「育成の和牛のアゴからクビにかけて、腫れてるんですけど・・・」
先日追加で診せられた診療は、
そんな稟告(りんこく)だった。
牛の頭を保定してもらって、
触診をしてみると、
硬く膨らんでいる。
これは、どういうタイプの腫れ物だろうか。
常に超音波装置を携帯していれば、
直ぐに超音波検査が出来るのだが、
残念ながら、十勝NOSAIの獣医師はまだ
1人1台づつを携帯するまでには至っていない。
それでも、こういう症例では
穿刺検査が有力な診断方法である。
腫脹している部分の
なんとなくもっとも柔らかそうな部分を
注射針で穿刺した。
「・・・あー、これは・・・」
「膿瘍だね。切開しましょう。」
「・・・お願いします。」
一見して、かなり硬かったので
骨組織の腫れかも?・・・
と思ったのだが
実際は
下顎の深部の肉厚な膿瘍だった。
育成の和牛は売り物でもあるし
あまり長い時間を掛けて治療をしていると
増体に影響し
売るタイミングを逸することもあるので
ここは、即日の切開排膿を選択した。
メスで切開した創口からは
思ったよりも多くの
クリーム状の化膿汁が出てきた。
500mlはあっただろうか。
切開創が肉厚なので
出血がかなりあったが
ここで出血を気にしすぎて
切開創を小さいままにすると
創口がすぐ閉じてしまって
膿汁の出口が塞がって
再び膿瘍が形成されてしまう。
ここは、思い切って大きく切開するべきなのである。
切開創を7〜8センチ程度に開大し
膿瘍の中身を消毒液で洗浄し
抗生物質を投与し
創口は開放のままとして
治療を終えた。
後日
膿汁の
細菌培養の結果が来た。
グラム陽性球菌が検出された。
しかし
菌種の同定までは至らなかったようだ。
ブドウ球菌だったのだろうか?
連鎖球菌だったのだろうか?
それとも
コリネバクテリウムだったのだろうか?
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
ご覧いただけます。
先日追加で診せられた診療は、
そんな稟告(りんこく)だった。
牛の頭を保定してもらって、
触診をしてみると、
硬く膨らんでいる。
これは、どういうタイプの腫れ物だろうか。
常に超音波装置を携帯していれば、
直ぐに超音波検査が出来るのだが、
残念ながら、十勝NOSAIの獣医師はまだ
1人1台づつを携帯するまでには至っていない。
それでも、こういう症例では
穿刺検査が有力な診断方法である。
腫脹している部分の
なんとなくもっとも柔らかそうな部分を
注射針で穿刺した。
「・・・あー、これは・・・」
「膿瘍だね。切開しましょう。」
「・・・お願いします。」
一見して、かなり硬かったので
骨組織の腫れかも?・・・
と思ったのだが
実際は
下顎の深部の肉厚な膿瘍だった。
育成の和牛は売り物でもあるし
あまり長い時間を掛けて治療をしていると
増体に影響し
売るタイミングを逸することもあるので
ここは、即日の切開排膿を選択した。
メスで切開した創口からは
思ったよりも多くの
クリーム状の化膿汁が出てきた。
500mlはあっただろうか。
切開創が肉厚なので
出血がかなりあったが
ここで出血を気にしすぎて
切開創を小さいままにすると
創口がすぐ閉じてしまって
膿汁の出口が塞がって
再び膿瘍が形成されてしまう。
ここは、思い切って大きく切開するべきなのである。
切開創を7〜8センチ程度に開大し
膿瘍の中身を消毒液で洗浄し
抗生物質を投与し
創口は開放のままとして
治療を終えた。
後日
膿汁の
細菌培養の結果が来た。
グラム陽性球菌が検出された。
しかし
菌種の同定までは至らなかったようだ。
ブドウ球菌だったのだろうか?
連鎖球菌だったのだろうか?
それとも
コリネバクテリウムだったのだろうか?
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
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膿汁を培養して1+ですから、原因菌は嫌気性菌で培養できず、グラム陽性菌はコンタミした雑菌だった、という推理はどうでしょう。