ニューヨーク名物、セントラルパークの馬車が今年一杯で廃止になるかもしれないのだそうだ。

amr14052318100007-n1この名物の馬車をめぐって

廃止派の動物愛護団体と

存続派の馬車協会が 

長年対立し論争を繰り返しているのだという。

廃止派の言い分は

「車道での馬車と自動車の接触事故、過酷な馬の労働状況、馬の不自然な生活環境がよくない、一世紀半前の社会と現代は違う・・・」

などの理由で、廃止すべきだという。

一方、存続派の言い分は

「馬はペットではなく労働用の動物であり世界中で重宝している、先代から受け継いだ伝統的な誇りのある仕事を奪われたくない、馬の健康には十分な配慮があり虐待ではない・・・」

などの理由で、存続すべきだという。

IMG_1779長年の論争が続く中で

双方の活発なロビー活動が繰り広げられたらしい。

そして今年の1月の市長選で、ついに

馬車ツアーの廃止を公約に掲げたデ・ブラジオ氏が勝ち

とうとう、今年一杯で馬車が廃止になりそうなのだという。

馬車ツアーが廃止になってからは

電動のアンティークカーが馬車の替わりに登場し

馬車の馭者68名ほか馬車業に従事する人全員に補償が与えられ

220頭の馬車馬たちは全てサンクチュアリ(保護区)に引き取られて余生を過ごす

という筋書きがあるそうだ。

この背景には

潤沢な寄付金を基に活動するアメリカの動物愛護団体の力が有るらしい。

「New Yorkers for Clean Livable and Safe Stress (NYCLASS)」

「ストレスのない清潔で住み良いニューヨークをつくる市民の会(・・・とでも訳せるかな?)」

この動物愛護団体は

本件に約20億円の寄付金を調達していると言われ

デ・ブラジオ市長はこの団体から選挙運動費として約1億3000万円を寄付されたと言われている。

このての動物愛護団体に多額の寄付をしている人たちというのは

成功した実業家や有名タレントなどが多いという。

一時的にせよ大変裕福になった実業家や有名タレントは

有り余った金の力にものを言わせて

地球上のあちこちで、色々と

動物愛護がらみの問題を引き起しているようである。

この馬車問題についても

またそんな印象を受けた。

また一つ

動物と人間が共生できる場所が失われる・・・

なんだかとても、寂しい話だ、と思った。

私は

畜産業に関わる者の一人として

馬車業界の人たちへの同情を禁じ得ない。

馬と共に生計を立ててきた馬車業界の人たちは

どう思っているのか、聞いてみたいものだ。

またこの話題について

アメリカの獣医師たちはどう思っているか聞いてみたいものだ。

そしてなによりも

今セントラルパークで馬車を引いている220頭の馬たちは

この人間界の動きをどう思っているのか?

それぞれ馬たち1頭1頭の思い(気持ち、考え?!)を

つぶさにインタビューして

聞いてみたい所なんだけどねー・・・

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