私の向かいに座っている先輩獣医師との会話。
「◆さん。香典台帳・・・書くの終わったら回してくださいね。」
「はいよっ・・・今日は沢山あるねぇ。」
「俺なんか、親牛の御通夜ばっかり、3件すよ。」
ここで言っている『香典台帳』とは
もちろん人間様の台帳ではなく
『家畜共済死廃事故発生簿』のことである。
◆さんと私は、いつの間にかこう呼ぶようになった。
「はいどうぞ。謹んでお悔やみ申し上げます・・・」
「どうも・・・」
NOSAIの獣医師は、病気の治療や予防ばかりが仕事ではない。
死亡事故の確認という仕事がある。
先日の親牛に続いて、昨日も子牛の死亡事故を3件確認してきた。
病気の発生もそうだが
死亡事故も、続く時は続くものだ。
合掌・・・
台風や低気圧が通り過ぎた時は
香典台帳への記入が多くなるような気もする。
レンズ雲残し台風去りにけり
死廃事故が続くときは続きますが、ないときは全然ありません。
乳房炎もそうです。
もっともこれは、単なる偶然じゃなくて、飼料の質や気候の変化などによるのでしょうが。