第17回【itak】の第二部は、54人108句という句会になった。

私が「天」に採らせていただいた句は


 来るバスを信じ吹雪の中に待つ  大槻独舟


「吹雪」という季題がドラマチックに描かれていると思った。

「地」には


 透明な水飲んでゐる雪だるま  中西亮太


中西さんはまだ大学生。雪だるまが溶けてゆく様子を、「透明な水飲んでゐる」とは

なんて素晴らしい表現だろう。

「人」には


 チョコレートかじりセンター試験かな  山田 航


高校生になりすました航さん、「センター試験」で良い句が沢山集まれば新季題の可能性も。

また

私が投句した句の中で


 「ENEOSよ!」折しも尻を!寄すオネエ   豆作


を、田中枢(かなめ)さんが「天」に、平倫子さんが「地」に

そして、回文名人・鈴木牛後さんが「人」に採ってくれた。

この句を逆から読んでいただくと分かるのだが

回文の575になっている。

田中枢さんからは、この句は無季なのが気になったけれど・・・、という評。

(確かにそうなんで、いま一歩ですね・・・)

鈴木牛後さんからは、前回僕が欠席して回文を採ってあげられなかったから、という評。

(優しいお言葉、すみません・・・)

そして、採っていただけなかったが、コメントを振られた回文王・山田航さんからは

あまりにも回文とすぐ分かってしまうのはどうか、という評。

(さすがに回文の神様は仰ることが違う・・・)

回文句は分かりづらすぎても、分かりやすすぎても

興が冷めてしまうものなのかもしれない

うーん、深いなぁ・・・(笑)

それぞれのコメントが心に沁みました。

そして句会は、和やかに終了し

場所を変えて

懇親会となった。

この懇親会がまた、【itak】ならではの

俳句三協会、無所属、老若男女、入り交じっての

魅力たっぷりの出会いの場であり

懇親会だけ出席しても価値の高い会なのだ。

特に、今回は

何と言っても、ネット上で知り合ってから8年近く経って

imageようやくお目にかかれた

下川町の放牧酪農家・俳人・鈴木牛後さん

と、酌み交わすことができたことが

私の一番の収穫だった。

第一印象は

細い体の割にはしっかりとした声。

小さな声では牛を追えないから当然か(笑)

牛後さんとは、仕事のこと、俳句のこと、短歌のこと、回文のこと

話題は尽きず、時を忘れた。

牛後さんがかつて詠んだ、新年の一句


 初御空白き牧野に立ちて仰ぐ  牛後


について、私は

「立ちて仰ぐ」という所がいかにも農場主らしいどっしり感

農場へのビジター業の私が詠むとそこは「来て仰ぐ」になっちゃう

なんていう話もした。

また、牛後さんの話の中で

「牛を詠むなら、放牧。」

という言葉が

私の頭の中にいつまでも

印象深く残っている。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画を撮りました

写真をクリックして

ご覧いただけます。