「隣の牛、首が腫れてきたんでけど・・・」 

繁殖検診をしている途中で△さんがそう言った。

隣の牛の首を見ると

頸部の背側がラグビーボール大に腫れていた。

「・・・食欲は?」

「あります・・・食べてるからいいか・・・」

「・・・いや、でもこれはでっかく腫れてるね。」

「何なんですかね・・・繁殖に影響ありますか・・・」 

「・・・これだけ腫れてたら、ないとは言えないね。いつからこんなに?」 

「最近急に大きくなったような・・・」 

「・・・検診終わったら、穿刺してみよう。」

「はい・・・。」 

かくして

△さんの牛の繁殖検診を終えて

手持ちの注射針(18G・1-1/2)をシリンジに付けて

腫れ物にへ垂直に差し込んでゆき

シリンジのピストンを引いた。

しかし

注射器の中へは何も吸引されてこなかった。

場所を変えて何度も垂直に差し込んでは

ピストンを引くが

注射器の中へは何も吸引されてこなかった。

何度かやっていると

注射器の中にごくわずかの量の

黒っぽい血液が吸引されるだけだった。

「・・・?・・・。」 

「何ですかね・・・」

「・・・血腫じゃないのかな・・・?」 

「そうですか・・・」

「・・・血腫ならもう少し様子を見るか、小さくなるかもしれないし。」

「はい・・・」 

そんなことがあってから

約2週間後 

再び

△さんの繁殖検診の日がやってきた。 

「あの首の腫れた牛、小さくならないんですけど・・・」 

 「・・・全然?」

「はい・・・何とかなんないですか・・・」

「・・・うーん、じゃあ切ってみるか。」 

「お願いします・・・」 

かくして

その翌週の午後

△さんが

この牛を手術室に連れてきた。

BlogPaintその時の写真がこれ。

手術台に牛を寝かせ

大きく腫れている部分に

まずエコーを当ててみた。

しかし

厚い筋肉組織らしきものが映るばかりだった。

IMG_5603この腫れの正体は

血腫だと言ったものの

確証はなく

エコー画像も

診断の手助けには

いまいちならなかった。

「・・・切って見るしかないか。」

私はエコープローブを

メスに持ち替えて

腫れ物にメスを入れた。

すると・・・


(この記事続く) 


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