「今朝産んだ牛が立てない・・・」

そんな、とてもありふれた稟告で、

§牧場に着いて、治療の牛を探した。

「あっちです・・・」 

§さんの指さすD型倉庫の中で、

牛が立っていた。

「・・・立ったんだね。」

「ええ。立ったんですけど・・・」

牛をよく見ると

IMG_3588左の肩に大きな傷があった。

「・・・これはどうしたの?」 

「搾乳牛舎で寝てる時に、自動給餌機が来て・・・」 

「・・・自動給餌機!、停止しなかったの?」

「はい・・・」

§牧場は繋ぎ飼い牛舎で 

牛の飼槽部を巡るように

箱型のモノレールのような

自動給餌機が

一日何回も行き来して

搾乳牛に餌を与えている。

最近よく見かけるスタイルの

繋ぎ飼い牛舎である。 

IMG_3591自動給餌機というのは障害物があると

センサーが働いて停止する。

この牛が

どんな格好をして寝ていたのかはよくわからないが

自動給餌機は停止せずに

IMG_3592産後起立不能になっていたこの牛の

左の肩の部分をえぐって行ったようだ。

私はこのような牛の怪我を見るのは初めてだった。

「・・・とりあえず、縫っておいたほうがいいね。」

「お願いします・・・」 

IMG_3600鎮静をかけて

傷を見ると

長さは約15僂世 

肩甲骨の軟骨部分が

筋層の切れ目の奥深くに見え

IMG_3602深さもそこそこあるようだ。

まずは筋層を縫合し

それから皮膚の縫合。

皮膚の縫合は四胃変位の時と同じ

吸収糸による皮内縫合をした。

IMG_3605牛がおとなしく

楽に縫い終えることができたが

この傷の部分はよく動く場所なので

傷がちゃんと閉じてくれるかどうかは

全くわからなかった。

抗生物質を5日間駐車するように指示して

治療を終えた。

3日後

IMG_3612この牛の傷の状態は

縫合部の腫れもなく良好で

元気も食欲も正常だった。

さらに

2週間後

この牛の傷の状態を

IMG_3630往診のついでに見ると

縫合部がやや膨れて

触ると波動感があった。

これはもしや

化膿したか・・・

そんな心配が頭をよぎったので

IMG_3632腫れた部分に注射器を指して

内容を吸って見ると

淡黄色透明な漿液だった。

なんとか

化膿は免れているようだった。

 
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左の写真の道具を使う


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