「仔牛のヘソが腫れている・・・」
という症例は日常茶飯事である。
仔牛のヘソの腫れ(いわゆるデベソ)で、先ず、
鑑別しなければならないのは 、
それが臍ヘルニアなのか?
それとも臍帯炎なのか?
である。
ヘルニアは先天的なもので
触診をすると、必ずどこかに
腸管が出てくる穴(ヘルニア輪)がある。
小さなもの(指2本以下の輪径)はそのまま放置しても治る。
大きなもの(指3本以上の輪径)は 圧迫処置をした方がよく
それ以上のものは外科手術の対象になる。
ヘルニアかどうかの診断は、触診の経験を積めば
それほど難しいものではない。
では
ヘルニアではないデベソの場合
すなわち臍帯炎は
後天的な感染症である。
触診をすると
ヘルニアとは違って波動感がなく硬い。
ヘルニア輪は存在せず
軽く握ると必ず痛みがある。
感染症なので熱発や哺乳不振が見られる。
臍帯炎の初期段階は
それで簡単に診断できる。
ところが
臍帯炎の症状が急性期を過ぎ
臍帯に膿瘍を形成してしまうと
臍ヘルニアとの鑑別が難しくなってくる。
外見はいずれも大きなデベソであり
触ると波動感がある。
熱も平熱に下がり、食欲もある。
こういう時は
デベソの部分の超音波検査をすればよい。
しかし
超音波装置は常に持ち歩いていないので
急に追加で診断をする時にはそれも使えない。
先日の〆さんの仔牛はそんな状況だった。
「急にデカくなってきたんだよね・・・」
〆さんのその言葉で私は大体見当がついた。
これは後天的な臍帯感染から
臍帯の膿瘍が形成され
それが急激に肥大化した可能性が高い。
触診をしてみると、波動感がある。
しかし、ヘルニア輪のような穴はない。
「針を刺してみるね。」
私は患部に、注射針を刺した。
注射器に膿汁が入ってきた。
「これは化膿してる、切って出した方がいい。」
私は早速
仔牛を鎮静剤で寝かせて
患部にメスを入れて切開排膿した。
切開創の中を消毒液で洗浄して
ヨーチンをスブレーして
抗生物質と鎮静剤の拮抗剤を打って
切開手術を終了した。
後日
膿汁の培養検査の結果が来た。
Proteus (3+)
E.coli (大腸菌)(3+)
ということだった。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
ご覧いただけます。
という症例は日常茶飯事である。
仔牛のヘソの腫れ(いわゆるデベソ)で、先ず、
鑑別しなければならないのは 、
それが臍ヘルニアなのか?
それとも臍帯炎なのか?
である。
ヘルニアは先天的なもので
触診をすると、必ずどこかに
腸管が出てくる穴(ヘルニア輪)がある。
小さなもの(指2本以下の輪径)はそのまま放置しても治る。
大きなもの(指3本以上の輪径)は 圧迫処置をした方がよく
それ以上のものは外科手術の対象になる。
ヘルニアかどうかの診断は、触診の経験を積めば
それほど難しいものではない。
では
ヘルニアではないデベソの場合
すなわち臍帯炎は
後天的な感染症である。
触診をすると
ヘルニアとは違って波動感がなく硬い。
ヘルニア輪は存在せず
軽く握ると必ず痛みがある。
感染症なので熱発や哺乳不振が見られる。
臍帯炎の初期段階は
それで簡単に診断できる。
ところが
臍帯炎の症状が急性期を過ぎ
臍帯に膿瘍を形成してしまうと
臍ヘルニアとの鑑別が難しくなってくる。
外見はいずれも大きなデベソであり
触ると波動感がある。
熱も平熱に下がり、食欲もある。
こういう時は
デベソの部分の超音波検査をすればよい。
しかし
超音波装置は常に持ち歩いていないので
急に追加で診断をする時にはそれも使えない。
先日の〆さんの仔牛はそんな状況だった。
「急にデカくなってきたんだよね・・・」
〆さんのその言葉で私は大体見当がついた。
これは後天的な臍帯感染から
臍帯の膿瘍が形成され
それが急激に肥大化した可能性が高い。
触診をしてみると、波動感がある。
しかし、ヘルニア輪のような穴はない。
「針を刺してみるね。」
私は患部に、注射針を刺した。
注射器に膿汁が入ってきた。
「これは化膿してる、切って出した方がいい。」
私は早速
仔牛を鎮静剤で寝かせて
患部にメスを入れて切開排膿した。
切開創の中を消毒液で洗浄して
ヨーチンをスブレーして
抗生物質と鎮静剤の拮抗剤を打って
切開手術を終了した。
後日
膿汁の培養検査の結果が来た。
Proteus (3+)
E.coli (大腸菌)(3+)
ということだった。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
ご覧いただけます。
抗生物質感受性はどうなんでしょう。ProteusとE.coliだとかなり耐性が進んでいそうです。
低γグロブリンだったりしないのでしょうか?全身症状がなければ、血液検査までは不要ですか?