「親牛の乳頭が腫れている、イボだろうか?」、

黒毛和種の繁殖をしている★さんからの往診以来だった。

乳頭の腫瘤や損傷の治療は、

乳牛では頻繁にある事だが、

肉牛ではそう滅多にあるものではないというのが、

我々十勝の酪農地帯で仕事をする獣医師たちの、

普通の感覚ではないかと思う。

和牛の乳頭には

ミルカーが装着されることもなく

IMG_2311仔牛の口以外のものに吸われることはない。

乳牛の乳頭のように

遺伝的に改良をされたり

酷使されることが全くない

IMG_2313自然な器官のままの乳頭である。

そんな和牛の乳頭が

今回は

異常な様相を見せていた。

IMG_2315先端に白くコリコリした腫瘤物があり

乳頭の二倍ほどの直径に肥大していた。

「だんだん大きくなってきたみたいなんだよね。」

「この牛、経産牛ですよね。妊娠してる?」

IMG_2318「そう。あと2ヶ月で産むんだけど、こんな乳頭じゃ・・・(笑)」

「仔牛も吸いづらいですよね。先っぼを切り落としますか?」

「お願いします。」

牛を枠場に保定して

IMG_2323鋏で切断。

切り口からポタポタと出血があったので

輪ゴムで止血処置。

輪ゴムは夕方外してもらい

IMG_2317抗生物質をあと3日間打つよう指示。

切り取った腫瘤物を

鋏で割ってみると

その中身は

IMG_2326均一な白い組織だった。

脂肪組織の塊のようだった。

和牛の体にはこのような

脂肪代謝に異常を来す部分が

IMG_2325多いのかもしれない。

それにしても

その場所が乳頭の先端とは

治療するには簡単な場所で

まことに有り難かった(笑)


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左の写真の道具を使う


「牛のニコイチ捻転去勢法」

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