まど・みちお1909年生れのこの人の顔をご存知だろうか

「まど・みちお詩集」 ハルキ文庫 1998角川

ピンと来ない方が多いと思うが、「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「ドロップスのうた」「1ねんせいになったら」といった童謡の作詞者だといえば、おわかりだと思う。

「ぞうさん」は、まど・みちお氏が42歳の時の作だそうだ。

そんな氏の作で「馬の顔」という詩がある。

 

  馬の顔       まど・みちお

 

馬の顔を そばで見ていると

じーんと してくる

 

汗ばんだ肌が

夕やけて 息をするのが

地面の底からの 息のようで

私たち ぜんぶの生き物の

息のようで

 

円(つぶ)らな目ん玉が

はだかで うるんでいるのが

いま 神さまに

洗っていただいたばかりのようで

その神さまのお顔のほかには

なんにも映してはいなさそうで

 

じーんと してくる

生き物という生き物の生命(いのち)を

ひとり勝手気ままにしている人間の

その子どもである ぼくの胸は