長期不受胎の重種繁殖牝馬の、

子宮の中へ灯油を注入する不妊治療。

IMG_5257そんな物を子宮に入れることを、

よく思いついたものだ、

と思った。

が、よく考えてみると

子宮内膜の洗浄と再生を目指すために

子宮内へ注入する薬剤の

IMG_5258多くは水溶物

すなわち水に溶ける薬剤であり

水和性の高いものばかりだった。

そこへ、一つの発想転換として

水和物ではなく

油性の液体による

IMG_5259子宮内膜の洗浄と再生へと

発想が行くのは自然の成り行きかもしれない。

水で落ちない頑固な汚れは

油で落とせるのではないか

と考えるのは

クリーニングに携わる人の

自然な発想なのかもしれない。

帯広畜大のN保先生の指示に従って

前日に

灯油100ml+生理食塩水100ml=200ml

を子宮内に注入した馬の

子宮洗浄をすることにした。

いつものように道具をセットして

陰部を洗浄していると

ほんのりと灯油の匂いが鼻を突いた。

助手をしてくれたΔさんに

子宮内を還流させた洗浄液を

ガラスのコップに受けてもらった。

IMG_5279写真は

1回目の還流液

から

4回目の還流液までを

順番に撮影したものである。

IMG_5280最初の還流液には

白濁した液の中に

非常に多くの絮片が混ざり

それが

還流を繰り返してゆくたびに

IMG_5281絮片の数も白濁の程度も

少なくなっていった。

18リットルのタンク一杯の洗浄液(生理食塩水)を

ほぼ使い切って

子宮洗浄を終えた私は

IMG_5282N保先生の指示通りに

最後に抗生物質の溶液を注入して

作業を終了した。

今後は

この馬に発情が来たら

普通に種付けをすればよいという。

この馬の洗浄液の状態などを

翌日、メールでN保先生に報告したら

その返信メールに

わたくしの経験では注入後4日で交配した18歳のクオーターホース雌馬が受胎しましたので、そのくらい空ければ次の発情で交配できると思います。」

という心強い言葉が書いてあった。

この馬の今後も、楽しみである。

IMG_5283以上

とても簡単な手技であり

しかも

灯油は安価である。

長期不受胎馬を抱えて

治療に困っている飼主さんと獣医師は

ぜひ試してみていただきたい治療法である。

ただ一つ

注意しておくことは

火気厳禁!!!

タバコを吸いながらの治療は

絶対ダメである。


(この記事終わり)


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左の写真の道具を使う

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