先日の往診の1件目は、

♯牧場の乳房炎の牛の乳汁サンプルを回収し、

乳房炎軟膏を薬治するという仕事。

訪問した獣医師が1人で勝手にできる、

非常に簡単な仕事からのスタート、

のはずだった、

ところが、

♯牧場に着くと、

従業員のK君が、

私の車を見つけてやって来た。

「・・・あの、安田さん。」

「どうかした?」

「・・・牛がまた、カラスにやられたみたいで・・・」

「え?、また?」

「・・・乳房から出血してるんすよ。」

「またかい!」

「・・・はい、全く同じところから・・・縫って欲しいんすけど。」

「わかったよ、でもこれで何回目?」

「・・・春に3回たて続けにやって・・・」

「♯牧場さんは、これで4回目かな(笑)」

「・・・そーっすね。」

「それも、何でいつも、俺が来た時なの?」

「・・・4回とも全部、安田さんすよね(笑)・・・」

簡易パーラーへ牛を診に行くと

IMG_2207またしても乳房の

外側に走る乳静脈から

血液が吹き出して

牛の右の飛節と床を

赤く染めていた。

全く同じ所からの出血。

これはまたカラスの仕業に間違いはなかった。

「・・・春先に鉄砲で追い払ってから、しばらくなかったんすけど・・・」

「この間、またカラスの軍団がこの辺を飛び回ってたよね。」

「・・・そうなんすよ。」

「また鉄砲で、やってもらわないと、また繰り返すよ。」

「・・・はい。」

「俺の時ばっかり、もう勘弁してほしい・・・」

「・・・(笑)」

私は自分の引きの良さ(?!)に呆れながら

乳房の縫合の準備を始めた。

過去4回の経験から

こういう出血を止血するには

IMG_2216写真のようなサイズの角針と吸収糸が

縫いやすいことを学習した私は

出血部位をまず鉗子で挟み

ビルコン溶液で洗い

IMG_2209巾着縫合で止血した。

出血した直後だったらしく

牛はいたって元気。

貧血も全くなし。

IMG_2210縫合処置以外のことは何もせず

この牛の治療を終えた。

それにしても

うちの診療所には

IMG_2213現在7人の獣医師が交代で勤務しているが

今年度の半年間で

カラスによる牛の乳房からの出血の

治療をしたのは

IMG_2214すべて私。

私以外の6名の獣医師はこの症例に当たっていないのだ。

なぜ私ばかりがこんなに当たるのだろうか???

その確率をざっと計算してみると

IMG_22157分の1の確率が5回連続だから

35分の1という確率になる。

35年に1度訪れる当たり年(?!)

ここにまた

過去の4回の乳房出血の記録を

この記事に貼り付けておこう。


 2月24日の乳房からの出血(♯牧場にて)


 3月8日の乳房からの出血(♯牧場にて)


 3月17日の乳房からの出血(♯牧場にて) 


 8月20日の乳房からの出血(∩牧場にて)



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左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

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