「子牛の喉が腫れている・・・」
という稟告で診たのは、
生後3ヶ月のホルスタイン♀ 。
なるほど、
左の喉というか耳下腺付近が、
大き目のみかんのように腫れている。
触診してみると、
かなりの硬度で、
波動感はない。
「耳下腺炎だろうか?」
「昨日くらいから急に腫れが大きくなってきたんだけど・・・」
「かなり硬いね。」
「耳下腺炎といえば・・・」
「オタフク風邪。」
「えっ、マジ?、俺オタフク風邪まだやってないんだけど・・・」
「それは気をつけないと。」
「牛にもオタフク風邪ってあるの?・・・」
「いや、無い(笑)」
飼主の★君に冗談を飛ばしつつ
私はこの腫れの正体を
色々考えていた。
普通よく経験するのは
子牛の奥歯から黴菌が入り
アメ玉をしゃぶったように
ピンポン玉くらいの大きさの腫れが
上顎や下顎にできるパターンなのだが
今回のように
耳の下が大きく腫れるのは
ちょっと珍しいと思った。
この腫れは
耳下腺の組織なのか
唾液が溜まっているのか
血が溜まっているのか
化膿しているのか
それとも腫瘍なのか
確定診断する必要がある。
「針を刺してみよう。」
私は穿刺検査をすることにした。
注射器につけた18Gの長針を
硬い腫れ物の半ばまで
差し込むと
白く濁った液体が
注射器の中に入ってきた。
「あ、膿瘍だね。」
「オタフクじゃなかった(笑)」
「切開しよう。」
「お願いします。」
確定診断ができたところで
あとの治療は一本道である。
子牛の頭を動かぬように保定して
膿瘍の最下部を
メスで
切開排膿
創は大き目に3〜4センチ
膿汁を中に残さぬように
創は開放したままにして
後は
抗生物質の数日投与を指示し
治療を終えた。
後日
この膿汁の
細菌培養結果が来た。
菌は2種類
Streptcoccus agalactiae(無乳性レンサ球菌)
Pasteurella multocida (パスツレラ)
が検出された。
今まで私がよく経験した
E.coli (大腸菌)や Pseudomonas (シュードモナス)は
検出されなかった。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
見ることが出来ます。
という稟告で診たのは、
生後3ヶ月のホルスタイン♀ 。
なるほど、
左の喉というか耳下腺付近が、
大き目のみかんのように腫れている。
触診してみると、
かなりの硬度で、
波動感はない。
「耳下腺炎だろうか?」
「昨日くらいから急に腫れが大きくなってきたんだけど・・・」
「かなり硬いね。」
「耳下腺炎といえば・・・」
「オタフク風邪。」
「えっ、マジ?、俺オタフク風邪まだやってないんだけど・・・」
「それは気をつけないと。」
「牛にもオタフク風邪ってあるの?・・・」
「いや、無い(笑)」
飼主の★君に冗談を飛ばしつつ
私はこの腫れの正体を
色々考えていた。
普通よく経験するのは
子牛の奥歯から黴菌が入り
アメ玉をしゃぶったように
ピンポン玉くらいの大きさの腫れが
上顎や下顎にできるパターンなのだが
今回のように
耳の下が大きく腫れるのは
ちょっと珍しいと思った。
この腫れは
耳下腺の組織なのか
唾液が溜まっているのか
血が溜まっているのか
化膿しているのか
それとも腫瘍なのか
確定診断する必要がある。
「針を刺してみよう。」
私は穿刺検査をすることにした。
注射器につけた18Gの長針を
硬い腫れ物の半ばまで
差し込むと
白く濁った液体が
注射器の中に入ってきた。
「あ、膿瘍だね。」
「オタフクじゃなかった(笑)」
「切開しよう。」
「お願いします。」
確定診断ができたところで
あとの治療は一本道である。
子牛の頭を動かぬように保定して
膿瘍の最下部を
メスで
切開排膿
創は大き目に3〜4センチ
膿汁を中に残さぬように
創は開放したままにして
後は
抗生物質の数日投与を指示し
治療を終えた。
後日
この膿汁の
細菌培養結果が来た。
菌は2種類
Streptcoccus agalactiae(無乳性レンサ球菌)
Pasteurella multocida (パスツレラ)
が検出された。
今まで私がよく経験した
E.coli (大腸菌)や Pseudomonas (シュードモナス)は
検出されなかった。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
見ることが出来ます。
放っておいて良いんでしょうか?以前 獣医さんの講習会で、生まれた時に臍から入った細菌が 暫く後に口のあたりに飛んで、顎が腫れることがある、と聞きました。