どうも最近、お産に良くあたる。

先日の双子に続いて

夜当番の日は尾位の過大児。

その日の朝には側頭位。

昨日は午後の往診の初っ端に、陣痛微弱。

そして又、朝早く電話が来た。

「あの・・・子牛が・・・中でイナバウアーやってるんですけど・・・」

朝の緊急電話で、この稟告には思わず吹き出してしまった。

しかし

本当にイナバウアー状態になっているとすれば、これは大変なことだ。

前肢と頭部が共に反り返っていたら、これは容易に出せるものではない。

恐る恐る手を入れてみると・・・

前肢が2本。

頭部は触れない。

・・・普通の「側頭位」とわかり、ホッとした。

しかし怒責が強く、頭部の手がかりを掴もうとすると、腕が締め付けられる。

羊水は充分残っているのに、陣痛が激しい。

こういう時に頼りになるのが

『子宮筋弛緩剤』(塩酸クレンブテロール)。

静脈内投与して、しばらくすると

怒責は軽減し、頭部の眼窩まで手が届くようになった。

あとは、眼窩に鈎を掛けて、ロープで軽く持っておいて

出ていた前肢を押し込む。

ぐぐぐっ・・・

と頭部がこちらへ向いてきて、整復完了。

後は普通のお産である。

側頭位の奥まで曲がってしまったものは、昔は随分苦労したものだが

最近はこの子宮弛緩剤のおかげで、楽に出せるようになった。

塩酸クレンブテロールは、失位整復時の強い味方

良い薬が出来たものだ。

     *    *    *

象の正常位象の胎児の正常位は

牛馬で言う尾位(逆子)なのだそうだ。

正常位が尾位(逆子)なのだ。

では

牛馬で言う正常位は

象で言うと・・・なんだろう?

『鼻位』、かな?!

鼻が邪魔になって、出しづらそうだね。