「腰角(ようかく)の辺りが腫れている・・・。」

そんな稟告だった★さんの搾乳牛。

IMG_2060腫れた部分を触診すると、

波動感があった。

こういう場合は、

ほとんどが膿瘍、

あるいは血腫である。

「針を刺してみましょう。」

IMG_2061空の注射器で穿刺すると、

クリーム色の膿汁が、

穿刺部分から溢れて来た。

「切開しましょう。」

腰角の大膿瘍であることが確定したので

メスで切開することにした。

汚い膿汁が床にこぼれても良い場所へ

牛を移動させて切開することになった。

最も良いのは

牛を枠場に入れることなのだが

★さんの家の枠場はもうほとんど使われておらず

土間の片隅に埃をかぶって仕舞い込まれていて

引き出して使うのも大変なので

土間の一角に頭を結んで保定して

そのまま切開をすることにした。

結果的に

これがマチガイの大元だった。

枠場に保定しておけば

牛のお尻は自由がきかない。

しかし

頭だけ繋いだ状態では

牛のお尻は扇状に

いくらでも横振りすることができる。

私はそれを甘くみていた。

さらに

この牛の膿瘍の大きさと

それが目の高さにあるということを

あまり考慮せずに

いつものように

長い手袋を履いただけで

切開手術を行ってしまった。

すなわち

カッパを着用しなかったのだ。

これもまた大きなマチガイだった。

顔の高さにある牛の大膿瘍を

枠場に保定せずに頭を繋いだだけで

カッパも着ないで

切開手術をするとどうなるか。

IMG_2062結果は

写真のごとく

切開のメスを入れた瞬間に

牛は驚いて尻を振り

私の胸から下の着衣は

嫌な匂いの膿汁を

大量にかぶり

IMG_2063カッパを着ていなかったおかげで

悲惨な状態になってしまった。

生ぬるい膿汁にまみれた私は

自分の着衣を洗いながら

30年以上

牛の臨床獣医師として仕事をして来た

自分の技術の

全く成っていないこを

大反省・・・

下手クソ・・・

ああ恥ずかしい・・・

膿汁が噴き出す写真などを撮ろうとして

肝心なことを忘れていた自分を恥じた。


人気ブログランキング


IMG_2775
左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして

 
 見ることが出来ます。