1枚目の写真は腹腔洗浄した翌日。

それから3日間、この馬は餌を全く食べなかった。

IMG_5299排便はほとんどなく、

下腹部の術創周辺には、

盤状の冷性の浮腫(むくみ)があらわれ、

縫い終わった創部からは、

僅かだがポタポタと漿液(腹水か)が漏れ出ていた。

ドレーンを装着していれば

そこからスムーズに廃液されたと思われた。

体温は37℃台に下がり、心拍数は遅めの50台

血液検査で目立ったのは、血清たんばく質の低下だった。

リンゲル液とアミノ酸製剤の輸液と

抗生物質を投与し続けた。

2枚目の写真は腹腔洗浄をしてから5日目。

IMG_2076食欲が現れた。

便の量は僅かに増えたが、

硬い便と泥状の軟便を繰り返し排泄した。

下腹部の浮腫は少しづつ縮小し

漿液の漏出も止まっていた。

体温は37 ℃台で、心拍数も5〜60台だった。

血清タンパク質は上昇傾向に転じた。

さらにリンゲル液とアミノ酸製剤と

抗生物質の投与をし続けた。

3枚目の写真は腹腔洗浄してから10日目。

IMG_2075食欲は上昇し、活気が出てきた。

便の量も増え、形状も安定した。

外に出たがる仕草をするようになったので

日中は放牧することにした。

体温は38℃台、心拍数は7〜80台になった。

血清たんばく質も6mg/dl台に回復。

治療を中止して

様子を見ることにした。

IMG_54384、5枚目の写真は

それから1ヶ月以上経った時のもの。

他の馬たちとは、別の牧区に入れられていたが

元気、食欲、排便、歩様

全て問題はなかった。

普通の健康なミニチュアホースと同様に

IMG_5440牧場の中を元気に走り回っていた。

やっとの事で捕まえて

下腹部の術創を見たが

創部の状態も良好だった。

(今回の症例は、今年9月の上旬、旭川で開催される北海道獣医師会の学術三学会で演題発表をする予定です。興味のある方は、どうぞ聴きに来てください。)

(この記事おわり)


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左の写真の道具を使う


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