¢牧場で治療中、牛舎の片隅に

後肢の形がおかしな牛を見つけた。

「あ、それですか・・・それは、治療する牛じゃないんで・・・」

DVC00749「これ、腓腹筋(ひふくきん)断裂だね。」

「そうなんですけど・・・これでもまだ搾ってるんですよ・・・」

「へーすごいね。」

「向うの牛舎からこの牛舎まで、何とか歩いてきたんですよ。」

「・・・すごいね。」

「自分で立てるんで、そのままここでずっと・・・」

DVC00750「・・・なるほど。」

「まだ普通にエサ食べるし、乳も30キロ以上でるんですよ。」

「ほんとに?・・・それは、すごいね。」

腓腹筋(ひふくきん)というのは

ヒトではふくらはぎに相当する筋肉で

そこが断裂してしまうと

DVC00752普通はもう、起立姿勢を保てなくなって

廃用になってしまうのだが

この牛は、筋「断」までいかない筋「裂」で

辛うじて止まっているのだろう。

まだまだ毎日30キロも乳を出して働いているとは

なんとも、けなげで

たくましくも、あわれな

そんな牛も

現場では

頑張って働いているのだ・・・

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