家畜診療技術北海道地区発表会は、

乳牛7題、肉牛4題、馬1題、の計12演題の発表があった。

IMG_0443その中から、

優秀な発表と見做されたのは、

以下の2題、

「乳牛における分娩後子宮捻転の12症例に関する検討」

                         北海道ひがしNOSAI     風間 啓  氏

「国内で初めて確認された牛コレステロール代謝異常症の4症例」

           オホーツクNOSAI     鴇田 直子  氏

この2題は

来年の2月に東京で行われる

家畜診療技術全国発表会で講演されることが決まった。

詳しい内容は

いずれ、「家畜診療」誌に掲載されると思われるので

楽しみにしていて頂きたいが

どちらもすばらしい内容だった。

IMG_0419前者の発表は

「分娩『後』子宮捻転」、という

今までとは病態の違う珍しい子宮捻転の症例を

12例も収集し、学術的な検討を加えた報告だった。

また後者の発表は

2015年に世界で初めてドイツで報告された

「牛コレステロール代謝異常症」という新しい遺伝病を

早くも2016年に、国内で4例も確定診断したという報告だった。

どちらの先生の発表も

常日頃の症例に対して

異常を見逃さない鋭い観察力と

あくなき探究心と

新しい症例であることを裏付ける

獣医学術知見の広さとを

兼ね備えいてたたからこそできる

レベルの高い発表だった。

IMG_0420それ以外の演題発表も

さまざまな角度からの新知見

斬新な発想にあふれた内容で

とても楽しく拝聴させて頂いた。

演者の先生方のほとんどが

NOSAIに勤め始めて10年前後の新進気鋭な先生方だった。

その中に、20年勤めた先生が1人おり

さらに、私だけが

NOSAIに勤めて30年以上経っているロートル獣医師だった(笑)

しかし、私にはそれがとても心地よかった。

若い先生たちと同じ土俵に立って発表していると

自分も昔、どこかで学術発表をした時に感じた

緊張感のようなものが蘇って来て

新鮮な気持ちに成れたのだった。

IMG_0425発表会の合間の

休憩時間や

食事の時間などにも

若い獣医師の先生方に混じって

色々な質問や雑談を交わすことが出来たのは

今回の出張の大きな収穫だった。

発表会が終わった日の夜には

懇親会が設けられていた。

そこではさらに

参加者の先生方と

あまねく情報交換をすることか出来た。

若い先生方の中には

私のブログを読んでくれている方も意外に多く

そこでまた話が盛り上がることもしばしばだったのは

望外の喜びだった。

宴もたけなわな所で

とりあえずの締めという事になった。

M木先生から指名されていた私は、立ちあがって

今日の各症例発表との一期一会に感謝し

それから発表者の皆さんへ賛辞と

全国発表会へ駒を進めた2人の先生方の

発表の成功を祈念して万歳三唱!をして

この場をなんとか締めくくった。

懇親会には
 
北海道NOSAI連合会のH田家畜部長も

札幌からはるばる参加してくれていた。

H田家畜部長というのは、ご存知の通り

IMG_0421又の名を「頑黒之和」

あるいは又「頑黒和尚」

と名乗る人物である。

この人と私が

ひとたび隣り合わせて杯を乾せば

北海道獣医師会雑誌の文芸欄

果ては北海道の俳句界に話が及ぶのは

もう避けることが出来ない(笑)

締めの挨拶が終わった直後

隣の頑黒和尚曰く

「ここで一句、ってやらないの?」

「・・・余裕なかったよ」

「俺ならやるよ。」

「・・・そっかぁ(笑)」

頑黒和尚氏から

鋭く突っ込まれてしまった私。

いみじくも、俳人ならば

そこで一句は欲しかったわけだ(汗)

では、その代わり

今この記事で

その宿題に応えて一句・・・


 野幌の初雪解ける熱気かな   豆作



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