だいぶ前のデイリージャパン誌に、英国の雑誌の論文が紹介されていた。

それによると

人と動物の関係(HAR)の研究誌「Anthrozoos」Vol.22,Number1,2009年3月号に、516戸の酪農場でHARを調べたところ、90%以上が、「牛は感情を持っている」と回答し、78%が「知性を持っている」と回答したという報告が載っている。

このデーターで私が驚いたのは

英国の「酪農家」約10%は、「牛は感情を持っていない」と回答していること

さらに

「酪農家」の22%が「知性を持っていない」と回答していること

である。

都会に住む人たちならともかく

毎日牛にエサをやり搾乳している英国の「酪農家」がそう思っているのである。

これに対して、日本の「酪農家」は、どうだろう。

「牛は感情を持っていない」と答える酪農家は、日本にいるだろうか。

「牛は知性を持っていない」と答える酪農家も、日本では英国よりはきっと少ないだろうと思う。
 
DVC00636最近、往診中の牛の目がとても気になるようになった。

彼らの目は

じつに様々な表情を浮かべるので

DVC00638飽きることがない。

さまざまな目の表情を撮ろうとしているのだが

カメラを向けたときの彼らの目は

おおむね、緊張している。

DVC00607獣医に対しては、無理もないか(苦笑)・・・


多くの牛達が涙を流すことも、以前に書いた。

その時の彼らの目の表情は

たいへん悲しそうである。
DVC00602
悲しいだけではなく

その目には恐怖感もあるように見える。

悲しみや恐怖だけではなく

注射針に刺された時の痛みなのか

その目が痛みをこらえて

震えるように見えるときもある。

「牛には感情や知性がない。」

という発言をする英国の「酪農家」は

いったい牛のどこを見ているのだろうか、と思う。

私はもちろん

牛に感情や知性は

「あるに決まっている。」と思っている。

そんな話を

昨日の往診で、注射の最中にしていたら

聞いていた酪農家の◎さん曰く

「あんまり牛の感情とかわかっちゃうとさ、・・・やりづらいぞ(笑)。」

なるほど確かに・・・

それはそうかもしれないけど・・・(笑)。

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