先日何気なく、

我々の職場の機関紙「月刊NOSAI」の、

平成28年8月号が回覧で回ってきて、 

パラパラとめくっていたら、

私の目が、

ある記事に釘付けとなった。 

IMG_2047それは、

「自著自薦」というページ だった。

そこに紹介されていたのは

『獣医さんのイタイ恋』 文芸社  

という本で

著者は

ちばNOSAI連 西部家畜診療所 八千代出張所

に勤務する現役の獣医師 清水秀茂 氏


だった。 

その内容は

NOSAIの家畜診療所を舞台とした小説だった。

それも恋愛小説だという。

早速インターネットの書店から購入し

IMG_2046先日読了した。

読後の感想は

今まで味わったことのない感動的なものだった。

それは何と言っても

話の内容が「あまりにも身近すぎる!」からだった。

我々十勝NOSAIと

この小説の舞台になっている千葉NOSAIとは

規模の大小はあれども

仕事の内容は全く同じと言って良い。

登場するNOSAIの獣医師たちも

登場する酪農家の数々も

どこにでも居そうな人達と、どこにでもありそうな農場ばかりだ。

そこで繰り広げられるさまざまなシーンも

蹄病治療、乳房炎、繁殖障害、第四胃変位、難産、子宮脱、子宮捻転・・・

さらに家畜伝染病の予防や緊急時の対応まで・・・

我々が毎日遭遇している牛の診療のシーンなのだ。

そのシーンを書いている本人が現役の臨床獣医師であるから

描写がリアルなのは当然と言えば当然なのだが

その筆の見事なことに感動してしまう。

さらに、そのリアリズムは

往診の現場ばかりではなく

診療所に戻ってきて行うデスクワークや

さまざまな臨床検査まで及ぶ。

さらに、そのリアリズムは

複数の獣医師スタッフが協力しながら運営する

NOSAIの診療所が抱えている

さまざまな人間関係にも及び

その内部の詳細まで赤裸々に描かれている。

その組織運営の描写は

NOSAI組織の上層部の獣医師にとどまらず

その上の理事さんたちにも及び

それも実にリアルなのだ。

読んでいて「あまりにも身近すぎる!」ので

私は何度もうなづいたり笑ったりしながら

感動のうちに読み終えることができた。

その中で最も感心したことは

我々臨床獣医師の現場のリアリズムに満ち溢れたこの小説が

恋愛小説になっているということ。

牛の臨床獣医師の職場で

職員同士の間で恋愛物語が生じるのは

最近の獣医師の男女比から見れば当然で

我々の十勝NOSAIも例外ではないだろう。

それがまた

この小説の大きな魅力になっている。

畜産の生々しい現場と

若者たちの初々しい恋愛とは

一見ミスマッチのようなイメージが湧くけれども

実はそうではなく

畜産という動物の生命が躍動する現場と

恋愛という人間の生命が躍動する現場は

非常に共通するものが多く

根本は同じなのではないか

そんな思いを抱かせる小説だった。

畜産も恋愛も

考えてみれば

どちらも生々しいのである。

ともあれ

現役の臨床獣医師の方々はもちろん

畜産関係者の皆さん

畜産関係に進む学生諸君などに

是非一読をお勧めしたい

素晴らしい小説である。


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