牛の診療をしばらく休み、その代わりの仕事として

農場へ出向いて、保険の継続のための頭数確認業務を続けている。

診療の時は

具合の悪い牛に聴診器を当てるために、いきなり横腹のほうから近づいたり

体温を測ったり直腸検査をするために、いきなりお尻の方から近づくことが多い。

imageしかし、頭数確認のときは

牛たちの顔のほうへ、声などをかけながらそっと近づき

適当な距離を保ったまま、耳の番号を読み取るだけでいい。

牛たちが警戒する程までに近づいて、痛い注射を打つような事がないから

彼らの表情は、じつに穏やかである。

診療の時の警戒した表情とは全く違う、優しい表情をしているのだ。

顔の近くに立っていると、牛の方から鼻を寄せて

匂いを嗅いだり、舌をちょっと出して優しく舐めてきたりする。

その時、彼らの目と鼻は透明な潤いがあり

とても純粋で健康な顔つきをしているのである。

牛の顔は、こんなにも可愛らしいものだったか・・・

診療ばかりして回っていて忘れてしまっていたようだ・・・

牛の可愛らしさ、というものが

耳標の確認に回っていて、あらためて

感じ取られたのだった。


 牛の目に潤ひあふれ春の空   豆作


 
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