4月17日(月)の道新の「新・北のうた暦」に、

私は「春愁(しゅんしゅう)の吾(われ)をとりまく楡の幹」という句を出した。

IMG_1378華やいだ春の雰囲気の中で、

ふともの憂い気分になった作者を、

大地に太く生えている楡の幹が取り囲んでいる様を詠んだ句だ。

この俳句の作者は、

依田秋葭 (しゅうか)氏。

すなわち、

依田明倫(めいりん)氏の改名以前の一句である。 

この句の鑑賞文の最後に

「秋葭」氏は、俳号を「明倫」変え

さらに、今年から「あきよし」変えた、と書いた。

じつは、この事を書くとき

本当にそうなのか

事実を間違って書いてはいけないと思って

私は、依田明倫翁に直接電話をして確認しておいた。

「もしもし、豆作です・・・お久しぶりです。」 

「はい。」 

「あの、ちよっとお聞きしたいことがあるんですが。」 

「何。」 

「明倫先生って、今年から名前を『あきよし』に変えたっていう噂、本当なんですか。」 

「そうだよ。」 

「・・・本当なんですか、またどうして・・・」 

「いつまでも『明倫』じゃあ面白くないだろ。」 

「・・・そうですか?」 

 「そうだよ、面白くないだろ。」

「・・・そう・・・ですか?」

「面白くなきゃダメなんだよ!」 

「・・・はい・・・ところで先生・・・」 

「何。」 

「今度私、新聞のコラムに先生の一句を載せたいんですけど・・・」 

「ああそう。」 

「春愁の吾をとりまく楡の幹、っていう句を・・・」 

「もっとマシな句にしなさいよ。」 

「・・・いえ・・・これがいいんです。」 

「まぁ、好きにしたらいい。」 

「ありがとうございます。」 

「どんどんおちょくってくれ。」 

「・・・いえ・・・おちょくるわけではなくて・・・」 

「なんぼでも、おちょくってくれ。」 

「・・・」

「オレは、おちょくられるのが好きなんだよ!」 

明倫翁は昭和3年生まれの90歳。

老いてますます盛んな

北海道いや日本の俳壇の巨人であり

俳句の天才の一人である。

天才はいつでも新鮮だ。

IMG_1298電話の後

しばらく経ってから

明倫(あきよし)翁から

翁が主催している雑誌「夏至」が送られてきた。

そのページをめくってみると

IMG_1299確かに

俳号が「よだあきよし」になっていた。

俳人が自分の俳号を変えるというのは

普通はなかなか勇気のいることのはずで

心のうちに何かよっぽどの思いがなければ

出来ないことだと思う。

IMG_1301「秋葭」という当時のビッグネームを

「明倫」に変えて

再びその名を全国に知らしめ

今度はまた

「あきよし」として

また今年から

新たな俳人としてのスタートを切った翁。

春の愁いを軽々と振り払い

IMG_1300あくまでも進化する翁。

天才の心の中は

計り知れない大きなエネルギーが

潜んでいるのだ。

と、私は

そんな事を

道新のコラムの中で言いたかったのだが

字数が200字ではとても言い足りなかったので

このブログ記事で

補っておく。


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