違和感のある見出しの記事が、

先日の道新に出ていたので、

思わず切り取ってしまった。

「生産・流通コストの引き下げや農地の大規模化などを進めて『稼げる農業』への転換を図る」 

IMG_1302と書いてある。

さらに

「政府は今年を「農業改革『実行元年』」と位置づける」

と書いてあり、

最後に

「が、現場の農業関係者からは実効性を疑問視する声も上がる。」 

と結んでいる。

私も

現場の農業関係者の端くれとして

今回の農業改革法案の

実効性を疑問視する声を上げる中の1人である。

いつも思うのだが

政府のこういう改革案は

昔からずっと

「コスト引き下げ」と「大規模化」

であり

従来通りのワンパターンだ。

過去をちゃんと振り返ってもらいたい。

「コスト引き下げ」と「大規模化」を

ずっとやってきた結果として

今の農業の姿がある。

それなのに、まだそれを反省することなく

従来通りの

「コスト引き下げ」と「大規模化」を

さらに進めようとしている。

今回の政策の目玉は

「農産物の流通構造の改革」

という所のようで

要は「農協改革」だ。

その中身は

農業経営の世話役を

農協から民間企業へ移し

民間企業が農業に参入できるように

制度を改革してゆくという内容である。

私が

現場の農業関係者の端くれとして思うのは

農協改革は結構な話ではあるが

それに代わって

民間企業が農業をやり始めたところで

「コスト引き下げ」と「大規模化」

ばかりを

相変わらず進めるのであれば

日本の農業はますます

衰退してゆくだろうということ。

「コスト引き下げ」と「大規模化」

というのは

工業や商業にテコ入れして

経営を回復させる方法である。

農業に対しても

この方法はある程度までは有効かもしれないが

農業の場合は

これが僅かでも行き過ぎると

直ちに悪い影響が生じてくる。

それはなぜかというと

農業は

工業や商業と違って

自然の中で生物を扱うものだからである。

工業や商業と違って

人間のコントロールの及ぶ範囲が狭いのである。

農業を

工業や商業と同じような方法で

「コスト引き下げ」や「大規模化」

をすればするほど

農業が自然環境から離れ

人工的な農業環境を作らざるを得なくなる。

ところが農業は

工業や商業に比べて

人間のコントロールの及ばない自然の力に頼る部分が多いから

人工的過ぎる環境の中では計算通りには行かず

想定していないことが次々と起こり

自然の大きな力によって

直ちに色々な弊害が生じてくる。

私が

毎日仕事で巡回している

酪農という農業の現場を例に挙げても

その弊害は明らかだ(↓)。

(酪農の大規模化による弊害についてはこのブログで何度も書いてきた。)

私は、何度も

繰り返し言おうと思う。

すなわち

農協の改革は結構なことであるが

農協に代わって

民間企業が農業に参入したとしても

「コスト引き下げ」や「大規模化」を

相も変わらず進めるのであれば

日本の農業は

今後ますます

衰退するだろう。


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