草の名は知らず珍し花の咲く 

  (クサノナハシラズメズラシハナノサク)

美しい回文の俳句である。

高校時代に、英語の先生が教えてくれた。

感動して、ノートの余白に走り書きした事を今でもよく覚えている。

教わった回文俳句はもう一つある。

  恋しさや田舎の家内やさしいこ

これまた、美しく完成度の高い回文の575である。

誰が作ったのかはわからないが

よい作品というのは、こうやっていろいろな人に愛唱されて

すなわち、人口に膾炙(かいしゃ)されて、残ってゆくものなのだろう。

物好きな私としては、自分でも回文俳句作家になりたいものだと

自作の回文俳句をこしらえては、挑戦を続けている

  夜泣くな薬のリスクなくなるよ

  背を丸く手足押し当てクルマ押せ

  満ちたりしトイレきれいと尻立ち見

  カルテメモ溺死らしきで揉めてるか

  済ましたい産気の検査いたします

  焼き芋を取り出したりと思いきや

  床の間やクワガタが湧く山のこと

うーん・・・しかし・・・

なかなかむずかしいのである

高校時代に教わった最初の2句の完成度には

まだまだ遠く及ばない・・・