稟告は「起立不能」、

酪農家の★さんの、

生後17ヶ月齢の育成牛だった。

初診をした同僚獣医師のカルテには、

起立不能に加えて、

右上腕部の腫脹、硬結、熱感と書かれており、

原因は不明だが転倒か?

という記載があり

消炎鎮痛剤が投与されていた。

翌日

私がこの牛を診に行った時

A1275439-3DF0-4463-BF0D-3043DE5C330Bこの牛は起立していた。

状態が少し良くなったのか

と、思いきや

その歩く姿は

3本足での痛々しいものだった。

E2C99B72-49C1-4CE9-9D40-5FCEC25C1ECB右前肢は全く着地することができず

ブラブラと肩から垂れ下がっている感じで

肘から肩にかけて

大きく腫れていた。

上腕骨の骨折が強く疑われる症状だった。

E1CE1D36-92F7-4CDB-ABED-7A026B7899A8「昼からレントゲン写真を撮りましょう。」

「はい。」

「それで、腕の骨(上腕骨)あたりが折れていたら、もう・・・」

「あきらめた方がいいですか?」

「・・・うん、そう、だね。」

「この牛、17ヶ月でまだ種付けもしてないし、しょうがないです。」

午後から

X線装置を持って来て

★さんの牛の上腕部を撮影した。

しかし

17ヶ月齢の牛ともなれば

体重は500kg程度あり

3本足といえども

走り出したら手に負えない。

かと言って

鎮静剤をかけて

横臥してしまった時

どういう体位で上腕部を撮影するかという

経験が私には無かった。

結局、鎮静剤を打たず

立位のまま

4人がかりで

患肢を前方に牽引して

上腕部にX線を当てて撮影したのが

D212BDC3-6291-43CF-8690-98E49969AC0E左の2枚の写真である。

全部で4枚撮影したが

うち2枚は全くの失敗撮影で

辛うじて患部が写ったのがこの2枚だった。

2枚目の写真の黄色い矢印で示した部分に

BlogPaint上腕骨の骨折らしいものが写っている。

翌日、この写真を元に

この牛を廃用に認定してもらった。

さらに、翌日の解剖の結果

上腕骨遠位の骨折は間違いなかった。

79C58BB0-039D-4DB8-B235-7C858692BE32しかし

それにしても

正直もっと上手な写真を撮りたかった。

今から考えると

C22B5DD2-A6C2-455A-9A00-D5FD59790BCCちゃんと鎮静剤を使うべきだった・・・

もっと保定をしっかりして撮影すべきだった・・・

撮影角度と方向は適切だったのか・・・

X線量ももっと多くすべきだったのか・・・

などという

初歩的な反省点が

たくさん挙げられる症例になった。

これをお読みの

X線撮影の経験豊富な諸先生方に

アドバイスをいただいて

もっと撮影が上手になりたいと思うので

どうかコメントを

よろしくお願いいたします。


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左の写真の道具を使う


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