生まれて1週齢の仔牛が、

突然、

右の後肢を引きずり始め、

立つことさえままならず、

その症状は、

次第に悪化してきた・・・という

そんな稟告で向かった★ファーム。

問題の仔牛を診てみると

哺乳欲はそこそこにあるが

介助をしないと立つことが出来ない。

右の後肢を動かすことが出来ない。

立たせて歩かせてみると 

右後肢の懸垂跛が著しい。

股関節付近が

大きく腫れ上がっている。

股関節付近の打撲か?

股関節炎か?

股関節の脱臼か?

親牛に踏まれたのか?

骨盤の骨折か? 

などの症状が頭をよぎる中

触診をしてみると

ソフトボール大に腫脹した

右の股関節付近には

波動感があった。

「針を刺してみよう。」

超音波装置は

一人一台づつは持ち歩いていないので

こういう腫れ物の内部を診断するための

手っ取り早い方法は

穿刺検査である。

注射針を刺してみると 

IMG_0911「ああ、これは・・・」

トロリとしたクリーム状の

化膿汁が吸引されてきた。

股関節部に形成された

大きな膿瘍だった。

どうしてこんなに大きな膿瘍が

このような場所にできたのか

理由はよくわからなかったが

治療方法は簡単だ。

「切って出しましょう。」 

私は

膿瘍の切開術の準備を始めた。

ここまでくればもう

この先は一本道である。

IMG_0914仔牛を寝かせて

抗生物質を注射し

切開部分の周囲の毛を刈り

洗浄消毒して

IMG_0916メスを入れる。

切開部からは

思った以上の

大量の膿汁が溢れ出てきた。

IMG_0919指で圧迫すると

さらに大量の膿汁が溢れてきた。

ゆびを入れると

膿瘍の内腔は

IMG_0921私の拳が入ってしまいそうな大きさだった。

内容をほぼ全部絞り出すと

仔牛の右後肢は

左右対称の正常な姿に戻った。

IMG_0924治療はこれで

無事終了した。

念のため

化膿汁をスワブに採り

細菌培養を依頼した。

BlogPaint結果は写真の通り

「好気性菌の発育を認めず 」

という

コメントが返ってきた。


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左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

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