「種付けした後、汚れが出る・・・」、
そんな稟告で、
子宮洗浄をすることになった。
交配(種付け)後の馬の子宮洗浄は、
今シーズンになってからは、
初めてのことだ。
20年ほど前だったら、
繁殖牝馬の数が今よりも、
10倍はいたので 、
今頃は頻繁に数え切れぬほど、
交配後の子宮洗浄をしたものだが、
最近はめっきり減ってしまった。
今回はたまたま、
同僚のC獣医師が同行したので、
子宮洗浄をしているところを、
写真に撮ってもらった。
馬を枠馬に入れて
尾巻きをする。
子宮洗浄用の生理食塩水18リットルの
ポリタンクを枠馬にぶら下げる。
外陰部をスポンジに付けた石鹸でよく洗い
洗浄用の三又のついたシリコンチューブを
タンクの蛇口にセットして
コックをひねる。
三又の短い方の チューブを塞いでおいて
長い方のチューブから洗浄液を出しながら
それをまず膣内に挿入する。
子宮洗浄の前にまず膣洗浄を行う。
膣が洗浄されたら
チューブの先を持った手を
手とチューブ諸共に
子宮外口から子宮内へすっぽりと挿入する。
挿入した手を魚のヒレのように動かしで
チューブの先から出てくる洗浄液を
子宮の中に満べんなく行き渡らせる。
子宮内に洗浄液が 満杯になったら
シリコンチューブの三又の部分の
タンクにつながっている方を封鎖して
短くついているチューブの方を解放すると
子宮内に溜まった洗浄液が
どっと排出されてくる。
子宮洗浄の還流液は
ガラスのコップなどで受け止めて
その色や絮片の有無などをよく観察する。
今回の還流液は
1回目は米のとぎ汁状に白濁していた。
2回目はそれがかなり薄まって
3回目には肉眼でほぼ透明な洗浄液になった。
絮片は認められなかった。
交配(種付け)後の子宮の汚れとしては
それほど重症ではない
急性の子宮内膜炎であろうと診断した。
子宮に入れている手で
子宮内膜を摘まんでその触感を診ても
異常な触感は認められなかった。
この馬は
排卵していたので
今回の発情での交配(種付け)これで終わり。
そういう場合に私がよく使う
子宮内注入の薬剤は
動物用イソジン液である。
シリコンチューブの短い先に
市販の漏斗を取り付けて
イソジン液を注いでもらえば
それがチューブを通って
子宮内へと注入される。
イソジン液が子宮内へ入ってきたら
また入れている手のひらを魚のヒレのように動かして
子宮内へ満べんなく行き渡らせて
手とシリコンチューブ抜いて
子宮洗浄が終了する。
ここで一つ大切なことは
子宮内に一度挿入した手とチューブは
手技の最初から最後まで
ずっと入れっぱなしで
手を何度も出し入れしないことだ。
出し入れするたびに
外の汚れを
子宮の中に入れてしまうことになるからである。
多くの場合
動物用イソジン液が功を奏し
このまま受胎する可能性さえあるが
再び汚れを出すようであれば
今度は交配(種付け)前にも洗浄する必要があるかもしれず
その時は汚れた液を培養して
細菌検索もすべきであろう。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
見ることが出来ます。
そんな稟告で、
子宮洗浄をすることになった。
交配(種付け)後の馬の子宮洗浄は、
今シーズンになってからは、
初めてのことだ。
20年ほど前だったら、
繁殖牝馬の数が今よりも、
10倍はいたので 、
今頃は頻繁に数え切れぬほど、
交配後の子宮洗浄をしたものだが、
最近はめっきり減ってしまった。
今回はたまたま、
同僚のC獣医師が同行したので、
子宮洗浄をしているところを、
写真に撮ってもらった。
馬を枠馬に入れて
尾巻きをする。
子宮洗浄用の生理食塩水18リットルの
ポリタンクを枠馬にぶら下げる。
外陰部をスポンジに付けた石鹸でよく洗い
洗浄用の三又のついたシリコンチューブを
タンクの蛇口にセットして
コックをひねる。
三又の短い方の チューブを塞いでおいて
長い方のチューブから洗浄液を出しながら
それをまず膣内に挿入する。
子宮洗浄の前にまず膣洗浄を行う。
膣が洗浄されたら
チューブの先を持った手を
手とチューブ諸共に
子宮外口から子宮内へすっぽりと挿入する。
挿入した手を魚のヒレのように動かしで
チューブの先から出てくる洗浄液を
子宮の中に満べんなく行き渡らせる。
子宮内に洗浄液が 満杯になったら
シリコンチューブの三又の部分の
タンクにつながっている方を封鎖して
短くついているチューブの方を解放すると
子宮内に溜まった洗浄液が
どっと排出されてくる。
子宮洗浄の還流液は
ガラスのコップなどで受け止めて
その色や絮片の有無などをよく観察する。
今回の還流液は
1回目は米のとぎ汁状に白濁していた。
2回目はそれがかなり薄まって
3回目には肉眼でほぼ透明な洗浄液になった。
絮片は認められなかった。
交配(種付け)後の子宮の汚れとしては
それほど重症ではない
急性の子宮内膜炎であろうと診断した。
子宮に入れている手で
子宮内膜を摘まんでその触感を診ても
異常な触感は認められなかった。
この馬は
排卵していたので
今回の発情での交配(種付け)これで終わり。
そういう場合に私がよく使う
子宮内注入の薬剤は
動物用イソジン液である。
シリコンチューブの短い先に
市販の漏斗を取り付けて
イソジン液を注いでもらえば
それがチューブを通って
子宮内へと注入される。
イソジン液が子宮内へ入ってきたら
また入れている手のひらを魚のヒレのように動かして
子宮内へ満べんなく行き渡らせて
手とシリコンチューブ抜いて
子宮洗浄が終了する。
ここで一つ大切なことは
子宮内に一度挿入した手とチューブは
手技の最初から最後まで
ずっと入れっぱなしで
手を何度も出し入れしないことだ。
出し入れするたびに
外の汚れを
子宮の中に入れてしまうことになるからである。
多くの場合
動物用イソジン液が功を奏し
このまま受胎する可能性さえあるが
再び汚れを出すようであれば
今度は交配(種付け)前にも洗浄する必要があるかもしれず
その時は汚れた液を培養して
細菌検索もすべきであろう。
左の写真の道具を使う
「牛のニコイチ捻転去勢法」
の動画をYouTubeにアップしています。
ここを→クリックして
見ることが出来ます。