酪農業界で導入されてきた、
牛の飼養形態の中で、
ここ30年くらいで、
急激に増えてきたのは、
フリーストール、
あるいはフリーバーン、
という乳牛たちの飼養形態である。
乳牛の首を繋いで飼うことがないので
「フリー」という言葉が使われて居る飼い方である。
しかし
私に言わせれば
この飼養形態の「フリー」ほど
不自由な飼養形態はないのではないかと思う。
一見矛盾するような言い方だが
これが私の実感である。
フリーストールやフリーバーンというのは
じつは本当のフリーではなく
一定の面積だけに囲われて
その中に閉じ込められた
牛たちにとっては実に不自由な場所なのである。
閉じ込められた牛たちは
一生涯その囲いの中で過ごす。
「フリー」すなわち「自由」と呼ばれて居る牛群の
その実情は
強い牛たちだけが自由な天下であり
弱い牛たちの居場所がない
不平等な社会
すなわち
「格差社会」でもある。
フリーストールやフリーバーンは
本来そのような事態にならないために
一定の面積に入れる頭数を制限している。
例えばフリーストールであれば
「ストールの数よりも10%少ない頭数を入れる。」
フリーバーンであれば
「親牛1頭あたり2.4平方メートルを確保する。」
ところが
この2つの制限は
私が過去から現在に渡って往診してきた
どこのフリーストールやフリーバーンでも
まず
ほとんど守られてはいない。
どこへ往診に行っても
牛が「過密状態」で飼われている。
その結果
「フリー」と言われる飼い方が
「不自由」な飼い方に変わってしまう。
そして牛たちの「格差社会」はとどまることを知らず
限度を超えると
弱い牛から次々と体調を崩し
弱い牛から次々と病気になり
我々が治療を施しても焼け石に水で
結局は廃用にするか死亡するかで
牛群全体の頭数が調節されてゆく。
弱い牛たちの多くはまだ若く
短命に終わる。
牛にとってはまことに過酷な社会である。
過密の牛舎の床は
当然のように
糞尿も過密に垂れ流されることになる。
本来ならば過密に排泄される糞尿も
回数を多くして掃除しなければならないが
ほとんどの牛舎でそのような衛生意識がない。
その結果
牛が汚れて不衛生になるのも
過密なフリー牛舎の特徴である。
さらに
そこへ追い打ちをかけるように
今は
冬の厳しい寒さが襲いかかる。
不衛生と寒さによって
牛はますます病状が悪化し
次々と死んでゆく。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
見ることが出来ます。
牛の飼養形態の中で、
ここ30年くらいで、
急激に増えてきたのは、
フリーストール、
あるいはフリーバーン、
という乳牛たちの飼養形態である。
乳牛の首を繋いで飼うことがないので
「フリー」という言葉が使われて居る飼い方である。
しかし
私に言わせれば
この飼養形態の「フリー」ほど
不自由な飼養形態はないのではないかと思う。
一見矛盾するような言い方だが
これが私の実感である。
フリーストールやフリーバーンというのは
じつは本当のフリーではなく
一定の面積だけに囲われて
その中に閉じ込められた
牛たちにとっては実に不自由な場所なのである。
閉じ込められた牛たちは
一生涯その囲いの中で過ごす。
「フリー」すなわち「自由」と呼ばれて居る牛群の
その実情は
強い牛たちだけが自由な天下であり
弱い牛たちの居場所がない
不平等な社会
すなわち
「格差社会」でもある。
フリーストールやフリーバーンは
本来そのような事態にならないために
一定の面積に入れる頭数を制限している。
例えばフリーストールであれば
「ストールの数よりも10%少ない頭数を入れる。」
フリーバーンであれば
「親牛1頭あたり2.4平方メートルを確保する。」
ところが
この2つの制限は
私が過去から現在に渡って往診してきた
どこのフリーストールやフリーバーンでも
まず
ほとんど守られてはいない。
どこへ往診に行っても
牛が「過密状態」で飼われている。
その結果
「フリー」と言われる飼い方が
「不自由」な飼い方に変わってしまう。
そして牛たちの「格差社会」はとどまることを知らず
限度を超えると
弱い牛から次々と体調を崩し
弱い牛から次々と病気になり
我々が治療を施しても焼け石に水で
結局は廃用にするか死亡するかで
牛群全体の頭数が調節されてゆく。
弱い牛たちの多くはまだ若く
短命に終わる。
牛にとってはまことに過酷な社会である。
過密の牛舎の床は
当然のように
糞尿も過密に垂れ流されることになる。
本来ならば過密に排泄される糞尿も
回数を多くして掃除しなければならないが
ほとんどの牛舎でそのような衛生意識がない。
その結果
牛が汚れて不衛生になるのも
過密なフリー牛舎の特徴である。
さらに
そこへ追い打ちをかけるように
今は
冬の厳しい寒さが襲いかかる。
不衛生と寒さによって
牛はますます病状が悪化し
次々と死んでゆく。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
見ることが出来ます。
人間に置き換えたら 雑魚寝もできないくらいですね。
今 酪農バブルで増頭、増頭 という風潮ですが、これで病気になってしまって廃用が増えるなら 本末転倒な気もするんですけどね。
私もフリーストールやロボットに憧れはありますが、今より確実に個体管理(目で見る)ができなくなるし、おまんま食べれるだけの収入はあるので、現状維持ですね。