「ピンクアイみたいな牛が3頭もいるんですけど。」

〓牧場の従業員の◉君が 言った。

「育成の牛なの・・・?」

「いえ、経産牛ばかりです。」 

「まぁ・・・経産牛でも出るからねぇ・・・」 

「はい。でも今頃に出るんですか?」

「まぁ・・・冬にも治療したことは・・あったと思うけどねぇ・・・」

「ピンクアイになるのは、ふつうは夏の牧場の牛ですよね。」 

「うーんまぁ・・・そうだねぇ・・・」 

私は曖昧な返事を繰り返し

BlogPaint◉君が示す牛の目を診た。

牛は右眼だけから涙を流し

角膜の中心は白濁し

黒目(角膜)と白目(強膜)の境目が赤変し

さらにその周囲の結膜は赤く腫れていた。

IMG_0479「食欲はある?」 

「ふつうです。」

「元気良さそうだね。」

「はい。」 

体温は平熱。

食欲も元気もあった。

細菌が感染して、目が充血して赤くなるピンクアイは

ウイルスが感染して、目が充血するIBRとの鑑別が必要である。

ピンクアイは

多くが片眼で、平熱で元気も食欲もあるが

IBRは

多くが両眼で、高熱の肺炎症状を併発し食欲が落ちることが多い。

今回の〓牧場の3頭の牛は

臨床症状は間違いなく前者であり

ピンクアイが強く疑われ

IBRである可能性はほぼ無かろうという症状だった。

BlogPaint私はピンクアイと診断して

抗生物質の結膜内注射という治療を選択した。

ただ

1つだけ気になったのは

従業員の◉君も言っていたように

発症した季節である。

ピンクアイの原因菌は

夏から秋にかけて、ハエなどの昆虫によって伝播する、と

教科書には書いてあるのだが

昨日診た〓牧場にはもうハエはほとんど姿を消し

冷たい冬の季節風が吹き荒れていた。

そんな季節に、1つの農場で

ピンクアイが3頭も同時に発症した。

ピンクアイの原因菌を運ぶ媒体は

夏から秋のハエばかりではないのではなかろうか・・・?

寒い冬には、一体何が、どのようにして

ピンクアイの原因菌を運ぶのだろうか・・・?


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左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

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