先日の当直の深夜、早朝の3時半過ぎに

枕元の携帯電話が鳴った。

「子宮脱なんで、お願いします。」 

1日3回搾乳をしている規模の大きなD牧場の従業員さんからだった。

同じ事務所に泊まり込んでいる実習生と一緒に駆けつけてみると

乾乳牛のフリーバーンで、その牛は首を投げ出して倒れていた。

IMG_4387子宮は写真のごとく脱出し

首を上げる事も出来ないようだった。

「このままじゃ、子宮を元に戻せないから、牛を吊る道具とショベルが来て欲しい。」 

「わかりました。」 

子宮脱の緊急往診は、一刻を争う仕事である。

私はショベルを待つ間に

カッパと手袋を着用し子宮脱整復の出で立ちになり

子宮脱整復用の道具を準備した。

次に、この牛の血液を採取し

その後直ちにカルシウム剤とブドウ糖の投与をを始めた。

カルシウム剤とブドウ糖の投与が終る頃

牛を吊るカウハンガーと

パワーショベルがやって来た。

さぁこれから、牛の腰にハンガーをかけて

と思って、牛を見ると・・・

牛は異常に大きな息を吸っては吐き

あえなく、死んでしまった。

「・・・。」

「・・・じゃ・・また昼来るから・・。」

なんとも虚しい空気の中で

この牛の治療は終了してしまった。

後日・・・

IMG_4409この牛の血中カルシウム値の報告を見ると

3.7 (mg/dl)

という低値を示していた。

子宮脱の牛の血中カルシウム濃度を

必ず測るようになってから数年になる。

その感触として

子宮脱の牛は

非常に高い確率で低カルシウムになっているようなのだ。

今後さらに多数の症例を集め

その確率を求めてみたいという気持ちが

子宮脱の牛を治療するたびに強くなっている。

「子宮脱牛の血中カルシウム測定プロジェクト」というのは如何だろう?

往診で出逢った子宮脱の牛の採血をして

子宮脱牛が低カルシウムになっている「確率」と

子宮脱牛の血中カルシウム濃度の「平均値」

を、求めるという企画。

面白くないだろうか?

そういう調査的な仕事は1人でやるよりも

大勢でやったほうが良い。

興味のある臨床家の皆様(いるかな?)

コメントをお待ちしております。


人気ブログランキング

IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画を撮りました

写真をクリックして

ご覧いただけます