「乳検データー」それ自体は、

検定員と呼ばれる人たちが、

乳検に加入している酪農家さんの、

搾乳時間に合わせて訪問して、

様々な検定の機器を使って、

乳検の生のデーターを取って回っている。

暑い時も寒い時も欠かさずに、

現場に赴いてデーターを取り続ける仕事をしている、

現場の検定員の方々には、

頭の下がる思いである。 

そういう人たちの働きで集積された「乳検データー」なのであるから

それを活用する酪農家はもちろん

それを総括する我が国の酪農行政も

「乳検データー」をありがたく活用し

そこから見えてくる業界全体の課題を解決するために

様々な政策を待ったなしで実行してゆくべきである。

ところが

その肝心な我が国の酪農行政が

全くわからない意味不明な事ばかりしているのは

何故なのだろう。

ではまた再び

「北海道酪農検定検査協会」のHPにリリースされている資料の

誰が書いたのか全くわからない

文責不明の執筆者である「無責任氏」の文章を読んでみたい。

今回はまずその3ページ目の

IMG_1453題して

「乳用牛BP実現に向けた考え方」

を見てみると

いきなり「BP」などと言われてもわかりづらいが

前回の記事に書いた通り

これは「ベストパフォーマンス」という言葉の略で

その言葉の意味は前回の記事に書いた通りである。

続けて、無責任氏は

「乳用牛ベストパフォーマンス実現に向けた取組を、地域畜産クラスター計画の重点テーマに位置付け、現地支援を推進することで、地域の畜産クラスター協議会が本腰を入れて取り組めるよう、また、地域での連携をより深めていけるようにとの思いがあります。」

と書いている。

ここで出てきた「畜産クラスター協議会」って何だろう。

そもそも「クラスター」って何じゃ?

「クラスター」を調べてみたら、「房」「集団」「群」の意味のようだ。

そういえば近頃

役場の農林課の課長さんなどが「クラスター計画が・・・」どうのこうの

と、よく口にしているが、その事業のことのようである。

要するに畜産関係者の「連携事業」のことなのだ。

「クラスター」などという聞きなれぬ外来語を

またもや登場させて

新しさを出しているつもりなのかもしれないが

こういうつまらぬ「カタカナ語のもてあそび」は関係者を惑わせるだけで

もういい加減にやめてほしい、と私は思う。

さらに資料のページをめくって

IMG_1484その12ページ目には

「畜産クラスター計画について」

と題して

無責任氏は

「現在、地域畜産クラスター協議会は各市町村が事務局となり(一部、農協単位有り)、各関係機関が連携して、地域における収益性の向上の取組を推進するクラスター計画を策定し、その実現に必要な施設整備や機械のリース等をクラスター事業で採択していますが、今回、地域での乳用牛BP実現に向けた取組について、なぜ地域での畜産クラスター計画の中で位置付けることが推奨されるのでしょうか。」

と、読み手に問いかけるように書いている。

もうこの、官僚臭さ丸出しの

非常にわかりづらい、鼻持ちならぬ文章を

こみ上げてくる憤りをぐっと我慢して

もう少し読み進んでゆくと

無責任氏はさらに続けて

「全道展開する手段としては、新たに推進体制を作るのではなく、地域での生産基盤の強化と収益性の向上を図る畜産クラスターの枠組みの中で推進することが、効率的かつ効果的です。何より、この畜産クラスター計画において、特に推進すべき取組のテーマに「飼養規模の拡大・飼養管理の改善」が挙げられており、乳用牛BP実現に向けた取組は、まさにこの重要テーマに合致しているからです。」

と書いている。

ということは

乳用牛ベストパフォーマンス(BP)実現に向けた取組

というのは

畜産クラスター事業の取組

の重要テーマ(課題)と一致していて

その中でも特に推進すべきなのが

「飼養規模の拡大・飼養管理の改善」

というテーマ(課題)であることが

はっきりと明記されている。

なるほど・・・

そうですか・・・

私は何かここに

とんでもない「大きな矛盾点」が

見えてきたような気がする。

「乳検データーから見えるもの」

と題して書き始めた今回のシリーズ記事の

3回目にしてやっと

本題に入ってゆけそうだ・・・


(この記事続く)



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