「この牛、予定日なんだけどなーんとなく元気がなくてね。」
そんな漠然とした♬さんの稟告
で診せられたのが
写真のような牛だった。
「陰部がずいぶん腫れてるね・・・」
「あー、それね。お産のときいつもこうなんのよ、この牛。」
「膣脱・・・でもなさそうだし・・・むくんだ感じだね・・・」
「うん、後ろ足も、なーんとなく腫れてんだよね。いつもそうなのよ。」
「なにかの過敏症なのかな・・・」
「良くわかんないんだけども、なんかペニシリンかなんか打っといてくんないべかな。」
「・・・発熱は特にないみたいだけど・・・」
とりあえず体温、心拍数、は正常範囲。
特に抗生物質を打たなくても良いとも思ったのだが
この腫れ方はちょっと異常に見えた。
外陰部と後肢には浮腫があるのだが、膣内、子宮、はともに正常所見だった。
子宮外口の開きはまだだったが、粘液には透明感と流動感があった。
「ついでにさ、獣医さん。こいつの分娩、子牛を出させる注射とか、打っといてくんないべか。なんか心配で。」
「・・・まぁいいけど・・・」
分娩はもう近いようだ。
陰部の浮腫や後肢のむくみが、何かの過敏症であるならば
副腎皮質ホルモンも、分娩誘起と浮腫軽減の一石二鳥効果が期待できると思ったので
結局ペニシリンとデキサメサゾンを投与した。
「明日の晩くらいまでには、産むと思うから、良く見ててね。」
私はそういって帰路についた。
翌日の午後
この牛は、無事に出産したらしい。
外陰部や後肢の腫れは、そう簡単には引かないかもしれないが
その後、何も言って来ないところをみると
きっと、良くなっているのだろうと思う。
後で知ったのだが
この牛は、♬農場の最長老牛なのだそうだ。
そしてお産のたびに、毎回このように陰部が腫れるのだそうだ。
しかし、いつもお産は、無事なのだそうだ。
ならば
やっぱり、私が治療などしなくても
この牛、おそらくきっと無事に産んでいただろう・・・(笑)
そんな漠然とした♬さんの稟告
で診せられたのが
写真のような牛だった。
「陰部がずいぶん腫れてるね・・・」
「あー、それね。お産のときいつもこうなんのよ、この牛。」
「膣脱・・・でもなさそうだし・・・むくんだ感じだね・・・」
「うん、後ろ足も、なーんとなく腫れてんだよね。いつもそうなのよ。」
「なにかの過敏症なのかな・・・」
「良くわかんないんだけども、なんかペニシリンかなんか打っといてくんないべかな。」
「・・・発熱は特にないみたいだけど・・・」
とりあえず体温、心拍数、は正常範囲。
特に抗生物質を打たなくても良いとも思ったのだが
この腫れ方はちょっと異常に見えた。
外陰部と後肢には浮腫があるのだが、膣内、子宮、はともに正常所見だった。
子宮外口の開きはまだだったが、粘液には透明感と流動感があった。
「ついでにさ、獣医さん。こいつの分娩、子牛を出させる注射とか、打っといてくんないべか。なんか心配で。」
「・・・まぁいいけど・・・」
分娩はもう近いようだ。
陰部の浮腫や後肢のむくみが、何かの過敏症であるならば
副腎皮質ホルモンも、分娩誘起と浮腫軽減の一石二鳥効果が期待できると思ったので
結局ペニシリンとデキサメサゾンを投与した。
「明日の晩くらいまでには、産むと思うから、良く見ててね。」
私はそういって帰路についた。
翌日の午後
この牛は、無事に出産したらしい。
外陰部や後肢の腫れは、そう簡単には引かないかもしれないが
その後、何も言って来ないところをみると
きっと、良くなっているのだろうと思う。
後で知ったのだが
この牛は、♬農場の最長老牛なのだそうだ。
そしてお産のたびに、毎回このように陰部が腫れるのだそうだ。
しかし、いつもお産は、無事なのだそうだ。
ならば
やっぱり、私が治療などしなくても
この牛、おそらくきっと無事に産んでいただろう・・・(笑)
必ず我々が呼ばれて、牽引することになります。難産を繰り返した割には、結構長生きした記憶がある。
必ず腰抜ける牛や、双子産みの牛や、メスっぱらやオスっぱらの牛もいたけど、それらを観察し続けるほど、牛を持たなくなってしまった。
短命になった牛への感情というか、愛着がなくなってしまった。そんな気がします。