4日前の夜当番は久しぶりに忙しく、深夜の子宮捻転を含めて5件だった。

子宮捻転を腕力だけで整復できる割合はどのくらいなのかわからないが、私の場合成功率は2割程度かなと思う。

その夜も深夜1時ということもあり、患牛をローリングさせるスタッフを呼ぶのは近所に気の毒だということで、腕力でやってみた・・・のだ・・・が・・・ううっ・・・子牛の頭は子宮の中でなかなか言う事を聞いてくれず、私の指と腕はぱんぱんになってしまった。握力激減。用手整復率2割にならず失敗率8割の方が来た。30分ほどでリタイヤし、後輩獣医のM君を夜中に呼び寄せて帝王切開。オスのF1を無事摘出。とりあえずここまではよかった。

翌日は、月末に溜めていた繁殖検診が数件予定されていた。この日は20頭そこそこだったので腕の痛みも無く終了。でも何だか自分の指が太くなってるなぁと感じていた。

翌々日は、又昼から繁殖検診30頭程度と馬の繁殖が4頭・・・どうもまだ利き腕を握る力が入らない。

その翌日、馬の妊娠鑑定で重たいエコーカメラを運んでは設置、又直検、運んでは又直検・・・プローブがこんなに重く感じたことは無かった。

で今日、昼に伺った牧場で牛の繁殖を15頭追加で頼まれ・・・、次の家では馬の妊娠鑑定はっきりせず結局エコーカメラを取りに行って鑑定。それを戻して昼からは又予定していた牛の繁殖、30頭。

いくら直検が好きな仕事だとはいえ、利き腕が筋肉痛の時にこうも続くとねぇ・・・牛や馬の肛門が憎らしくなってくる。入れるたびに微痛が走る。爪の生え際がささくれる。箸が重い。

しかし、それも今日でやっと終わった。明日は1日家保の仕事のお手伝い、種馬の採血だけで直検は無い・・・ホッ。

これからは、難産であまり無理しないようにしなければ。こんなこと考えるの初めてのことだけど、これも寄る年波のひとつなのだろうな。

 かなぶんにすがりつかれる獣医の手