重種馬の下顎骨切歯部の骨折（2）

「今日治療している時に写真を撮ればよかったです、あれほど酷かったとは思えないくらい落ち着いています。」

さらに、

「草はがっつり詰まっていましたが・・・。感染や過形成に注意します。」

この馬が帰って行った数日後、

競馬場のF獣医師からそんな連絡が入った。

さらに数日後、

「調子よく食べているようです。」

再びF獣医師から連絡が入り、

撮った写真を送ってくれた。

左の写真がそれで

詰まった食べ物を洗い流した後の

傷口がまだ生々しい。

「こんなことがあっても懲りずに鎖を噛んでいる、と厩務員氏がぼやいていました。」

ということだった。

それからさらに

1週間後

「ここ1週間来院していないので、経過を見せに近々来てもらうようにお願いしてみます。」

という連絡が入り

それから、しばらくは

音沙汰がなかった。

便りのないのは良い便り・・・

と思って

約1ヶ月経過した頃

F獣医師から久々に連絡が来た。

「臭いもなく、過形成もなく順調です。レースにも勝ってます。相変わらず綱を噛む癖はあり、懲りてませんが（笑）、厩務員氏はよろこんでます。ありがとうございました。」

というメッセージとともに

数枚の写真が送られて来た。

経過はとても順調のようだ。

今回私は

たまたま初診を担当したが

創部の摘出以外は特に何もしていない。

それよりも

怪我の後の

F獣医師の続けた丁寧な治療によって

順調に回復することができたと思われる。

したがって

お礼を言いたいのは

こちらの方である。

どうもありがとうございました！


（この記事おわり）







左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

の動画をYouTubeにアップしています。

ここを→クリックして
 
見ることが出来ます。  

Comments

[1. ヨシダ]

細菌感染などがなく、治癒したようで良かったですね！口の中は治りが早い　と人間では言いますが　馬はどうですかね(^^;
私も歯列矯正したことがあるので強制的ではありますが顎の骨や歯の位置が変わると　豆腐しか食べれなかったものですが、動物は強い！

[2. はとぽっけ]

　あの、つまり、通院さぼってレース出て、おまけに勝ったりもした、ということなのでしょか？今後もご健勝で、ご長命でありますように。先生方も、関係者の方々も。
　おっきいおんまさんの魅力、実際会って感じる方が増えるといなぁと思うこのごろです。

[3. 豆作]

>ヨシダさん
馬は外傷に強い
という印象はずっと持ち続けております。
今回もその例に漏れず
驚くほどの勢いで回復しました。
しかし、今後は
噛み合わせの悪さなどによって
歯の過長や思わぬ不調が待って居るかもしれず
油断はできないと思っています。

[4. 豆作]

>はとぽっけさん
通院はサボっていたわけではない
と思います。
もともと素質のある強い馬で
怪我をした日も、本命馬だったそうです。
これからまたこの馬のレース出場は続くと思いますが
競馬場で見かけたら
是非応援馬券を買って欲しいと思います！

[5. Ｆ]

豆作先生この度はありがとうございました。
先生が写真を撮影していてくれたおかげで、受傷時の様子を確認することができました。
再診時には、その面影を想像できないほどキレイでしたので、やはり口腔内の傷というものは治りが早いのだと実感しました。
hig先生のアドバイスも有難いです。
牛の鼻鏡断裂では結束バンドが非常に有効でしたが、なるほど・・。ワイヤーでなくても方法はあるんですね。
今後ともよろしくお願いいたします♪

[6. 豆作]

＞F先生
コメントありがとうございます！
これからもどうぞお気軽にお書きください。
A先生にもよろしくお伝えください。
先日A先生に、私の遭遇した疝痛の繁殖牝馬のことを
ちよっと電話で相談したのですが
その馬は、大事に至らず回復したことを
ついでの時にでもお知らせいただくとありがたいです（^^）

[7. さかやん]

誰だろう？
競馬はいつも見ているので‥
気になります。

[8. 豆作]

＞さかやんさん
コメントありがとうございます。
競馬新聞を見ると誰かわかるかもしれません。
強い馬です。