$ファームの育成和牛5頭の去勢をはじめたら、

保定をしてくれている従業員のFさんが言った。

「・・・先生、この精巣って食べれるんですか?」

「まぁ、食べれるけどね・・・」

「・・・食べたいって言う人がいるんですけど。」

保定をしてくれているもう一人の従業員が、

摘出した精巣を興味深げに見つめていた。

「食べたいの・・・(笑)」

「・・・ハイ。・・・タベタイ。」

その従業員はベトナム人の★君という人だった。

「実は俺、学生時代に豚の精巣なら食べたことあるんだけどね。ちょっとコリコリして硬かったね。」

「・・・硬いんだってさ。」

Fさんは★君に向かって通訳するように言った。

「それとね、ちょっとなんていうか、エグイんだよね、雄くさいっていうか、独特のニオイがあったね。」

「・・・臭いんだってさ。」

「・・・ソウデスカ。」

「そうなんだ。俺は豚のやつしか食べたことないんだけど、焼いたら、鳥の砂肝みたいな感じかな。」

「・・・★君は、生で食べたいそうですよ。」

「生で?(笑)、じつは俺もね、生で食べたこともあるんだけど、生姜醤油とかつけないと臭くてきついんじゃないかなー。」

「・・・ハイ!」

「・・・★君、食べる気満々みたいですよ」

「・・・ワタシ、ヒツジノ、タベタコト、アリマス!」

「そうなんだ(笑)、これは和牛だから、羊のよりはもっとうまいかもしれないね。」

「・・・ベトナムでは、なんでも辛くして食べるみたいですよ。」

「・・・ハイ♪」

image1頭の去勢が終わるたびに

★君は目を輝かせて、摘出した精巣を丁寧に拾い集め

牛舎の片隅に並べていた。

「食べる気満々だなー(笑)、じゃあ、今度来たとき、味の感想聞かせてね。」

私はそんな★君の並べた精巣の写真を撮って、帰路に着いた。

考えてみると

和牛の肥育素牛を去勢する数は

私一人でも、年間で相当な数になる。

摘出した精巣も、相当な量になるはずだ。

imageもし、その精巣が

美味しい食材になるのであれば

もったいない話ではある。

私は学生時代に一度

豚のそれを食べただけで

精巣を食べるのはもう懲りごりしていたのだが

その時、一緒に食べていた先輩の一人が

「牛の精巣はもっと美味くて、ロッキーマウンテオイスター(ロッキー山の牡蠣)と呼ばれているんだ。」

などと言っていたのを思い出した。

どなたか、そのロッキーマウンテンなるものを

食べたことのある方

いらっしゃいますか・・・?

情報、お待ちしています。


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左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

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