北海道俳句協会の総会が6月4日、

札幌すみれホテルで開催された。

IMG_1641私はここ数年、

総会には毎年出席しているが、

今年は格別に嬉しい総会だった。

それは、

下川町で放牧酪農を営んでいる俳人、

鈴木牛後さんが、

昨年度の「北海道俳句協会賞」を受賞され、

その表彰式も行われたからである。

以下、牛後さんの受賞作「伸びて縮む」から


 牛の死に雪のつめたくあたたかく   


 餌を食ふ音わんわんと雪の牛舎   


 血の軍手春日に干してまた履きぬ


 草は風に干されて夜を鳴りとほす


 トラクターの影にわが影ある晩夏



こういう酪農家ならではの句に加えて


 初蝶は風のうらがはより来る 


 
ここここと牛乳注げば飛び散る春


 溺るる蜥蜴突として裏がへれば死


 倒木の白骨めいて夏野濃し


 芋虫の透けし腸ごと伸びて縮む


 ちちろ抱く拳もっともやはらかく


といった独特の詩情の句が

読む人の心を捉えて

授賞に結びついたのではないかと思う。

IMG_1646牛後さんに久しぶりに会って

祝意を伝えることができて

私はとても嬉しかった。

さらに

IMG_1648嬉しかったことは

この総会と同時に行われる

全道俳句大会において

私の一句

 牛飼の夫婦白息揃ひけり

が8位に入選したこと。

思いがけないことだったが

冬の往診中に詠んだこの一句が

牛後さんの受賞へのお祝い句にもなっているような

そんな気がして嬉しかった。

さらに良かったのは

NHKの俳句番組などでお馴染みの

櫂未知子さんの講演を聞くことが出来たことだ。

櫂未知子さんといえば

俳句選者として舌鋒鋭く俳句を批評し

実作では感性鋭い作品を次々と発表し

雑誌や新聞に味わい深いエッセイを連載し

現代を代表する俳句作家の一人だが

IMG_1652じつはこの方は

1960年生まれで私と同じ齢

しかも

生まれ月の9月まで一緒で

私と同じおとめ座で

勝手に強い親近感を抱かせてもらっている人である(笑)

超有名俳人なので

懇親会でも大勢の人に囲まれて

最初は近寄りがたいような雰囲気を感じ

隣席する機会がなかったが

二次会の席でようやく

櫂さんとお話をする機会を得た。

名刺を交換して

同世代ならではの話もすることができた♪

講演の壇上ではあまり見せなかった笑顔と

親しみのある声がとても印象的だった。


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左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

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