町内の酪農家▲牧場で生まれた受精卵の和牛が、
約1.5ヶ月齢になった時に、
突然右後足を着地できなくなったという。
1週間ほど様子を見ていたのだが、
全く良くならないという。
そんな状態になってから初めて、
たまたま別件で往診に来ていた獣医師に
この仔牛の状態をなんとかできないかと相談したという。
相談された獣医師は、
相談するのが遅すぎるよ・・・と思いながらも、
消炎鎮痛剤と抗生物質を投与し、
それを数日続ける治療を指示したという。
それから約1週間が経って
年が明けた。
正月気分の只中の1月2日
夕方の緊急往診で私が▲牧場に行ったとき
▲牧場のスタッフから、
再びこの牛が心配なので見て欲しいと言われ
この仔牛の今後について相談された。
相談するのが遅すぎるよ・・・と思いながらも、
私はその仔牛の肢を診た。
「歩き方がほとんど変わらなくて、全然着けないんですよ・・・」
「・・・うーん、これはずいぶん我慢したねぇ。」
「治りますか?」
「・・・それは、もう少し治療してみなければわからないよ。」
「治らなかったら、廃用ですか?」
「・・・そんなこといきなり言わないで、まずはちゃんと診断しないと。」
「骨折してるんですか?」
「・・・それはレントゲンを撮ってよく見てみないとわからないよ。」
「レントゲン撮るんですか?」
「・・・そう。骨折してるかどうかハッキリさせないとね。でも今すぐは無理だから、正月休みが終わった日の昼からレントゲンの装置持って来て、ここで撮るからね。」
「お願いします。」
かくして
私も、初診した獣医師と同じように、消炎鎮痛剤と抗生物質を投与し
レントゲンを撮る日まで、それを続けてもらった。
さて、正月休暇が終わり
発病から半月近くを過ぎて
いまだに重度のな跛行が全く改善していない仔牛の
肢のレントゲン写真を、ようやく撮り終えて
私は、その日の午後に
画像データーが診療所のパソコンに送られてくるのを待った。
その結果が
左の2枚の写真である。
右後肢の基節骨(繋骨)と中節骨(冠骨)が白く濁っていて
その間の関節面は、異常に離れていてずれているようにも見えた。
これは、この部分に強い炎症があるのは間違い無いようだ。
しかし
各骨の骨折の所見は見られないようだった。
ただ・・・
私のレントゲン画像の診断力は
まったくお寒い限りで
正しい診断をする自信がない。
今この記事をお読みの獣医師で
エックス線画像の読解の得意な方がいらっしゃったなら
どうかご助言をいただきたいと思う。
この画像のような状態は
どのようにして起こり
どのような経過をたどり
どうしてこんな画像になってしまったのだろうか?
ご自由な発想と想像を巡らせて
是非コメントをいただきたいと思う。
(この記事続く)
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画を撮りました
写真をクリックして
ご覧いただけます。
約1.5ヶ月齢になった時に、
突然右後足を着地できなくなったという。
1週間ほど様子を見ていたのだが、
全く良くならないという。
そんな状態になってから初めて、
たまたま別件で往診に来ていた獣医師に
この仔牛の状態をなんとかできないかと相談したという。
相談された獣医師は、
相談するのが遅すぎるよ・・・と思いながらも、
消炎鎮痛剤と抗生物質を投与し、
それを数日続ける治療を指示したという。
それから約1週間が経って
年が明けた。
正月気分の只中の1月2日
夕方の緊急往診で私が▲牧場に行ったとき
▲牧場のスタッフから、
再びこの牛が心配なので見て欲しいと言われ
この仔牛の今後について相談された。
相談するのが遅すぎるよ・・・と思いながらも、
私はその仔牛の肢を診た。
「歩き方がほとんど変わらなくて、全然着けないんですよ・・・」
「・・・うーん、これはずいぶん我慢したねぇ。」
「治りますか?」
「・・・それは、もう少し治療してみなければわからないよ。」
「治らなかったら、廃用ですか?」
「・・・そんなこといきなり言わないで、まずはちゃんと診断しないと。」
「骨折してるんですか?」
「・・・それはレントゲンを撮ってよく見てみないとわからないよ。」
「レントゲン撮るんですか?」
「・・・そう。骨折してるかどうかハッキリさせないとね。でも今すぐは無理だから、正月休みが終わった日の昼からレントゲンの装置持って来て、ここで撮るからね。」
「お願いします。」
かくして
私も、初診した獣医師と同じように、消炎鎮痛剤と抗生物質を投与し
レントゲンを撮る日まで、それを続けてもらった。
さて、正月休暇が終わり
発病から半月近くを過ぎて
いまだに重度のな跛行が全く改善していない仔牛の
肢のレントゲン写真を、ようやく撮り終えて
私は、その日の午後に
画像データーが診療所のパソコンに送られてくるのを待った。
その結果が
左の2枚の写真である。
右後肢の基節骨(繋骨)と中節骨(冠骨)が白く濁っていて
その間の関節面は、異常に離れていてずれているようにも見えた。
これは、この部分に強い炎症があるのは間違い無いようだ。
しかし
各骨の骨折の所見は見られないようだった。
ただ・・・
私のレントゲン画像の診断力は
まったくお寒い限りで
正しい診断をする自信がない。
今この記事をお読みの獣医師で
エックス線画像の読解の得意な方がいらっしゃったなら
どうかご助言をいただきたいと思う。
この画像のような状態は
どのようにして起こり
どのような経過をたどり
どうしてこんな画像になってしまったのだろうか?
ご自由な発想と想像を巡らせて
是非コメントをいただきたいと思う。
(この記事続く)
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画を撮りました
写真をクリックして
ご覧いただけます。
画像診断もですが、体温などの一般状態、血液検査の炎症像はどうだったのでしょう?
診せられるのが遅かったにしても、初期から「積極的かつ挑戦的な」治療が必要だったのではないでしょうか。関節洗浄、limb perfusion、それで効果がなければ関節切開と掻爬。だめなら断肢です。
「つづき」を待ちます。