「安田さん、聞いてくださいよ・・・」

◎ファームの牛の乳熱の治療をしている時、

従業員の♯君が話しはじめた。

「このあいだホルの雌ダネを付けた牛から、ジャージーが生まれたんですよ・・・」

「・・・え?、どういうこと?」 

「ホルの雌ダネなのに、どう見てもジャージーみたいなメスが生まれたんですよ・・・」 

雌ダネ、というのは、

メスが生まれる確率が高くなるように、

加工された牛の精液のことである。 

性選別精液と言われるもので

酪農家のあいだでは広く普及され市販されている。

ホルスタインの人工授精に

普通の精液を使うと

オスとメスがほぼ1対1で生まれてくるが

この選別精液(雌ダネ)を使うと

メスが約90%の確率で生まれてくる。

精液というのは

オスの遺伝子を持った精子(Y精子)と

メスの遺伝子を持った精子(X精子)の

2種類が1対1で含まれている。

その精液を

特殊な機械に通すことによって

Y精子とX精子をふり分けて

雄の生まれやすい精液とメスの生まれやすい精液を作るのである。

メスの生まれやすい精液は

酪農家にとって

搾乳牛を確保するために好都合で

選別精液(雌ダネ、X精液ともいう)は

あっという間に全国に普及した。

◎ファームの牛の授精にも

選別精液が使われていたのである。

IMG_5216「・・・でも、何でジャージーが生まれて来たの?」

「繁殖台帳を確認したら、1回しか付けて(授精して)いないんです・・・」

「・・・その1回が雌ダネ(X精液)だったの?」

「そうなんです。最初は授精師さんが間違えたんじゃないかって思って問い合わせたんですけど・・・」

「・・・じゃないの?」

「JAの授精師さんは間違ってなくて、話は仕入先のABS(アメリカンブリーディングサービス)まで行ったんです・・・」

IMG_5217「・・・。」

「そうしたら、関東の方の牧場でも、この精液で同じような事があったらしいんですよ・・・」

「・・・ジャージーが生まれて来たの?」

「そうなんですよ。正確にはジャージーとホルスタインのF1ですけど、茶色くて小さくて・・・」

「・・・それでしっかりメス?」

「そうらしいです、製造元ではジャージーの雌ダネも作っているらしいんですよ・・・」

IMG_5218何でこんなことが起こったのか。

謎であるが

その原因を想像してみると

ホルスタインの選別精液を製造する工程で

ジャージーの選別精液が混入した

という可能性がある。

選別精液の製造所で

ジャージーの選別精液と

ホルスタインの選別精液が

IMG_5220同じ機械でられていて

何かの理由で

それが混ざってしまった

と考えられる

混入事件である。

これをお読みの畜産関係者の皆さんは

選別精液を使っていて

こんな経験したこと

ありますか?

あったら教えて欲しいです。


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左の写真の道具を使う

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