「クソ喰らえ!」という罵倒の言葉がある。

これを丁寧に言うと「ウンコ、食べませんか?」となるのだろうか 。

仔馬は生まれてから2週間くらいまで

親のウンコをよく食べる。

いわゆる食糞行動、その理由は色々考えられるが

実際本人はどう思って食べているのかと想像すると

やはりきっと、美味いのだろう。

「仔馬が親の糞食べて咳き込んでるんだけど、大丈夫だろうか?」

先日そんな稟告で往診した。

聴診器を当て、肺音や気管音が正常なことを確かめて

熱もなく、元気なので簡単な手当てで帰ってきたその晩

また同じ家から往診の依頼が来た。

「飲んだお乳が鼻から出て来るんだけど、詰まってるんじゃないだろうか?」

IMG_1674 駆けつけて診て見ると

仔馬はお腹が減って乳首に食いつくのだが

飲んだお乳をうまく飲み込めずに、直ぐ口を放してしまい

その後白いお乳が鼻から垂れて来るた。

IMG_1675食べた糞による食道梗塞になっていた。

カテーテルを入れると咽頭から数センチの浅い部分で止まった。

カテーテルに水などを入れて開通させようとすれば

梗塞部位が浅いので、その水が気管へ漏れて危険である。

こんな症例に遭遇するのは初めてだったので

馬のスペシャリストの ドクターH氏に電話相談した。

「どんな親の糞、硬いの?」 

 「いや、そんな特別硬いような糞じやないけど・・・普通の糞。」

「それなら、仔馬が乳を飲めないようにしたらいい。口籠(くちかご)とかある?」

「うーん、無いけど、なんとかするか・・・」 

「飲めないようにしておいて、ひと晩もしたら、普通の糞くらいなら自分の唾液で流れて開通すると思うよ。」 

「わかった、やってみます、ありがとう!」 

かくして、ドクターH氏のアドバイスの通りに

ペットポトルの底に穴をあけ、即席の口籠にして

IMG_1672仔馬の口に装着して、一晩様子を見ることにした。

この即席の口籠は同行したO獣医師の発案で

なかなかグッドアイデアだった♪

翌日、口籠を外したら

仔馬の食道の梗塞は見事に解消し

仔馬はゴクゴクと喉を鳴らして親の乳首に食いついていた。

これにて、一件落着。

と・・・おもいきや・・・

「仔馬がまた、糞食っちゃって咳き込むんだわ。」

と飼主の§ さんから電話が来た。

「まだ詰まってはいないみたいなんだけど、どうしたらいいべ。」

「うーん・・・お乳も飲ませなきゃならないしなぁ・・・」

「飲ませたらまた、もうすこし口籠付けとくかね。」

「そうだね・・・」

そして、数日後

「仔馬、どうだい?」

「いやぁ、まだ糞食うんだよ。」

「まだ、食べんの・・・」

「それが、親のケツに付いて回ってね、糞たれるの待ってんだから、どーもならんさ。」

「・・・(笑)」

「古い糞には見向きもしないで、新鮮なやつに飛びつくんだから。」

「へー、すごいね。」

「口籠はもう大変だから、轡(くつわ)にしたさ。」

食糞行動はおさまらなかったものの

その後

食道梗塞にはならなかった。

それからまた

数日後

この仔馬はようやく

親のウンコを食べるのを止めたそうだ。

めでたしめでたし・・・

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