術後5日目にして、

ようやく普通に寝起きするようになり、

食欲が正常に戻り、

なんとか助かったな、

と思えた育成牛。

左右の胸部に深い傷を負った牛に遭遇することは

今までそれほど多くはなく

ましてやその部分に 

手術を施すなどということは

あまり経験することがなかったので

どうなることかと思っていたが

回復の兆しを見せてくれたことで

ひと安心をした。

「でも先生、この腫れは・・・」

「・・・中身はなんだろうね。」

次の課題は

左右の創部にできた

プカプカと波動感のある

ハンドボール大の腫れだった。

IMG_5214こういう腫れ物の中身を

手っ取り早く検査するには

穿刺をすればよい。

超音波診断も大事であるが

常に持ち歩いていないので

IMG_5211注射器と針があれば簡単にできる

穿刺検査を私はいつもやっている。

今回は

右側と左側でそれぞれ穿刺をしてみた。

すると

色の濃さこそ少し違うものの

IMG_5215どちらも漿液が吸引されてきた。

漿液とは

炎症が起こった時に出てくる浸出液である。

もしここで

吸引した液体が

半透明な漿液ではなく

真っ赤な血液だったら

どこかでまだ出血が起こっている可能性があり

貧血の手当てをしなければならない。

また、もしここで

吸引した液体が

半透明な液体ではなく

クリーム色の化膿汁だったら

激しい細菌感染が続いている可能性があり

抗生物質の投与とともに

切開、排膿、洗浄、などの処置をしなければならない。

IMG_5247しかし

今回はそのどちらでもなかったので

「・・・このまま様子を見ましょうか。」

ということになった。

牛は手術後2週間で

IMG_5245治療を打ち切り

あとは

自然治癒力に任せて

様子を見ることにした。

とりあえずの

治癒判定である。


(この記事終わ・・・ろうと思ったけど、もうちょっと続く)


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左の写真の道具を使う

「牛のニコイチ捻転去勢法」

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