今仮に、ある二つの国の牛の畜産を比較してみたい。
牛の畜産とはすなわち、酪農業(牛乳生産)と肉畜業(牛肉生産)の二つである。たいへん大雑把だが、ごく簡単に比較してみたい。
 

 「N国」

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〇料費・・・牧草など約50%自給、輸入トウモロコシなど約30円/

燃料費・・・軽油で約90円/ℓ

人件費・・・最低で約300万円/年(多くは同国人)

さ蹐悗寮椶景・・・牛も人も自然の一部であり、同胞であるという神道や仏教に基づく自然観で接する。

牛乳の小売価格・・・約200円/ℓ

牛肉の小売価格・・・ステーキ約1000円/100g
 

  「A国」

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〇料費・・・牧草、トウモロコシなど100%自給

燃料費・・・軽油で約40円/ℓ

人件費・・・約150万円/年(移民外国人可)

牛への接し方・・・牛は神が人のために創造した、人とは全く違う生物であるというキリスト教に基づく自然観で接する。

牛乳の小売価格・・・約80円/ℓ

牛肉の小売価格・・・ステーキ約200円/100g
 

 さて、敵を知り己を知れば百戦危うからず、などという格言もあるが

エサ代について・・・
牧草や穀物を栽培し収穫できる国土の広ささでA国の圧倒的勝利。

燃料代について・・・
A国は自国やその周辺地域に豊富な原油やガスの埋蔵量があるにもかかわらず、遠く遥かな、産油のみが取り柄の国で覇権を争い、業界支配を目論んでいる。A国は人道的に問題がないのだろうか。N国もその傘下の子分であるが、責任というのは一般に親分の方が重い。

雇用の問題について・・・
の社長や親方というのは、伝統的に従業員らと一緒に飯を食べたり風呂に入ったり、家庭的な付き合いができるものだ。しかしA国はじめ欧米諸国の社長や管理職の連中は、そういうことは絶対にしない。従業員達と人種が違えばなおさらのことで、その心の裏には差別意識が垣間見える。

さ蹐箸いζ以への接し方について・・・
N国の自然観や美意識は、「もののあはれ」とか「花鳥風月」などという言葉に象徴的に現れている。牛と人は同胞であると考える。一方、A国の自然観は、人間以外の自然としての牛を「搾取」か「保護」かの対象でしか見ていない。
 

 今、そういう生産過程を経て出来上がった牛乳や牛肉が、とかという価格になって現われている。
 

 世界的な競争力を誇るA国の畜産物(食品)はこのように大変安価だが、どうしてそんなに安いのか、その価格差は一体どこから来るのか。畜産の科学的な技術の差などではない、色々な根の深い事情によって、この価格差が生まれているという事は少し考えてみれば、瞭然と理解できると思う。
 

 一部の牛の獣医師や牛の畜産コンサルタント等の中には、N国の畜産業もA国の畜産技術をもっと取り入れて、生産性を上げて生き残って行くべきだ、と論じる人たちが居る。しかし、これほどに違いのあるアンフェアな土俵を認識せず、表面的な技術のみを取り入れようと言うのは、あまりにも無知で安易な発言のように思われる。

(某雑誌に掲載される私の原稿より)


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「牛のニコイチ捻転去勢法」

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