「北海道農政部・食の安全推進局・畜産振興課」の「飼育動物診療年報」

今度は、その82ページ。診療頭数上位10病名(肉用牛の巻)である。

 1位 肺炎(細菌性)        69,206 頭

 2位 腸炎(感染性)        14,875  頭

 3位 気管支炎            5,657 頭

 4位 肺炎(その他)         4,265頭

 5位 外傷不慮その他(その他)  3,653 頭

 6位 コクシジウム病         2,613 頭

 7位 黄体遺残            1,916 頭

 8位 腸炎(その他)          1,445 頭

 9位 腸炎(食餌性)                       1,065 頭

 10位 卵巣静止                         1,040 頭

もうとにかく、なんといってもこれは圧倒的に、「細菌性の肺炎」なのである。

そのパーセンテージは全体の6割を占めている。

肺炎はさらに「その他性?!肺炎」が4位にランクイン。ベストテンには無いが12位に「ウイルス性肺炎」、18位に「マイコプラズマ性肺炎」が入っている。

3位の「気管支炎」を含めて、肉用牛の病傷カルテは気道感染症のオンパレードだ。

しかし、乳牛の乳房炎ほど、病原菌の細菌検査はちゃんと行なわれてはいないはずだ。

またたとえ細菌検査がしっかりと行なわれていても、混合感染が多く、病原を特定する事は簡単ではないだろう。その実態はいわゆる牛呼吸器病症候群(Bovine Respiratory Disease Complex)として存在するのだ。

だから、抗生物質で治癒したという理由で「細菌性の肺炎」という病名にしていても、実際はウイルスがまず初めに感染していたり、マイコプラズマが混合感染していたりするのが相当数に上っているはずである。

2位は「腸炎」。これも感染症だ。多くは子牛だろう、が、肉用肥育牛の腸炎は、サルモネラやO-157やヨーネなどによる厄介なものもあるから、注意しなければならない。肉として直接人間が食べるわけだからね。

5位に「外傷」が入っている。肉牛の外傷不慮ってそんなに多い気はしなかったんだけど、これは意外だった。北海道の肉用牛は多頭数管理だから、怪我も多いのかな?

6位の「コクシジウム症」は納得できる。下痢症の中で、コクシは現場の感覚でも多いと感じる。

7位に堂々とランクインしたのが「黄体遺残」だ!、飛ぶ鳥を落とす勢いですなこれは。

8位9位はまた腸炎。

10位に「卵巣静止」。一昔前は繁殖の病名はみんなコレか子宮内膜炎かだったんだが・・・

以上、肉牛の巻でした。