厳しい寒さの続く十勝地方である。

この時期の仕事中にいつも感じるのは、

フリーストール牛舎あるいはフリーバーン牛舎で感じる、

仕事の寒さ。

裏を返せば、

スタンチョンなどの繋ぎ牛舎で感じる、

仕事の暖かさ。

その体感温度に

相当な違いを感じるのである。

IMG_4959特に、

夜間の往診ではそれが顕著である。

明け方に呼ばれる難産や乳熱などの往診では、

フリーストールやフリーバーンでの作業は

手足はもちろん背筋までが凍える。

カッパを脱着したり、補液剤を持っていたりすれば

体の心まで悴んでくる。

「う〜、ここは寒いね・・・」

私は、この言葉を

往診先で何度言ったただろう。

言ってもしょうがないとは思いつつ

思わず漏らしてしまう言葉である。

それに対して

スタンチョンなどの繋ぎ飼い牛舎での作業は

同居の繋がれている牛の体温で

牛舎の中はとても暖かく快適である。

隣の牛が、まるでパネルヒーターのように

診療している私の背後を暖めてくれる。

カッパを脱着したり、補液剤を持っていたりしても

全く寒さは感じない。

「繋ぎ牛舎は、ホント、あったかいね・・・」

この言葉を、私は

往診先で何回言っただろうか。

それは本当に、言う必要もないのに

思わず漏れてしまう言葉なのである。

IMG_4960飼主さんたちは

毎朝毎晩

同じ牛舎の中で仕事をしていて

それに慣れきっているだろうから

特に感じないのかもしれないが

我々獣医師は

実に色々な環境の牛舎を訪問しては

そこで仕事をするので

それぞれの牛舎の中の環境の差は

いやがうえにも感じてしまう。

特に

厳しい冬のこの時期の

夜間あるいは早朝の

緊急の往診に行ったときの

牛舎の温度の違い・・・

フリーストール牛舎の寒さと

繋ぎ牛舎の暖かさ

それを最も強く感じるのである。


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左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画を撮りました

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