酪農の規模拡大に関する記事を書いた矢先に、

image折しもタイミングよく(?!)、

2月29日の北海道新聞の一面トップにこんな記事が出ていた。

その見出しには、

「大規模化しなくても経営改善」

とか

「道東酪農、牛の健康が鍵」

という大きな見出しが 、記されていた。

「大規模化しなくても経営改善」

・・・こんな言葉が

新聞の一面に出てくるのは

裏を返せば、その背景に

いままでの酪農業界が

「経営の改善には大規模化をしなければならない」

とか

「生き残るためには規模拡大をしなければならない」 

といったような考え方を

ずっと持ち続けて来たからだろう。

2月29日の道新トップのこの記事は

そんな、今までの「規模拡大の推進」ムードから

image方向転換を促すような

今までとは違う「規模拡大はしなくても良い」というような

そんな雰囲気を読み取ることのできる記事である。

書かれている内容は

牛の健康を維持するために

「適正乳牛の体形維持と、良質な牧草づくりが、経営改善策の新たな鍵」

imageと書いてあるが

これはべつに、「新たな鍵」でもなんでもなく

十何年も前から言い続けられている

「従来通りの鍵」、「当たり前の鍵」、であろう。

酪農の最も基本的な、経営改善策であり

それによって、繁殖障害を減らして空胎日数を短縮させるという「鍵」である。

image私はそれにあと二つ

「牛の清潔な寝床」と、「牛の十分な運動」、が経営改善の「鍵」

であると言いたい。

それによって、乳房炎と蹄病を減らし

乳牛の三大疾病を予防すれば

経営は改善してゆくと思われる。 

それは

規模が大きかろうが小さかろうが同じことである。

大規模・多頭数化は

そんな基本を押さえている上での

経営者の選択肢の一つだと思う。

ただし

大規模・多頭数化した酪農経営は

小規模・少頭数の酪農経営よりも

乳牛の命が軽視される経営方法であることは間違いない

と私は思う。

大規模・多頭数化してゆく酪農経営は

それで成功しようがしまいが

IMG_5064牛の命を軽視する道であり

その道には、大きな「落とし穴」、すなわち

「スケールデメリット」が口を開けて待っている

ということは

何度も申し上げている通りである。 


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左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

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