乳牛を繋ぎの牛舎で10数頭〜数10頭ほど飼い、

1頭ごとのきめ細かな管理をする。

そして、搾乳の時間以外はできるだけ、

放牧地やパドック(運動場)などの空の下に放ち、

乳牛たちの心体をリフレッシュさせる。

私が就職した、今から30年ほど前は、

そのような酪農が定着していたように思う。

いま思うと、その飼養形態は一つの完成度の高い方法であったのかもしれない。

そんな繋ぎ飼い方式が、経営規模拡大の波の中で

だんだんといろいろな変化をして行くようになる。

乳牛の繋ぎ飼い方式の変化の中で

私が最も心配なのは

乳牛を運動場に出し入れする繋ぎ飼い方式から

乳牛を終日繋ぎっぱなしにする方式への変化である。

天気の悪い日や、冬の寒い時期に

乳牛を数日の間牛舎に繋ぎっぱなしにする、というのであれば仕方がないが

そうではなく

もはや、乳牛たちを、天気の良い日であっても、どんなに気持ちの良い日であっても

繋ぎから解放することをせず

ほぼ永久に、繋ぎ牛舎の1頭分のスペースの中に牛を監禁し続けるのである。

飼主には、いろいろな理由があって

この方式へ転換することを決めたのだろう、が

きっと忸怩たる思いがあったに違いない。

そして乳牛たちは

どんな気持ちでこの生活環境の変化を受け入れたか

それを思うと・・・。

IMG_2660 (1)繋ぎっぱなしにすると

牛を出し入れする労力が省略できるばかりではなく

牛群全体の乳量が増えるそうである。

乳牛が運動しなくなった分のエネルギーが

乳量となって出てくるのだという。

IMG_2550しかし

牛が運動しなくなったことによるそれ以外の影響は

目には見えづらいが、計り知れないものがある。

乳牛が外で運動しなくなれば

IMG_0830足腰の筋肉は弱り

血液循環が悪くなれば

内臓機能も弱まる。

四肢は歩くことにはもはや使われず

狭いスペースで寝るか起きるかにだけ四肢を使う。

同じ姿勢ばかり取らされるので

関節や蹄の異常が多くなる。

終日繋がれたままになっているので

行動は極端に制限されて

発情がわかりづらい。

この10年ほどで

そんな、繋ぎっぱなしにされた牛たちを

治療する事が、なんと多くなったことか・・・!

彼らの足腰や内臓の弱さ

そして精神的なストレスは

計り知れない。

その、結果として

当然のように

乳牛の寿命は、短くなる。


(この記事、もう少し続く)



人気ブログランキング

IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画を撮りました

写真をクリックして

ご覧いただけます