子宮脱子宮脱の原因は何だろう?

私の経験や記憶をたどると、子宮脱になった親牛は、小さめの子牛を産んでいるという印象がある。

推測の域を出ないのだけれど、小さい子牛を短時間に産み終えてしまった場合に子宮脱が起こるのではないかと私は考えていた。

小さな子牛をあっという間に産み終えた親牛は、まだ踏ん張る力を残しているので、怒責を続ける。持て余した過剰な怒責によって、自分の子宮までも「産んで」しまい、その結果が子宮脱になるのではないか?

ずっとそう考えていたのだが、一昨日の朝の症例(写真)は、私の推測を覆すものであった。

飼主が発見した時は胎児が頭だけ出て止まっていた。胎児の顔と舌は腫れあがり既に死亡。飼主が滑車で引っ張っても出ず、やむなく飼主はトラクターを使ってゆっくりと胎児を引っ張り出したそうだ・・・(出す前に獣医呼んでくれれば、粘滑剤を使ってつるっと出したのにね)。

きついお産でめりめりと牽引介助した牛が子宮脱になるのは、私の記憶をたどるかぎり、むしろ珍しい事だ。しかし、今回の子宮脱はそうだったのだ。前述の私の理屈では説明がつかないタイプの子宮脱なのだ。

私の理屈は修正しなければならなくなった。すなわち、子宮脱は大きな子牛を産んだ親にも起こる。そして「過剰な怒責」だけではなく「過剰な牽引」でも子宮脱が誘発される・・・。