってしまいましたが･･･
こういう手術の時は、何人かでやるんですか？

[4. 豆作]

普通一人でやります。往診先で、そのまま枠に入れてやる事もあります。昨日は診療所まで運んできてもらってやりました。引き付けたほうが設備、衛生面は言うまでもなく、同僚獣医師がその辺にうろついているので何かと便利です（笑）。
高桑一雄著「家畜臨床、処置と手術の要領」共済薬事
の記述を元にやりやすくアレンジしてやってます。
うちでは年間2〜3頭ぐらいしかやりませんけどね。

[5. chakko]

私が某県のNOSAIで実習させていただいた時には、手術は四変しか無かったので、前々から「四変以外の手術も一人でされるのかな」と疑問でした。
大学では術者＋助手(1〜2人)＋外野(1〜2人)と、なかなか大掛かりですから･･･人がいない時はプチパニックですけど、臨床の先生方は大体１人でこなされるんですよね。いやぁ、すごいっ！

[6. 豆作]

四変も基本的に一人ですが、家畜車で牛を運んできているので、その家畜車の運転手氏（飼主または博労さん、最近は農協で専門に雇っている所もある）に保定等を手伝ってもらいます。この人がたとの呼吸が大事です。

[7. 吉田明子]

いきなりですが、獣医師の実習させて下さい。私も獣医師で、和牛の繁殖と肥育をしている人と結婚しているのですが、牛の事もっと勉強したいのです。以前は、競馬場につとめていました。

[8. 豆作]

＞吉田さん
高桑一雄著「家畜臨床、処置と手術の要領」共済薬事
をお読みになって、まず勉強されてはいかがでしょうか。
実習というと、受け入れ先の都合など、いろいろ手続きが要るものです。
和牛農家さんに嫁いでおられるなら、その場でよい勉強ができるはずです。
地元の獣医師会や、地元のお知り合いにまず相談される事をお勧めします。